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守るべきものと代償

皆様、こんばんは!今回は間を開けずアップ出来ました♪

ぽかぽかのお日様のもと歩くラフィーネの少し火照った身体を、そよぐ風が優しくなでる

これまでの生活で徒歩での移動はほとんど経験がなく、屋敷外に出るときは馬車移動が基本だった


自分の足をしっかりと地に着けて前を向いて歩く

この瞬間がラフィーネはとても好きだ


馬車に乗ってたまに風景を流し見、ただ決められた目的地に運ばれるのはこれまでのラフィーネの人生そのものを象徴していたように


これから先の人生は、様々な景色に歩みを止め、時に手で触れ、回り道や寄り道だってする

そうやって物事をしっかりと自分に刻み付け、臨む世界へ自分の足で歩いていく


そうありたいと考えているラフィーネにとって、徒歩での移動はその大きな一歩のように感じられるから




「フィーネお姉ちゃん、今日は何を買うの?」




サナはつながれた右手を少し振る様な仕草をしながら楽しそうに歩いている




「今日はお芋と明日お客様がいらっしゃるそうで、少しお花を飾りたいと院長先生がおっしゃっていたのでそのお花ね。」



「お花!」



孤児院での買い物は場所柄、食料品が一番多く、次いで石けんなどの日用品となる

領主からの支給金の他、善意の寄付金により運営が賄われるためそれ以外の物はよほど必要がない限り買われることはない


まだ幼く、ラフィーネが来るまではあまり買い物に一緒について行くこともなかったサナにとってお花を買うのは今回が初めてとなる




「サナも一緒に素敵なお花を選びましょうね。」


「わぁい!!サナ、お花屋さんに行くのはじめて!」




頬を真っ赤に染めて満面の笑みを見せるサナにラフィーネも嬉しくなる

現在孤児院にいる子供達総勢21名の中でサナは一番幼い


ラフィーネが孤児院で働くようになって一番最初に懐いてくれたのがサナだった

一番幼いサナがまっすぐ慕う様子を見て、他の子供達も少しずつラフィーネに心を許してくれるようになったのだ



飛び込んだ全く知らない世界

自分で決めたこととはいえ、不安が無いはずもなく


そんな中いつでも笑顔で接してくれるサナにどれほど救われたことか

ラフィーネにとってサナの笑顔は何としてでも守りたいものの一つになていた




「サナ、今日はいつもより人が多いみたい。迷子にならないように私から離れないでいてね。」


「うん!」




元気のよいお返事に少しだけ弾むように歩くサナの手をしっかりと握りしめ直した
















ガラガラと忙しなく馬車が行き交う

先ほどラフィーネ自身がサナに言ったように、どうも普段より人の出が多い



「何かあるのかしら?」



定期的に兄と連絡を取り合っているが、特に今日何かあるとは聞いていない

もちろん、兄とて全ての情報を教えてくれている訳ではないのだからあってもおかしくは無いのだが……


人が増えればそれだけトラブルも増える

町の慌ただしい様子にラフィーネも少しだけ心がざわつくのを感じた






「ターナーさん、こんにちは」


「こんにちわ!」



馴染みの店でラフィーネが店主のターナーに挨拶をすると、あとに続いてサナも元気よく挨拶をする




「よお、いらっしゃい、フィーネちゃん。サナちゃんも一緒にお遣いかい?えらいね。」




恰幅のよいターナーはいつもの人好きのする笑顔で挨拶を返す

ラフィーネが買い物に来ると奥さんに内緒で少しだけおまけをしてくれる優しい人だ

…とはいえ、彼の妻であるアンネはその事実をもちろん知っているのだが




八百屋の店主だけではなく、この町に昔からある店の多くは孤児院で働く人々や子供達にとても親切だ

買い物をすればおまけをつけてくれたり、孤児院で男手が必要なときなど困ったときにはみんな気軽に手を貸してくれる




この町は人と人との繋がりが温かい




そんな優しさがあふれるこの町を父と兄が治めているのだ

そのことがラフィーネにはとても嬉しく感じられた


それと同時に領主家の一員として、自分にも何かできれば良いのに、とも思うがラフィーネの新しい生活は始まったばかり


今はまだ、自分自身のことで手一杯なのが現状で

---それに未だに直視できずに避けている問題もある



今の中途半端なラフィーネのままでは父も兄も手助けすることは到底できないことをラフィーネは理解していた












「今日は何が欲しいんだい?」


「そちらのコク芋を一皿分、お願いします。」





調理場担当シスターから預かったメモを見ながら頼まれていたものをお願いする




「あいよ!」




元気よく返しながら手慣れた仕草で紙袋に商品を詰めていく店主にラフィーネは今日の町のにぎわいについて尋ねた




「ターナーさん、今日は町がずいぶん賑やかですが何かあるんですか?」



「あぁ、何だったか、どこかの大商人が来てるらしいんだが、どうも物々しい感じでなぁ。聞いたところによるとどっかの貴族か、とにかく身分の高い人が同行しているらしい。」



