1章1話
十二の惑星が空に浮かぶ新月の時。
次世代の神を決める戦いが始まる。
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あれ……?
僕は……死んだはずじゃあ?
目覚めた僕がいたのは、何かの中。
そこはーー周囲をピンク色の肉壁に覆われ、温かい水のようなもので満たされてる。
そんな場所に僕は浮かんでいた。
手足を動かそうとしても、手足がない。
視覚情報があるってことはーー目は見えているのだろう。
すると、急に振動が伝わり水が激しく揺れる。
同時に壁が迫ってきて、僕をぎゅっと押しつぶす。
「えっ……?」
状況が掴めないまま、僕は圧に負けて外へと押し出された。
「眩っ……」
そこは、温かい陽の光が当たる草原だった。
陽の光が当たるってことはーー朝なのかかと思ったら、空には真ん丸お月様が登っていた。
それだけじゃあない。
空には、見たこともない十二の惑星が円を描きながら浮かんでいた。
「日本では……ないのか?」
状況からすれば……ここは異世界。
だけど、湿った土の匂い。
風に乗る草の匂い。
それは、日本と何も変わらない。
ただ、体を吹き抜ける風は、ちょっと冷たい。
「…………」
頭の理解が追いつかないから言葉が出ない。
普通、いきなり見知らぬ土地に一人ぼっちになれば、恐怖や不安でいっぱいのはず。
ましてや、まだ成人していない子供だから余計に感じるはず。
だけど、実際はそんなことは一ミリもない。
そもそもの話、僕に恐怖や不安なんて感情はない……と勝手に思ってる。
すると――
『ハッピーバースデイ!』
軽快な効果音と共に、目の前にメッセージが表示された。
「……びっくりした!!」
流石に、これはびっくりする。
思わず、体がビクッと震えてしまった。
『誕生日ギフトを受け取りますか? YES\NO』
……誕生日ギフト。
それは本来の子供にとって、とても嬉しいもの。
だが、僕は違う。
誕生日と聞くと、心の奥がぎゅっと苦しくなる。
だって――誕生日は試練のラッパが吹く時なのだから。
「あっ……!!」
躊躇っている間に、勝手にYESのボタンが押された。
『誕生日おめでとう!! そして、僕の世界へようこそ! お祝いとして????をプレゼントするよ!』
だが、肝心のギフトは文字化けしてて、何を貰ったのかわからない。
それに、僕の世界ってなんだ?
すると――
「ーー反転、逆撫ーー」
目の前から色が消えた。
空も土も草も、全てが白黒。
「っっーー!!」
それだけじゃあない。
声も出ないし、さっきまで聴こえていた風の音も聴こえない。
「やあやあ! 驚かせてしまったかな?」
それは、目の前に急に現れた。
鮮やかな青色の魔法陣が鈴の音が響く。
白黒だから、余計に青が鮮やかに見える。
さらに、ロウソクに火がボッと灯るように青い炎が現れた。
風が吹いていないのに炎は揺らぎ、声はそこから聴こえた。
「改めて――僕の世界へようこそ! ここは、僕が作り出した世界『十二天界、アガハラ』! 君は、十二の神見習いの一人、蛇の神見習いとして僕がこの世界に呼んだ! と言っても、君はあっちの世界だともう死んでいるけどね!」
さらっと、重要なこと言ってないか?
まあ、わかっていたけど。
「あっ! 肝心の僕の紹介がまだだったね! 僕は、この世界の神様だよ。名前は無いから、適当に呼んでよ。で、ここからが重要。君は、僕が開催するゲームに参加してもらうよ! あっ、拒否権はないから!」
……ゲーム?
ゲームってなんだ?
拳銃で逃げる人間を撃ったり、襲ってくる人間を斬り殺したりすることか?
なら、僕はちょー得意!
「ルールは至ってシンプル。十二の神見習いが最後の一人になるまで殺し合う。ねっ……シンプルでしょ?」
その声は無邪気な子供。
全く善悪の区別がついていない感じの声。
でも……確かにシンプルで分かりやすい。
「じゃ、舞台の幕は上がった! 僕を狂乱させ楽しませてくれよ、悲劇の役者たちよ!」




