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第二話 ふぁいてぃっとあうと?

次回は明日23時の予定です。

五日と六日は忙しく、読み直す時間がとれないので、更新まで時間が空きそうです。

tab使って書いてた部分がズレまくってるのに今気づき、取り急ぎ修正中だったりもします。

「コダマ様、あなたはクエストを受注できません」


 三人と別れて――三人は先に職業ギルドに行った――やってきた開拓使庁舎。

 最初は受付で説明を受けなければならないらしく、長い列に並んだのだが。受付に着いて最初に言われた一言である。


「もう一度言います。現状あなたはクエストを受けられる状況にありません」


 俺が呆然としていると、受付の女性が表情をピクリとも動かさず再度言った。

 きれいな人が表情を変えずに話してくるのって、すげー怖いのな。初めて知ったわ。


「理由の説明もいたしますが、よろしいでしょうか」


「あ、ああ。よろしく頼む」


 相変わらずの鉄面皮で説明された点をまとめるとこうだ。


・クエストは大きく分けると、討伐系、生産系、採取収集系、探索系といったものになる。

・基本的に、討伐系には戦闘クラス、生産系には対応した生産スキル、採取収集系、探索系も対応したスキルの所持が求められる。

・レベルが満たなかったり未所持の場合、クエストは受けられない。

・なおPTを組んでる場合はPT単位でクエストを受けることが可能。その場合条件が緩和されるる。これは今現在の俺にとっては関係ないな。


「以上がコダマ様はクエストを受注できない理由になります」


「なるほどね。俺が対応するクラスやスキルを持ってないからクエストを受けられないのはわかったけど、そういった前提条件がないクエストってないの? 例えば町の清掃とか迷い猫探しとか、さ」


「……コダマ様は何をしにこの大陸に来られたのでしょうか。またここをどこだと考えられてるのでしょうか。ちなみに私はここが開拓使庁舎であり、コダマ様たちはこの大陸を開拓するために集められたと理解しています。決して町の掃除をしたり迷子の猫を探したりするために集められたわけではないと考えているのですが……。そこのところコダマ様はどうお考えですか?」


「は、はい。おっしゃるとおりでございます」


 表情変わらないのに圧がすごい。これは逆らえない。


「よろしい。でしたらコダマ様がおっしゃったようなクエストが無いのもご理解していただけたかと思います。ですのでパーティを組むか転職をされない限り、コダマ様の受けられるクエストはございません。私といたしましては速やかな転職をおすすめします」


 断言されてしまった。 とはいうもののさっきフジノキに大見得切った以上、パーティと転職のどっちの選択もあり得ないよなぁ。こりゃ相当ハードモードになるけど仕方ないか。


「クエストを受けられない理由についてはわかった。とはいえ転職やパーティを組むことは今のところ考えてないんだ。ありがとう」


 断りを入れてその場を立ち去ろうとした俺を受付の女性が引き留めた。


「少々お待ちください。――こちら、支度金と回復薬類になりますのでお持ちください」


「支度金?」


「はい、当面の衣食住についてはこちらでおまかないください。本来であればこちらで管理している宿舎や食堂が基本無料でご利用できます。ですがその利用には開拓使への貢献度が必要であり、その貢献度はクエストの達成で得られますので……」


「なるほど、クエストを受けられない俺は、そこら辺の工面をこのお金でしろってことね」


「はい。ちなみにそのお金はコダマ様のような奇特な方たちのためにコルネリウス長官が自費で用意したものです。心してお遣いください」


「わかったよ。開拓に貢献できるよう頑張るさ。ありがとう。それじゃあね」


「はい、ありがとうございました」


 受付の人、なんだかんだで丁寧に対応してくれたよな。そんなことを思いながら開拓使庁舎を後にした。

 まだお昼前、天気もいい。早速町の外に向かうとしよう。



◆



 さて、開拓使庁舎のある町――オールドーという――の西側は入り江に接している。最初にみんなが集まってた広場がある港の方角だ。

 その他の方角は平原に接している。それぞれ東にアナトリ平野、北にヴォラス草原、南にノトス平原と言った名前だ。

 そして俺が今立っているのは南のノトス平原である。門番さんに一番弱いモンスターの場所を聞いたらここを紹介されたのだ。ちなみに我々が開拓すべき場所は一つ向こうのマップになるらしく、町に隣接しているマップは意外と人が少ない。まぁ、普通に畑とかもあるしな、見た感じは。