「まぁ。」



「ただ、同行者の一部が少し行儀が悪くてな。多分護衛として雇われた奴らなんだろうが。フィーネちゃんたちも厄介ごとに巻き込まれないよう今日は早めに帰った方がいいぞ。」



「そうなんですね。ご忠告ありがとうございます。今日はサナもいますし、買い物が終わり次第戻ることにします。」



「あぁ、それがいい。」




会話をしながらお金を払い終え、サナに声をかけようと視線を向けるとすぐ傍にいたはずの姿が見えない




「サナ!?」




慌ててあたりを見回すと、店先から通路向こうにある花屋に向かって歩く姿が見える。




「サナ!ダメよ、待って!!」




荷物を受け取り慌てて後を追うラフィーネの目に

路上に出たサナの姿と町中わ走らせているとは思えないほどのスピードを出して走ってくる馬車の姿が飛び込んできた




「サナッ!!!!!」



一瞬にして顔から血の気が引いていく

直後、荷物を投げ捨てラフィーネはサナに向かって全力で走った




(お願い!!どうか間に合って!!!)




神に祈る暇さえ惜しい

ラフィーネは必死に足を動かす




「サナ!!」




サナ以外を見る余裕などないが、その音で馬車がすぐ傍まで来ていることを感じる




「邪魔だ!!どけぇ!!!」




御者台に座っているだろう男から罵声が聞こえてくるが、サナを残してなど到底できるはずもなく




(お願い!お願いだから間に合って!!)



キャーという悲鳴が遠くから聞こえてくる

後少し、もう少しとのばした手にびっくりしたようにこちらを見て固まるサナの腕が触れ

そのまま抱き込むようにして花屋のある方向に向かって地面を思い切り蹴り、跳んだ


 

ズサァッと言う音と共に、地面にぶつかる右肩に痛みが走る


激しい馬の嘶きと男の罵声

周囲の人々からの悲鳴と駆け寄ってくる足音



ラフィーネはこのまま飛び出すのではないかと思うほど激しく動く心臓と自分の出す荒い息の中で、しっかりと抱きしめた腕の中にサナの温もりを感じて、思うままぎゅっと抱きしめた



(あぁ、神様!ありがとうございます。心から感謝いたします!!)





「おい、大丈夫か!?」


「動けるか?お〜い、手を貸してくれ!!」



周りの人々が次々とラフィーネ達の傍に駆け寄り立ち上がらせようと手を差し出してくれる




「ありがとうございます、みなさん。」




サナから手を離さず、ゆっくりと上体を起こす

通りの向こうには少し青ざめた顔をホッとさせているターナーの姿も見えた




「サナ、大丈夫?どこもけがをしていないかしら?」




腕の中の小さな身体に話しかけるとサナは泣きながらラフィーネの腰にしがみついて来る





「フィーネお姉ちゃん、ごめんなさい。ごめんなさい。」





ラフィーネは泣きじゃくるサナの頭を優しく撫でた

癖のない幼子特有の柔らかい髪




「いいのよ、サナ。あなたが無事で本当によかった。」



ぎゅっと抱きしめる

この温もりが、消えることなく腕の中にいる

それだけでラフィーネには十分だった


  


間に合ったのだ

喪うことなく、サナを守ることができた事実に心から安堵する


 




その時、





「おい!!貴様ら、そこをどけ!!!」





荒々しい声とともに二人を囲む人垣が割れて男が一人姿を見せた

地面に座ったままの二人を睥睨するように見渡す




「おい、女!!貴様、何をしでかしたのか分かっているんだろうな?」




怒鳴る様な声にラフィーネは自分の身体が強張るのを感じた

けれど腕の中のサナの身体が一際大きく震えるのを感じて気持ちを落ち着かせる

サナを守れるのは今は私だけ、と自分に言い聞かせながらラフィーネはサナに向けていた視線を男に合わせた





「突然飛び出す様なまねをして、申し訳ありませんでした。そちらの皆様にはお怪我はございませんでしたか?」





震え続けるサナを自分の背に隠しラフィーネはゆっくりと頭を下げた

男は顔を上げたラフィーネの美しさに一瞬目を見張ったのち、だらしなく弛みそうになる表情を無理やり強張らせて怒鳴る




「謝るだけで済むと!?こちらの馬車を止めておいてそんなことで許されると思うなよ!!」





男の言葉にラフィーネは傍らに止まっている馬車を仰ぎ見た

馬のシルエットの上に剣と何かの植物が交差した紋章が見える



(見たことのない紋章だわ。ディアリス国の紋章ではないわね。)





