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その2 相棒は男の娘、次に来たのはお姉ちゃん!?

 後日、子宝の宝珠と引き換えに父親から譲り受けたのは神石が2つと神人が一人。神人は父親の相棒……つまりは常駐スロットにいたキャラらしい。

 ここで端末のスロット構成を説明しておくと常駐スロットという端末のTOPに表示されるのが1枠、戦闘スロットという戦闘時に一斉召喚するスロットが5枠。サブスロットという特殊召喚が可能になるスロットが5枠という構成になっている。

 常駐スロットは端末一つに付き一人しか設定できず特殊召喚コストも無視でき常に現界できるというメリットが有る。また戦闘スロットと別の神人がセットされている場合戦闘中に指示を仰ぐことができるなど別名お気に入りスロットと呼ばれている。


 種族:座敷童子ざしきどうじ柚陽子ゆずひこ。カードのレアリティはURアルティメットレア。”招福万来”という神人使いの幸運を上げ神人召喚のレアリティをアップさせるというスキルと”みんなともだち!”という特殊召喚コストを0にするという破格スキルを持つこいつとはこの先長い時間をともに過ごすことになる。


 父親から端末通信で柚陽子を受け取った俺は早速常駐スロットにセットして呼び出すことにする。

 端末から現界させるにはコストが必要だ。それは神人が人間の生体エネルギーを糧にしているため生命力を消費することになる。もちろん消費すれば軽いけだるさに襲われる。これらは生命点(ライフポイント)と呼ばれていて今の俺の生命点は21である。年の割にはある方だ。っていうか前世での年齢なんですがこれは一体……偶然だよな?

 常駐スロットなら常に現界できるため顔合わせ程度ならこちらでいいだろう。

 ちなみに特殊召喚は生命点1消費して一時間の現界、戦闘時召喚は1セッションと呼ばれる単位で12分毎に生命点を1消費するが5体を一度に召喚できる。





 呼び出しはシンプルなもので端末から出た光が人形を取ったかと思うと徐々にその容姿が顕になる。

 出てきたのは和服姿におかっぱの小学4~5年生位の女の子。なかなかにかわいい。こんな子を相棒にしていたなんて親父はロリの卦でもあったのか? いやいやスキルが優秀だからですよねとオヤジのニヤニヤ顔を受け流し俺は挨拶をすることにした。





「はじめまして。(くろがね) 修一(しゅういち)です」


「きゃーかわいい! んー人志とはあんまり似てないわね。優子に似たのかしら?」


 そう言ってムギュうと抱きしめられる。今の俺は肉体年齢6才、逆らえるはずもなくそのまま抱きしめられる。あ、いい匂い。

 そうやってきゃきゃー言われていると親父から衝撃の一言がもたらされた。


「修一。ニヤニヤしているところ悪いが柚陽子は男だからな」


 なん……だと……! 俺はそのことが信じられず思わず目の前の胸を確かめるようにペタペタと触ってしまう。


「いやーん。修一くんのエッチ」


 柚陽子がなんか言っているが……うん、正直わからんね。おっぱいは柔らかいって言うけどそんなものに触れる機会は前世を含めて一度もありませんしおすし。


「……本当に”おとこのむすめ”と書いて男の娘なんですか?」


「お、その言葉いいね。そうだよ僕は正真正銘男の娘だよ」


 ……だれだよ! こんな可愛い子が女の子なわけがないって言ったのは! 女の子のほうが良かったよ! 俺の神人初召喚がこんな変態だったなんて……


「そ、そうだ修一。神石召喚をしてみないか? 柚陽子のスキルでレアの出現率が上がっているからいい神人が現れるもしれないぞ!」


 俺がたそがれているのを見て話題転換を図る父親。はぁーよくよく考えて見ればこんな変態でもオヤジの相棒だったんだからその能力は優秀なのだろう。特に特殊召喚コストを0にする”みんなともだち!”がかなり優秀そうだ


 俺は気を取り直して父親からもらった神石で召喚を二度繰り返した。


 一枚目はURのイシュタルというキャラクターカード。なんというか絵柄がムチムチ薄布のエロボディです。キャラクターカードは勝手に現界しないのねん……。二枚目は……おい! また子宝の宝珠がでたぞ!? どうなってんの?

 アイテムは実物が出てくるのに神人はカードで出てくるのはなんでっだろなぁ?