 あと戦闘経験を積む場所としては、町の地下の遺跡も選択にあるらしいが、開拓に貢献してない俺は入れない。そもそも入れたとしてもモンスターに刈られるか罠にかかるのが落ちだろうけどさ。

 ちなみに俺の装備は、全身布防具に武器はオリゴナイフになっている。布系以外の例えば鉄の鎧とかはアビリティの関係上装備できない。武器も同じく最初から持ってるオリゴナイフしか装備できないときた。なお、このオリゴナイフ、フレーバーテキストは大仰なのにひどい性能である



 ―――――――――――――――――――――

 オリゴナイフ


 狩猟の神ラマルカウスが狩りに使用したナイフのレプリカ。

 ただしただのレプリカではない。戦乙女シグルドリーヴァの手で作られている

 故にその形状、付与された能力は同一であり、エインヘイリアルであれば誰でも装備できる。

 すべてのエインヘリヤルに下賜される。

 なお、戦乙女に返納することも可能。


 攻撃力:1

 能力:不壊

 ―――――――――――――――――――――


 輝く攻撃力1の文字、そして能力は不壊。テキストで期待させるだけさせといてこの落差である。いや理屈はわかる。初期からすごいものを持たされるわけもないし、壊れない能力というのはそれはそれで有能だと言うことも。でも、ならこんな大げさなテキストはいらないだろうと。ちょっと期待してしまっただけに落胆が大きい。


 それはともかく戦闘だ。相手は目の前のマーモット――20センチぐらいのネズミ――だ。オールドー周辺では最弱クラスの魔物だが、薬草等を食い荒らすため害獣扱いされている。ちなみに一般人でも難なく倒せる程度の魔物である。

 さて、そんな最弱の魔物マーモットとの戦闘だが……、ダメージが通らない。ポップする数字は0ばっかり。まれに1が出るが、それで減る相手のHPバーは一割にも満たない。マーモットの動きはそんなに早くないからこちらが攻撃を食らうこともないんだけど、何だろうなこの不毛感は……。


「――ぐぁっ」


 いってぇ。いきなり素早い動きで体当たりしてきやがった。――ってこっちのHPが半分近く減ってるじゃないか! やばい回復薬をつかわないとって、どうやって使うんだよ! わからん。どうしよう。……あれだ、相手の動きがまた遅くなったしとりあえず逃げるか。


 はぁはぁ


 5メートルほど離れたところでマーモットはこちらに興味を失ったようで、草を食みに戻っていった。振り返りざまにこっちを見て鼻で笑いやがったのがむかつく。ていうか俺、最弱の魔物に負けたのか。……へこむ。


 いや、いやいやそんなことよりさっきの戦闘の反省だ。まずはなんでダメージを与えられなかっただけど、ふむ、原因はこの【戦乙女の祝福】とかいうアビリティだろうなぁ。


 ―――――――――――――――――――――

 戦乙女の祝福


 すべてのエインヘリヤルが持つアビリティ。

 魔物と戦うための能力を得る代わりに、日常生活は送りづらくなる。

 これに加えてエインヘリヤルは、自分を守護する戦乙女から加護を得る。


 効果

 死亡からの復活(老死等は含まず)、老化抑制。クラス、アビリティ、スキルの取得による個体成長率の上昇。非戦闘時の回復力上昇。

 対応したクラスやスキル、アビリティ等がないと行動にペナルティがかかる。子孫を残せない。

 

 ―――――――――――――――――――――


 この、『対応したクラスやスキル、アビリティ等がないと行動にペナルティがかかる』があるから、ナイフで攻撃してもダメージがほぼ入らないんだな。ナイフが装備できるアビリティも持ってないし。取得したクラスはこの有様だからなぁ



