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53/60

53.エロエルフ、けっこーレベル上がってた。


 リュドミラたちと別れた俺は、タローと手を繋いで冒険者ギルドへ向かった。

 ギルドでもタローは職員のおねーさんたちに囲まれて優しくされ、嬉しそうだった。

 俺は受付に向かって、最近集めたスライムの核を袋からジャラっと出してカウンターに盛った。


 ちなみに動転してたのでスカルスパイダーの魔石や素材は取って来るの忘れた。もったいなかったかな。

 でも、グズグズして他の魔物が集まってきたらそれこそ逃げられなくなっただろうから仕方ないな。

 今頃は死骸も食い荒らされて、その内、あの洞窟には他の主人が居座ることになるんだろう。


「スライムの魔石ですね。鑑定いたしますので、その間にギルドカードをお願いします」


 ホイホイと鞄からカードを取り出してお姉さんに渡す。

 途端にお姉さんの顔色が変わった。


「え……あの、ティアさん、急にレベル上がってないです? 5レベルになってますけど……?」

「あ、けっこーレベル上がってんですね! 嬉しいな!」


 はしゃぐ俺と違って、お姉さんは挙動不審だ。


「でもあの、3日前までは1レベルでした……よね?」

「俺、天才ですからー」


 へらっと笑って胸を張る。バイインとそこで主張するデカメロンに気圧されたわけではないだろうが、お姉さんは「は、はぁ……」と呟いてトーンダウンした。

 これ以上、俺に問いただしても意味がないと悟ったのかも知れない。


「いくらレベルが上がったと言っても5レベルでは一般人の中でも弱い方と同じくらいです。くれぐれも無茶はしないように」


 危なっかしいと思われたのか、お説教されてしまう。前はレベルアップとクエストクリアのお祝いで拍手してくれたのにー。

 俺は褒められて伸びるタイプよー?

 ブーッと俺が口を尖らせると、受付嬢はそれに気づいたのか、にっこりと微笑みを見せてくれた。


「とは言え、素晴らしいレベルの伸びと、魔物討伐まで、お疲れ様でした! この調子で頑張ってくださいね!」


 俺の担当がパチパチと手を打ち鳴らすのに合わせて、周囲からもバラバラと拍手の音が聞こえてくる。

 何度聞いてもいいもんだな〜。


「えへへ〜」


 俺はいい気になって鼻の下をデレデレと伸ばした。


「タローちゃん! タローちゃんが集めたスライムの核でこんなにお金貰えたよー!」

「タローちゃんもお手伝いしたんだー」

「偉いねー!」


 タローも褒められてまんざらではない様子だ。俺と同じようにデレデレしている。

 こんなところは血も繋がってない(っていうか種族も違う)のに、似た者って言うか、親子だな?


 ギルドの後は、ダメ元でフィオの店にも行ってみる。


「なんかさー、見た目を変えられたり、誤魔化したりできる魔道具とかないの?」

「なに、その犯罪臭のする道具。そんなものはご用意できかねますっ」

「ちぇーっ」


 俺はお得意様なのにさ。この小人は冷淡すぎるな。まったく役に立たない。

 仕方ないから宿に戻ることにした。


「子供か……一緒の部屋で寝るんだったら追加料金はいらん」


 宿のおやっさんは、同室だったら追加料金はなくていいと言ってくれた。優しすぎるぜ。フィオもおやっさんを見習うといい。

 でも、さすがにご飯は別料金だ。


 部屋に戻った俺たちは、フードを取ってもタローがオークだってバレないように顔には包帯を巻くことにした。

 目と口のとこだけ開けてグルグル巻きにする。

 俺の腕じゃミイラみたいになったが、ないよりマシだろ。


 顔が二目と見れないほど酷くただれてるので親に捨てられた、って設定にしたので、包帯巻いててもおかしくない。

 服装は長袖長ズボンに靴を履いてるし、手袋もしてるから、これでモンスターだってバレる要素どこにもなしだな!


「よし、タローちゃん、バッチリだ! どこからどー見ても人間の子供にしか見えないよ!」


 俺が太鼓判を押すと、包帯の下のタローの顔はニシャッと笑顔になったようだった。



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