 ちなみにカードのレアリティはCコモンNノーマルRレアSRストレンジレアURアルティメットレアLRレジェンドレアGRゴッドレアの順で希少度が高くなっている。ちなみにCコモンは戦闘に参加できず特殊召喚のみである。


 柚陽子はなんかドヤ顔だし、父親はまた子宝の宝珠を引き当てたことにびっくりしてた。そうだよなこの短期間で需要の高いアイテムを二枚も引き当てたんだもんなー。しかも今の俺には使い道ないし。

 父親との話し合いの結果子宝の宝珠はトレードに出すことにした。まだ子供だから取引関係のことも父親に一任している……というか俺の勝手を許してくれなかった。


とりあえず要件は済んだので俺はソファにごろりと寝転んで端末を弄ることにした。


「なにをする気なの?」


「さっきイシュタルという神人を引いただろ? なんかコミュニケーション取れないかと思って」


「そうね、名前とか付けてあげると喜ぶわよ」


 そう言ってニコニコと天使のほほ笑みを浮かべる柚陽子。だがこいつは男だ。

 そんな俺の内心の葛藤を気にもせずに柚陽子は俺にテキパキと端末の使い方を教えてくれた。

 チュートリアルと講習で学んだ内容の他に神人とのチャット機能を始めとしたコミュニュケーションツール、端末の中に設置される神人用の施設の設定など教えられることは多岐にわたった。


「一応変態でも優秀ではあるんだな……」


「何いってんの。何年あなたの父親のパートナーやってきたと思っているの? 後変態って言ったの取り消しなさい」


 俺と柚陽子のかしましい会話は夕食の準備ができるまで続いた。


ーーーーーーーー


 夕食が終わってしばらくして俺は両親に初めて引いたキャラクターであるイシュタルのお披露目をすることにした。

 両親にしてもどのような神人が俺のそばにいるのかを知っておくのはいいことだろう。

 まず戦闘スロットにセットしてあったイシュタルを特殊召喚で呼び出す。いやー柚費子の特殊召喚を0にするスキルは便利やねぇ。全然疲れないもん。

 現れたのはオリエンタル系で二十歳くらいのムチムチの美人のお姉さん。しかもその身にまとう衣装はかなり薄い上に際どくいろいろなものが簡単に見えてしまいそうだ。


 ……二人目は露出狂でした……でもくじけない眼福だし。


「はじめましてマスター。私のことは”おねぇちゃん”って呼んでほしいな」


 うるうる上目遣いのコンボ! 効果は絶大だ!


 な~んてしてると母親がイシュを奥へ引っ張っていった。あ、イシュってのはイシュタルにつけた名前ね。


 ちなみにイシュのステータスは次のようになっている。


名前/イシュ

種族/イシュタル(UR)

種別/神族

攻撃タイプ/光

Lv  1/70

HP  3200

ATK 1700

DEF 1500

スキル

1.再生の光(24):味方一体のHPを全回復する

2.勝利の祝福(-):戦闘終了時、使用者の生命点を1回復させる

ユニークスキル

0.裁きの光(32):敵全体にATKx2.4の光属性ダメージ


 基本的に回復系のスキルだが初期ユニークスキルで有益な攻撃スキルを引き当てることができた。召喚時などによるユニークスキルの付加はランダムで今回のように有用なスキルの時もあるが逆に全く使えないスキルの時もある。柚陽子のスキルさまさまである。


 スキルの隣にある数値はCTチャージタイムと言ってそのスキルが使用できるまでになる時間を示す。大体CT3が30秒ほどで1ターンと数えられるらしい。

 例えば再生の光(12)というのは戦闘が始まってから二分ほどで使用可能になるということだ。使用すればまたCTが加算されそれを再度2分経たなければスキルを使うことはできないことになっている。

 また(-)で表記されるものは常に発動しているものでパッシブスキルとなる。

 イシュのスキルで特筆すべきは勝利の祝福だろう。通常戦闘時に戦闘スロットのキャラを一斉に召喚すると生命点を1消費するがその戦闘に勝利してしまえば消耗した生命点を回復できるのだ。まぁこの生命点ていうのはスタミナみたいなもので時間とともに回復していくし連戦や長期戦といったことでないと戦闘での恩恵は感じにくいかな。


 と、ステータスを見てたら母親とイシュが戻ってきた。イシュは母親の服をかりたのか露出バリバリではなくよくある普段着になっていた。ただ……胸が抑え切れないのかパッツンパッツンになっていて目の毒だ。母親はたそがれた顔をしている。かとおもうと父親のところに行きキィキィとすね始めた。父親露出時のイシュの体ガン見だったもんなぁ。まぁこんな色っぽいおねぇさんを見てデレデレするなと言うのも無理がある。


「さぁマスター。おねぇちゃんの胸に飛び込んできてもいいんですよ~」


 うおっ、両親を見てたら後ろからイシュに持ち上げられた。そのまま膝の上にイン。背中には柔らかな膨らみガガガ。うおーなにこれむっちゃ柔らかいんですけど。助けて! 童貞には刺激が強いです! ええ、前世から童貞ですがなにか? うるさいやい、今世では絶対モテモテになってやるんだからな!


 ふと両親の反応を見ると拗ねる母親に父親が必死に謝っていた。そして母親は父親に対してハンドサインを送っていた。今日の夜は早めの就寝を強いられそうだ。


 そして気がつけば次の休みの日に魔物との戦闘訓練を両親同伴で行うことになっていた。

 俺は初めての戦闘にワクワクしながら次の休みまでの日々を過ごすのだった。


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