 ―――――――――――――――――――――

 ウェポンマスター(補助):Lv1



 あらゆる武器の取り扱いに長けたクラス。

 このクラスを取得した場合、武器のアビリティやスキルの取得ポイント、キャップレベル等にボーナスがつく。

 また同じ武器を使い続けることで、その取り扱いにボーナスがつく。



 取得可能アビリティ:武器習熟

 取得可能スキル:無し

 ―――――――――――――――――――――



 ―――――――――――――――――――――

 妖精使い(補助):Lv1



 妖精が手助けをしてくれるクラス。

 生産活動にプラス補正。



 取得可能アビリティ:グロースター

 取得可能スキル:無し

 ―――――――――――――――――――――



 ―――――――――――――――――――――

 エッグマスター(補助):Lv1



 自分専用のペットが産れる卵を持ったクラス。

 各使い魔のギルドで卵をかえすことができ、それぞれのクラスに応じたペットが産れる。



 取得可能アビリティ:共感

 取得可能スキル:無し

 ―――――――――――――――――――――


 戦闘にならないわけだ。カネティスが怒るのも頷けるね。とはいえこれでなんとかしなきゃならない。

 さて、そんなこんなしてる間にHPが全快していた。これはいい点だ。ただしマーモットのHPも全快している。こっちは悪い点だな。

 後は何でいきなりダメージを受けたかだけど。……ログには燦然と輝くCriticalの文字。なるほどクリティカルヒットだからあんなに早い攻撃が来て、当たったときのダメージも高かったという訳か。確率的には低いだろうけど大ダメージを受ける可能性もある点については留意しないといけないか。

 他には回復薬の使い方だけど、これは道具袋から取り出して体にかける。もしくはショートカットに登録しておいて使用すると自身のHPが回復するらしい。このショートカット登録、数も限られるし本来はスキルを登録するみたいだけど、俺には登録するスキルも無いからなぁ。持ってる初心者用回復薬を登録しておくか。とはいえもらった回復薬は5個。マーモットごときに無駄使いするわけにはいかない。まぁそんなマーモットごときから逃げ出したのはこの俺なんだが……。いや、落ち込んでてもしょうが無い。どうやって勝つかを考えるか。



 ――さてと、 次は石を投げてみよう。これでダメージが入れば逃げ打ちすればいいや。マーモットの動きはとろいし、追いつかれることはないだろう。


 

 ――――投げること数十球。結論、投石はダメだ。

 当てることはできるし、マーモットが向かってきても追いつかれることはない。でもね、ダメなんだ。ダメージが出ない。当たりはしてもダメージのポップが一切無かった。石を持って投げることができるんだから装備できてると思ってたけど、どうやらそうじゃないらしい。持てることと装備できることは違うのかなぁ。というか【装備:石】みたいなアビリティがないと装備できないとでも言うのかよ……。



 ……次はどうしようか。このままではいかんともしがたいわけだが。

 そう思いを巡らせながらふと周りを見渡すと、冒険帰りであろう人たちがこちらを見ているた。

 げ!? もしかしてこのマーモットとの激闘(笑)を見られてたのか。恥ずかしすぎる……。

 気づけば時刻はもう夕刻。みんなが町に帰ってくる時間だ。そりゃあ門のそばで戦ってるんだから注目を集めてしまうわな。


 よし、俺も町に帰ろう。こんなところをカネティスやフジノキたちに見られたくない。もし見られたらなんて言われることやら……。

 大体せっかく卵があるのに孵さずに来てるんだからおかしな話だよ。ペットがいればマーモットなんて屁でも無いんだから。


 マーモットよ、勝負は明日にお預けだ。首洗って待っていろ。


「へぷっ」


 マーモットのやろう、また鼻で笑いやがった。

 ちくしょう、覚えてやがれ!




エル:今回はこの作品の主人公であるコダマのステータスを公開するよ。

エル:前話でちょこちょこ出てたけど、まとめて書かれてはなかったからね。

エル:ほいっとな。

 ―――――――――――――――――――――

 名前:コダマ・パサド

 種族:ヒューマン

 加護:エルルーン Lv3

 クラス:ウェポンマスター Lv1

     妖精使い     Lv1

     エッグマスター  Lv1


 能力値:肉体(10)

 能力値:感覚(13)

 能力値:精神(10)

 能力値:信仰(12)

 

 ―――――――――――――――――――――


エル:ちなみに加護のレベルはみんな等しく3がスタート地点だよ。

エル:一応それについての理由もあるんだけど、それはまた今度。

エル:ほしたらねノシ

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