第一夜 赤と青に染まる街①
――夜は、この街の朝である――
夕焼けが街から消えていく、
代わりに、一つ、また一つと灯りがともる。
赤と青
この街の統治者の色。
昼間は静まり返っていた紅藍街が、まるで眠りから覚めるように賑わい始める。
屋台から立ち上る湯気、酒場から漏れる笑い声
情報屋が看板を出し、
武器商人が店先を整える。
ここでは夜こそが一日の始まりだ。
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屋台の女主人が2人の少女に声を掛けた。
「こんばんは!朱殷様、蔚藍様。」
白髪に赤い目をした少女、朱殷が応える
「こんばんは。おばちゃん」
続けて青い髪に水色の目、眼鏡をかけた少女、蔚藍も応える
「……こんばん、わ」
「お二人とも本日も巡回ありがとうございます。これ持っていって下さい!」
差し出された2つの包み紙の中には出来たてだと思われるアツアツの湯気が立つ肉まんがあった。
「やった!ありがと〜。」
と朱殷が嬉々として受け取ろうとする。
「お金…払う。」
と蔚藍は言う
「気になさらないで!蔚藍様、毎日この街を守っていただいているのですから、このくらいはさせて下さいよ。」
と屋台の主人は気のいい笑顔で蔚藍を止める。
「ほら〜、おばちゃんもそう言ってるじゃん。好意には甘えるべきなんだよ?」
と朱殷
「……わかった、ありがとう。今日の巡回も頑張るね」
と蔚藍がもう1つの包みを受け取る。
「うんまぁ〜い♡いつも以上に張り切っちゃうね!バイバイ!」
既に食べていた朱殷が屋台の主人に手を振る、続けて蔚藍も小さく手を振り歩き出した。
2人並んで肉まんを頬張りながら歩いている。
「……一応今ってオシゴト中なんだからね?」
と蔚藍
それに対し朱殷は挨拶をしてくれる住民達に手を振りながら、
「住民と中を深めるのも仕事の一環だもん。」
と暢気に話す。
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すると、遠くから
パンッ!
続けて数発、乾いた銃声が街中に響く
「みんな〜建物の中に入っててね〜」
と朱殷が言う。魔法を使っているようで紅藍街全体に声が響き渡っている。
蔚藍は目を閉じ、微動だにしない。
目を開け、
「……見つけた。敵。」
「……先行く。」
朱殷に自分が持っていた肉まんを預ける
「取りこぼしは任せて〜」
と朱殷は口を肉まんで満たしながら蔚藍に言う。
蔚藍は頷き、地面を蹴る。数秒も経たず蔚藍の姿は灯りの中に消えていた。
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