↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
充分に発達した科学は魔法と見分けがつかない  作者: to4hero
教師の生活編
PR
41/83

幽霊の正体

アンと別れ俺は喫茶店に着いた。

ドアを開けようとした時アンの言葉が脳裏をよぎる。

“幽霊が出たって噂になってるんスよ。”

…ふん、馬鹿らしい。

俺はドアを開け、中へと入り、空いている席に座る。

ウェイトレスにいつもと同じ物を頼む。

数分でアイスコーヒーが届いた。ブラックのまま一口飲む。

うん、苦味と酸味のバランスが丁度いい。ここのコーヒーはなかなか美味いのだ。


肆部祭のプランを考えながらコーヒーを嗜んでいるとふとこんな会話が聞こえてきた。

「本当だって。あの幽霊騒動の日、俺の肩に何か当たったと思ったら扉が勝手に開いたんだ。」

「勘違いじゃないのか?そもそも実体の無い幽霊が体にぶつかったりドアを開けたり出来るのか?」

「そりゃあ…でもそれじゃあ、あれは何だったって言うんだよ。」

「俺が知るかよ。」


…確かにな。やはり幽霊などでは無いようだ。

それでは何が原因でこんな噂が流れ始めたのか。

見えない何かがこの店を出ていった?やはり突風か何かか?

しかしあの男の肩にぶつかってからドアが開いたとなるとこの店内でその突風が発生した事になるよな…

そんな事あり得るのか?

いや、風の魔法を使えばあり得るか。しかしアンは誰もいない所から声を聞いた人もいると言っていたし…

それじゃあ幽霊や風というよりむしろ透明人間…

「は!!いかん。肆部祭について考えて筈がいつの間にか脱線していた。」

俺はそのまま肆部祭のプランを考えたが結局いい案が思いつかず喫茶店を後にした。


宿直室に着き、中に入ると違和感を覚えた。なんというか人のいる気配を感じたのだ。

部屋の中を見回すが勿論誰もいない。

気のせいだと思い座ろうと椅子を引く。

…おかしい、椅子が異様に重いのだ。まるで既に誰が座っているかのようだ。

まさか本当に透明人間が…

俺は恐る恐る椅子の前の空間を触る。

!?何かいる!!

見えない何かに手が触れた瞬間“ひゃっ”と小さい悲鳴のような声が聞こえた。

すると椅子の周りの景色が歪み少女の姿が現れた。

「ディーテ!?」

なんとアフロディーテがそこに座っていたのだ。

俺が驚いているとアフロディーテは泣きそうな顔で言った。

「ご、ごめん…なさい。勝手に…部屋、入った。」

事情が全く飲み込めないので彼女に詳しい話を聞く。


話をまとめるとどうやらこういうことらしい。


① 俺がミスしたあの日ダレン、アルフレッド、アフロディーテの3人で俺の事を尾行した際に光の魔法を応用した透明化の魔法を使い周りから自分達の姿を見えなくした。

② 俺のオリジナル魔法陣を詳しく知りたかったが部活中は作る部品を理解するので精一杯で魔法陣を観察する暇が無かった。

③ 昨日の部活終了後にオリジナル魔法陣を見せて貰おうと宿直室を訪ねたが俺が不在だった為、日を改めようとした。しかしドアに鍵がかかっていなかっため、つい中に入ってしまい、オリジナル魔法陣を観察していた。

そこに俺がスミスを連れて戻ってきたため咄嗟に透明化の魔法で姿を隠した。そしてスミスが部屋を出ていくタイミングで一緒に出ていった。

④ 今日も昨日と殆ど同じ流れらしい。


つまりはあの喫茶店の幽霊の正体は俺の後をつけて店の中に入っていたアフロディーテ達だったようだ。

そして今日の部活中の彼女のやる気や終わり際のセリフは昨日の俺とスミスの会話を聞いていたから。

俺がアフロディーテの気持ちを第一に考えていたのが嬉しかったらしい。これで話が全部繋がった。

しかし透明化の魔法とは驚いた。光学迷彩みたいなものなのだろうがそれを簡単に使ってしまう彼女は改めてとんでもない才能だ。


「話は分かったよ。だけどやっぱり人の部屋に勝手に入るのは良くないことだよ、ディーテ。」

「うん、ごめん…なさい。」

「まぁだけど俺が鍵を掛けてなかったのも悪いしな。もう勝手に入らないと約束してくれるならそれで良いよ。」

「うん、約束…する。もう…勝手に、入らない。」

「じゃあこの話はこれでお終いだ。魔法陣の事を詳しく知りたいのだろう?存分に見てってくれていいよ。何か質問があれば聞いてくれ。」

アフロディーテの顔がパーッと明るくなり早速色々と質問をしてきた。

その質問の答えを全て聞き終わるとアフロディーテは最後にもう一度謝り、家に帰っていった。


そして俺はというと、この一連の出来事がヒントとなり行き詰まっていた肆部祭のプランを練上げることが出来たのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。