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金花を求めて  作者: 三日月 帆立


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2章 プロローグ

 ミーミヤからカナルギウムを経由し、さらに北の地。オータマにカレンは居た。ミーミヤ元地主のメイド長、アメジストからの情報を元に観光も兼ねて来ている。オータマは北とは言えど、赤道を超えた北ではなく、あくまで大陸の北というだけだ。むしろ赤道に近くなったので熱く感じ、露店は飲み物ばかりで食事処は基本屋内だ。ギルド、オータマ支部も断熱性に優れた耐火煉瓦が使用されている。中に入ると、室温は25℃で快適な生活が出来る。受付嬢も半袖にフリルの付いた、涼しそうな服装をしている。


「こんにちは、冒険者様。ギルド証はお持ちですか?」

「えっと、はいこれ」

「拝見いたします…ありがとうございます。カナルギウム支部所属のカレン様。ようこそお越しくださいました」

 受付嬢に部屋の準備をしてもらい、鍵を貰ってすぐに部屋へ向かう。外の暑さに参っていたカレンは、ベットにすぐダイブした。窓際には、アイスウッドの盆栽が植えてあり、室内へ冷気を放っている。ベットから飛び起きてアイスウッドに近づき、手をかざすとひんやりした空気が当たる。朝から馬車に揺られて、夕方にオータマ着いたカレンはそのままベットでぐっすり眠ってしまった。


 オータマ2日目、朝からギルドではなく街の食堂へ足を向ける。頼んだのは稚魚の味噌煮、季節や当日の漁獲によって内容の変わる定食。稚魚は3尾で銅貨8枚、全て種類の違う魚だが味の喧嘩は一切していない。リンゴジュースを飲みながら定食を食べ進める。しばらく宿泊したら、船に乗るつもりなので今のうちに歩き回ることにした。


 オータマの港には軍港が併設されており、見学出入りが自由となっている。入り口でギルド証を見せて通用門を通った。荷物チェックもなく、身分証の提示だけ。一瞥した門番はすぐに門を開けた。

「本当に軍港なの?」

 そんなカレンの疑問へ答えるかのように、目の前に軍艦が現れる。煙突が3本そびえ、巨大な旋回砲塔を持つ、戦艦。

「でっか…」

「そうだろうでかいだろう!」

 真後ろにいつの間にか軍人が来ていた。気配は全く気が付かず、いきなりの大声にびっくりした。軍人はハッとなって謝ってくる。

「おっとすまねぇ、声がデカすぎたな。俺はあの戦艦、セナビアの砲術長。コルディだ」

「僕はカレンって言います。ギルドから見学に来ました」

「ほぉ、ギルドの人が来るのは珍しいなぁ。この土地のもんじゃねぇな?」

「はい、内地から金花を探しに…」

「金花だぁ?」


 金花の話を聞いて、コルディの目の色が変わる。どうやら彼も、金花については思うところがあるらしい。カレンはコルディに連れられ、軍食堂へやってきた。昼時を少し過ぎた食堂は、人もまばらに閑散としている。

「カレーを二つ、揚げ豚付きで飲み物は…俺はジンジャーエールを、アンタはぁ」

「じゃあリンゴジュースを」

「頼むぜ。お代はセナビアの船長にツケといてくれ」

 コルディは食堂のおばちゃんにそう言って席に着き、対面をカレンに差し出す。食堂奥の、座敷仕様の個室だ。


「金花は俺が子どもの時にこぞっていろんな奴が調べてた花だ。俺も軍に入るまでは図書館で調べてたもんさ」

「じゃあ金花の事を知っているんですか?」

「残念ながら有力な情報は知らねぇ。寒冷地にあるくらいしか昔は情報が無かったんだ。今の情報屋なら、もっと有力な情報をくれるだろうさ」

「取り込み中ごめんよー」

 揚げ豚の乗ったカレーが運ばれてくる。コルディはスプーンとフォークで器用に切り分けながら、カレーを食べ始めた。

「冷めないうちに海軍自慢のカレーを食ってくれたまえ。話はそれからだ」

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