無意味
虫
「女王様、いいんですか。奴らに好き勝手させて。巣を1つ破壊されましたよ!燃やして破壊されました」
「中々やるわね。けど、何人か向こうも倒れたでしょ?」
「向こうも無傷ではないと思います」(実際3人殺されている)
「そう、まぁ、ここに来るまでに何人か減ってるでしょうからほっときなさい」
「じゃあ、巣の中を空にして拠点に呼んでこっち強化しませんか?」
「そんな事したら相手が減らないじゃないの。ダメよ。絶対ダメ。向こうでも戦ってもらわないと」
「はぁ・・・」
「戦争って作戦も重要なのよ。奴らはバテた上に人が減ってる状況で戦わないといけない。対してこっちは元気。勝てる確率を上げるのよ」
「・・・はい」
と言いながらもキラネスは不服だった。仲間が死んでいくのはつらい。
「無傷で勝てると思ったら大間違いよ。戦争ってそんなもんよ。そうそう、東京とかはどうなってるの?」
「はい。全国規模でクモを落として、そいつらが人間に直接糸を吐いて捕らえて捕食してるそうです」
「ハチはクモ落としてるだけ?」
「いえ、とりあえず、攻めてもいますが、僕らはヘリから撃ち落されます。持ってる方を落とすってのは心理なんですかね」
「それもあるけど、たぶんハチの方が強いと思われてるわね。強い方を倒すって心理もあるわよきっと」
「そうですかね。この戦争勝てますかね?」
「絶対勝てる。人間なんて有能なの限られてるじゃない」
「はぁ・・・」
「有能な連中だって開発、開発って言って地球に気を遣わないで環境破壊。そのおかげで我々は大きくなれたから有能な連中に感謝すべきかもね」
「勝てますかね?」もう一度聞いた。
「向こうが自滅してるんだから絶対勝てるわよ」女王は強気だ。
島
しばらく歩くと仁王杉があった。
ここにもハチの巣があった。無理やりくっ付いてる感じだ。よく くっ付いてられるよな。
1か所しかのり付け出来てないような感じなのに。ハチの巣の右側だけが杉にくっ付いていて左は宙ぶらりんだ。班長は言った。
「さっきは、我々が攻撃したから出てきた。今回からは放っとこう」
「えっ?」
「大丈夫だと思う」
実際、ハチは出てこなかった。気になる質問を藤本はぶつけた。
「こっちの武器がなくなるからって事ですか?」
「いや、トランシーバーでヘリとやり取りするから、縄文杉まで行けば、武器は上からパラシュート付けて送ってもらえる。」
「圏外ですよ。ここ」
「良いやつだからいけるんだよ」
「風で武器がそれたら?」
「いけるんだよ。」
何を聞いても理由もなく「いける」と言ってくる。不安だ。
ずっとトロッコ道だったが、終わりに大株歩道が出てきた。ここからは『スタンドバイミー』じゃない。
入口で水が流れていて綺麗だった。滝につながっているのか。
どんどん登っていく。途中はしごや、足場の悪い所も登っていく。
このしんどさを超えた後の縄文杉は感動するんだろうけど、僕らはそこでボスと対決しないといけない。感動してる場合じゃない。
ウィルソン株の足場の悪い所で若造がクモの巣にかかった。バテてたんだろう。
「うわっ!助けてくれ!」
「自衛隊がナイフで切ろうとするも切れない」
「ニチャニチャして無理だ」
「助けてくれ!」
「火で燃やしてみましょうか」
「そんなん恐いって、止めて!」
その時、奥からクモが現れた。こちらに向かって糸を吐いてくる。
「うわっ、逃げろ」
その声もむなしく自衛隊の1人が当たった。
「うわっ!気持ちわる!」
クモに向かって火炎放射を撃つも、かわされる。殺虫液もダメだ。すると、もう一匹株の中から出てきた。
『中から外を見上げるとハートに見える』
って書いてあったあの中にクモが待ち構えていたのだ。もう一匹、計3匹出てきた。若造に1匹がのしかかる。
ブシュッと嫌な音が聞こえた後、火炎放射を喰らわせた。若造ごと燃えてしまったのであわてて消火する。
クモは殺虫液もモロに喰らってるので死んだ。若造はガスマスクをしていたにも関わらず首から血を流していた。それ以外にも腹をえぐられており死んでいた。
藤本と池田は固まって動けなくなった。
けど、後2匹残っており、実松が1匹を退治していた。同じく、自衛隊の1人にのしかかってる時に殺虫液をかけたのだ。モロに顔面を捉えたらしく、火炎放射はいらなかった。
自衛隊も首から血を流し出血多量で死んでいた。もう一匹は自衛隊がおとりになり、そいつに近づいて行った所を後ろから燃やした。
「ガスマスク意味ねぇじゃねえか!」
実松が怒った。
「重たいだけだ。こんなもん」
実松は何と脱ぎ捨ててしまう。
「着た方がいいよ」
自衛隊の班長は諭すも
「さっき、やられてたじゃねぇか!俺はもう、あんな重いもんは着ない」
すると意外にも何人かの自衛隊もガスマスクを外した。
「これはいらないと思います」
捨て始めた。すると連鎖反応のように全員ガスマスクを捨てた。班長だけが着けていた。
実松なんて防具まで捨てた。
「早い所、縄文杉に行こうぜ!」実松は強気だった。
藤本、池田はしばらく下を向いて何も喋らなかった。