「見たところ孤児院の関係者か?ふん!!ならば仕方ない、謝罪は銀貨一枚にまけてやろう!」




聞こえて来た金額の大きさに周囲の人々の息をのむ声が聞こえる


男は周囲の動揺などものともせず、底意地の悪い笑みを見せた

ラフィーネの服装から孤児院関係者であることは自明であり、到底銀貨一枚など払えるはずもないと知っていて言っているのだ


そもそも町で一般的にやり取りされる貨幣は大半が銅貨や青銅貨であり、大きな商会同士の取引や不動産などの取引でしかそうそう銀貨などお目にはかかれない


どう考えても無茶苦茶な要求ではあったが、馬車の相手が全くの不明であるため、今回のことがどの程度の謝罪を要するものなのか誰も判断できずにいるのだ

折しも、町中に大商人と同行貴族の噂があふれていたことも判断を鈍らせる原因となっていた




「......お支払いできない場合は......?」




ラフィーネは自分の顔が強張っていくのを感じた

これまでの人生で一度もこのような対応をされたことがないため緊張せずにいられない




ラフィーネのその問いに男が何とも形容しがたい笑みを見せ、身をかがませると周囲に声が聞こえないようラフィーネの耳元で囁いた




「そうだな、身体で払ってもらうしかない、か。」




その言葉に肩がびくっとはねる

それが何を意味するのか、知らないほど初心ではない

これでもつい数ヶ月前まで婚約者がいたのだから




但し、意味を理解したからと言って受け入れられる訳ではない

それと同時に男の言動に心が怒りたつのを覚える



(ここはグランヴェール伯爵であるお父様とレオナードお兄様が治める地。このような暴挙、決して赦されはしない‼)





ラフィーネは背中に未だ震え続けるサナをかばったまま静かに立ち上がった





「分かりました。銀貨一枚ですね。そちらをお支払いすれば今回のことはお許しいただける、と。そのお言葉に間違いありませんね?」




「あぁ、男に二言はない!払えれば不問にふそう。」





払えるはずがないと、どこまでもにやにやと下卑た笑みを見せる



言質は取った、これだけ証人がいれば反故にされることもないだろう

ラフィーネは少し離れて様子を伺っていた人々に向けて声をかけた




「申し訳ありません。どなたかナイフをお持ちでしたらお貸し願えないでしょうか?」




突然の申し出に周囲はざわざわとざわつく

この状況での刃物の要求に素直に貸しても大丈夫なのか戸惑っているのだ




「...持っているけれど、大丈夫かい?」




様々な困惑を含むなんともあやふやな質問に、ラフィーネは笑って頷いた




「はい、貸していただいたこと、決して後悔させる様なまねはいたしません。お貸し願えますか?」


「あ、あぁ。そこまで言うなら...」




柄をこちらに向けて手渡してくれた花屋の主人キャリガンに感謝を述べて、ラフィーネは男へと向き直った

思いがけない流れに、先ほどまでとは違い少し困惑した様子を見せている




「そんなもの、一体どうするんだ?」



「こうするのです。」




男の問いにラフィーネは頭に被っていたベールをとる

思えば、孤児院で働きだしてからこんなに大勢の前でこのベールをとるのは初めてかもしれない


現れた白銀の髪が太陽の陽を浴びてキラキラと輝く様子に周囲からは感嘆の声が聞こえた

目の前の男もベール下に隠されていた思いがけない美しい髪に息をのむ



そんな周囲を置き去りに、ラフィーネはナイフを髪に当てて躊躇することなく肩から下の部分をざくりと切った




「こちらを。」




突然の暴挙に目を見開いたまま完全に活動を停止している男にラフィーネは切り取った髪を差し出した

呆然としたまま反射で受け取った男に告げる




「以前、この髪を銀貨5枚で買い取りたいとお話をいただいたことがあります。あちらの店です。」




言いながら一つの理髪店を指差す

以前たまたま店の前を通ったときにベールからこぼれ落ちていた髪を見た店主がぜひ髪を売って欲しいと声をかけて来たことがあったのだ


一体髪などどうするのかと思わず問いかけると、鬘を作るのだ、と答えが返ってきた


美しい髪が美人の証ともなるこの国において珍しい色や美しい髪で作った鬘は少し裕福な商人や下級貴族の令嬢に人気らしく、高値で売れるのだとか



そのときはまさかこんなことになるとは思ってもいなかったが





「そちらに持っていっていただければ、間違いなく銀貨1枚にはなるでしょう。これで先ほどの件はお許しいただけますね?」





美しい髪が目の前で無惨にも切られてしまった衝撃に男はなかなか立ち直れず、ただラフィーネの静かな迫力に頷いていた



女性の髪の美しさは美人の基準の一つでもある

貴族の女性であれば、小さい頃から髪の手入れを怠ることはしないし、もちろん、切るなど言語道断である



そんな社交界においてもラフィーネの髪は群を抜いた美しさだった



そもそも金色や茶系等の髪が多いディアリス国内において白銀の髪自体が珍しい

何を隠そう、ラフィーネ自身は白銀の髪だがラフィーネの父母も兄妹も濃淡はあれど髪は太陽の様に輝く金色なのだ


近いところでは父方の曾祖父がラフィーネと同じ白銀の髪の持ち主だったようだがラフィーネが生まれた頃には既に亡くなった後だったため現在貴族社会の中で白銀はラフィーネだけである



