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それぞれの選択

人の一生には多くの選択肢が存在し、その中から一つ選んで進まなければならない。

この髪のお陰で嫌になることもあったけれど、人と違うこの髪が皆に出会うきっかけとなった。

例え自分に世界を脅かすような凄い力があったとしても、今はよく分からない。

いくつかの町を超え、僕らの居場所を探しているが未だにどこにも見つからない。

多くの人の心を変えるには、一体どうしたらいいのだろう。


「貴方方はきっと、今まで一人で頑張って来られたのでしょうね。また、一人では解決できない問題も仲間たちと力を合わせて乗り越えて来たのでしょう。この世界には切り裂かれた貴方の片割れがいます。また、その方もきっと貴方を探していることでしょう。私は神の意志を伝える為に残された者。どの道を選ぶかは貴方方の選択に委ねます」

神官はそう皆へ告げた。そんな中で一人、ザミアが立ち上がって皆に顔を向けて話し出した。

「この場を借りて皆、聞いて欲しい。儂らの世界は今、危機的状況にある。人同士の争いが、国同士となり、遂には機械人間らによって人は滅ぼされてしまうじゃろう。そこで儂は考えた。弱き人を守るには儂一人ではどうにもならぬだろうと。しかし諦めることはできなかった。儂が出来ることに力を尽くすべきじゃと。そう思い、旅に出たのじゃ。皆がどうしたいかは自分らで決めて欲しい。これからは危険な目にあったり、命を落とすかもしれぬ。儂は人の力で人を変えたいと考えておる。儂はその為に(ひた)走る。どうかそれに賛同出来る者は付いて来て欲しい」

「…」

皆ザミアの話を聞いて考えていた。

旅に出るだけのことと、戦に参加することは意図が全く異なるのだから当然であった。

「そんなこと急に言われてもねえ…私、励ますくらいしか出来ないし」

「私も戦闘要員には向かないかと思いますが…」

カナンとリオは消極的な意見だった。

「無理にとは言わん。それぞれが得意なことで協力してくれたらええんじゃ。戦闘に加わらんでも、味方を勇気付けたり、危険を察知したりすることも十分に助かることじゃからな」

「まあ、それなら協力してあげてもいいけど…」

「私も微力ながらお手伝い致しますわ」

「私もお役に立てる事があるならば協力致します」

「僕もやるよー!!」

カナン、リオ、レヴィオ、アビイがそれぞれ賛同した。

「皆、有難う。タブルスとリスイアはどうじゃ?」

「俺も行くよ…止めなきゃいけない奴がいるんでな」

「タブルス、それって誰のこと??」

「リスイアもそうだが、もう一人、俺たちの仲間をな」

「仲間??」

「リスイア、覚えていないのですか? あの事件のことを…」

神官が尋ねると代わりにタブルスが答えた。

「ああ。アダルナピスに向かった後、リスイアは記憶を無くして倒れてたんだ」

「そういうこと、でしたか…」

「だけどもう限界だな。伝えておかないと、この村で起こったことを…」

タブルスは伝えようとするが、上手く言葉に出来なかった。

「何があったの…?」

「タブルス、私からお話しても良いでしょうか?」

遠慮がちに神官はタブルスに尋ねた。

「ああ…俺はちょっと外にいるよ」

そう言うとタブルスは外へと出て行った。

「あの…儂らも出た方がよいかの??」

ザミアたちも聞いていいのか迷っていた。

「いえ、ここまで来てくださった皆さんも知っておいた方が宜しいでしょう」

「わかりました。聞かせてください」

「リスイア…大丈夫??」

カナンの心配する声が漏れた。

「僕が知らないと前に進めない気がするんだ。この村のこと、そして僕の仲間だったと言う子の話を…」

「…わかりました。お話致しましょう」

神官はそう告げ、一息ついてからゆっくりと口を開き始めた。

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