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21.エロエルフ、着替えをする!


 翌日も俺は宿の一室で目を覚ました。

 おはようございます。

 今日もエルフです。


 長い耳にかかっている細い金の髪をパサリと後ろに直して、伸びをする。

 それだけで張り出した胸がポヨヨンとゼリーのように揺れる。


 うーん。気持ち悪い。二日酔いかも。

 でも、今日も魔法を教えてもらうために早く起きて来いって言われてるからなぁ。


 どうしても俺は冒険に出たい。

 この世界で望むことなんか他にない。

 そのためには、まずは魔法を覚えて、それからなんとかレベルを上げないと。


 幸いゲームの設定が引き継がれているらしく、俺には大量の金と、レベル60までは経験値2倍というアドバンテージがある。

 しばらく生活には困らないので、その間にレベルを上げて仲間を見つければいい。


 もそもそとベッドから下りてシャツを手に取る。

 そこで俺は問題に気づいた。


 ベッドの脇には、昨日脱ぎ捨てたシャツやスカート、防具に……ブラジャーだ、と!?

 防具もさることながら、ブラジャーのつけ方が分からない!

 それに髪も、どーやって結べばいいんだ!?


 俺は服を一式、腕に抱えると、キャミソールみたいな肌着一枚で廊下に飛び出した。

 ドンドンッと、ミミとメイヴィスさんが泊まっている部屋の扉を叩く。2人は一緒の部屋に寝泊まりしているのだ。


「ミミ! メイヴィスさん! 起きてる!?」

「にゃ~。なんにゃのかな~?」


 すぐにミミが寝ぼけ眼を擦りこすりドアを開けてくれて……俺の格好を見て、ニャッ!と耳の毛を逆立てた。


「ティ、ティアちゃん!? にゃんて格好を……じゃない、誰かに見られる前に早く部屋に入って!」


 慌てるあまり口調が可愛く訛ってしまっている。

 俺はミミにグイと腕を引かれて、部屋の中に連れ込まれた。

 メイヴィスさんはすでに修道者みたいな服を着込んで、優雅にベッドに座っていた。

 残念だ。


「1人じゃ服が着れないんです~」


 泣きつくと2人は心底、呆れた顔をした。


「昨日はどうやって着たの? ティアちゃんって、ほんとにお嬢様なんだね」


 もしかして俺、家出少女だと思われているんだろうか。

 嘆息しながらも、ミミは俺に着方を教えてくれた。


「まず、胸の下でホックを留めます」


 フロントホックとかではなく、実際は後ろになるのに、最初は前で留めるらしい。

 俺は自分の胸元を見下ろした。


「ホックが見えません、先生!」


 2つのデカメロンに阻まれて、自分が持っているはずのブラの端が見えない。


「それは勘で自分でなんとかしてくださーい!」


 手こずりながらも、なんとかホックをつける。

 それからグルッとブラを回して。肩紐をかけてから、カップに乳を収めるのだ!


「ちゃんと脇とか、下乳とかも入れてね」


 バインバインにブラジャーの中で大きさを主張するそれに、ミミはゴクリと唾を飲んだ。

 俺、脱いでも凄いんです。


 それから防具とかもつけ方を教えてもらって、髪もブラシで梳いてもらった。

 ポニーテールにくくったら、昨日と同じ、可愛いエルフの初心者冒険者のできあがりだ!

 鏡を貸してもらって、俺はうっとりと自分の顔を眺め回した。


「鏡よ鏡、世界で一番美しい人はだーれ?」

「はいはい、コントは1人でやってねー。朝ご飯食べに行こー」


 まだ見足りなかったのに、ミミに軽くあしらわれてしまった。引きずられるように食堂に連れて行かれる。

 俺が二日酔いかもと伝えると、メイヴィスさんが軽くキュアをかけてくれた。

 ふ~、癒される~。

 ドワーフはずっとそこでぼやいてろ!


∫*(σωσ) ポニーテール

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