どうやら先祖に北国セレネス出身者がいたようで、時々思い出したように先祖返りするようなのだ




ディアリス国内においては庶民の女性でさえ髪を整える程度に切りはしても、長さが大きく変わるほど切ることは稀で、小さい子供以外肩より短い髪というのは殆ど見かけない



それほど女性にとっての髪とは価値が高いものなのだ



それを惜しげもなく切ってしまったラフィーネの行動に誰もが動揺を隠せずにいる中

本人はいそいそと肩までになってしまった髪を上手にベールにおさめていた




「それでは、この度は本当に申し訳ございませんでした。」





ラフィーネは固まったままの男性に再度頭を下げると持っていたナイフを貸してくれたキャリガンに返す





「ナイフをありがとうございました。あの方に許していただけたのもキャリガンさんのお陰です。本当にありがとうございました。明日改めてお花を買いに参りますね。」





にっこり笑って感謝の言葉を述べると未だ震え泣きながら謝罪の言葉を口にするサナをぎゅっと抱き締めてその頭を優しく撫でた





「さぁ、サナ。もう大丈夫よ。もう謝らなくていいの。大丈夫。サナに怪我がなくて本当に良かったわ。怖い思いをさせてしまったわね、ごめんなさい。でも、もう全て終わったわ。何も心配いらない。大丈夫よ。……さぁ、今日はもう帰りましょう。お花はまた明日、買いに来ましょうね。」




サナが落ち着くように何度も何度も大丈夫だと、もう何も心配はいらないのだと言葉をかける

衝撃的な出来事だっただけに、出来るだけ心の傷にならないよう、優しい声音で語りかける


やがて少しずつ震えがおさまってきたのを見計らって、小さな手をしっかりと握り直し、サナの萎縮してしまった心が少しでも戻るように「さぁ、帰りましょう!」と明るい声で話しかけた


まだ涙は零れてはいるものの、ラフィーネの言葉に小さく頷くのを見て、もう何も心配いらないのだという気持ちを込めてギュっと繋いだ手に力を込めた


心配して周りに集まってきてくれていた人々に感謝の意を込めて、騒がせてしまった謝罪を込めて頭を下げる




サナの手を引き通り向かいの八百屋に戻ると、ターナーから拾っておいてくれたのだろうコク芋の入った紙袋が差し出された




「フィーネちゃん、あんた髪...」




一連の状況をハラハラしながら見ていたターナーがいつもの陽気な表情を隠し悼ましそうに言葉を紡ぐ

そんな彼にラフィーネはにこりと笑ってみせた





「髪は時間が経てばまた伸びてきます。今はベールをつけていることの方が多いですし何の問題もありません。サナが無事だっただけでもう本当に何も惜しいものなんてないのです。ターナーさんにもご心配をおかけしてしまって申し訳ありませんでした。それでは。」





ラフィーネの笑顔があまりにも眩しくて思わず苦笑が漏れる



周囲はどうあれ、本人は本当に髪のことを気にしてはいないようだ

ただただ、サナの無事を喜んでいる




「おう!気をつけて帰るんだぞ!!」




ラフィーネ自身が気にしないのならばこちらも気持ちを切り替えようとターナーはいつもの笑顔で二人を見送った























「......ふん、白銀の髪、か。」





少し離れた建物の影から一連の様子を見ていた男が去っていく二つの背中に小さくつぶやく

気晴らしにふらっと宿を出て散策していたところに出くわした今回の出来事



馬車の紋章に小さく舌打ちが出る



「いずれにせよ、あの男は使えないな。」



この国では珍しい漆黒の髪

節だった指に均整のとれた体躯は実戦によって培われたのが分かるバランスのとれた筋肉で覆われており

この男自身の戦闘力の高さを思わせた



整った容貌の中でも一際目を引きつける琥珀色の切れ長の瞳には今は冷たい光が宿っている





漆黒を纏う男は白銀の髪を握ったまま呆然と立ち尽くす御者の男に一瞥を投げると

そのまま静かにきびすをかえしたーーー




少しでも楽しんでいただけたら幸いです♪


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