40.エロエルフとオーク、順調にレベルを上げる
始める前は色々、心配したが、俺とタローのパーティは拍子抜けするくらい上手く機能した。
精霊さんに頼んで1匹だけのはぐれスライムを見つけてもらってるので、横から襲われる心配もない。
「タロー、フェイントに気をつけろ!」
衝撃に備えてタローが足をグッと踏ん張る。ビヨヨーンッと飛び上がったスライムが体当たりをしかけてくる。
だが、タローは冷静だ。スライムの動きをよくよく観察し、上手に盾を突き出して進路を塞いだ。
『ウィンドカッター!』
そこにバカの一つ覚えだが、俺の(精霊さんの)魔法が炸裂する。
はー、楽チン。楽チン。
今回も見事に真っ二つになったスライムを前に、俺たちはパシンと手を打ちあわせる。
「イェーイ!」
「いぇ……?」
タローはちょこんと首を傾げて俺を見上げた。可愛い、可愛い! グリグリと頭を撫でると、ぽわんと嬉しそうに両手で兜を被った頭を押さえていた。
「そろそろレベル上がると思うのにな……」
レベル1から2に上がるのはスライム3匹で良かったのに、もう8匹も倒しても、レベルアップの音楽が聞こえてこない。
と思ってたら、9匹目を倒した時、タローがビクッと身体を震わせてキョロキョロと周囲を見回した。
「どした?」
「な、なんが……へんなこえが……」
もしかして。
「レベルアップとか言ってなかった?」
聞くと、タローはコクコクと頷いた。
「おー、凄い、凄い! レベルアップおめでとー!」
思わずタローを持ち上げて高い高いしようとしたけど、重すぎて断念する。ちっちゃく見えるのに、オーク重いわ。やばい。
それに、俺では持ってくるのがやっとだった盾以外に、鎖帷子や肩当てなんかもつけてんだ。総重量いくらだ?
今更ながら子供なのにタローの体力、凄いな。
俺と正反対だな。
「ちょっと休憩しよっか?」
適当な倒木に腰掛けて、鞄からジュースを取り出して渡す。ついでにレベルアップのお祝いにケーキも出してやったら、夢中になって食べてた。
タローはスライムにダメージを与えていないが、レベルが上がった。
最終的にモンスターをとどめを刺した奴だけとか、ダメージを与えた奴だけに経験値が入るシステムじゃないみたいだ。良かった。
それもそっか。そんなだったら攻撃力のない僧侶とかはまったくレベルが上がらないってことになりかねないもんな。
それと、俺とタローはどんなシステムかは分からないが、ちゃんとパーティ認定されてるみたいだ。
メニューウィンドウも開かないからパーティ申請もしてないのに、おかしいよな。
まぁ、そういう世界だと受け入れるしかないか。
9匹ってのはなんか意味あんのかなー?
俺は経験値2倍の特典があるから、本来であればレベル1から2に上がるのはスライム6匹でいいはずだ。
種族の違い? それともパーティメンバーで経験値が分割されてる? でもそれだったら9匹っておかしくない?
あー、もう、何も判明してない状態で考えたって意味分からん!
頭を抱えていた両手を離して、ガバッと身体を起こす。
動くたびにイチイチ胸が動いてうざい!
そーゆう風に俺が作ったんだけど。
「タロちゃん、もうちょっとモンスターとバトルしよっか?」
タローがやる気満々で拳を突き上げたので、俺も笑ってガツンと拳をつき合わせた。
あ、俺も10匹目でレベル上がりました……計算できん。




