伊月と朔真の出会い
冷「迦楼羅天」
千紗都「語呂が言いな」
伊月「で、どうします?会いますか?」
冷「もちろん」
冷が即答する
千紗都「そうなると俺も行くことになるか…秩父遠いんだよな」
千紗都が少し嫌そうな顔をする
冷「当たり前でしょ、嫌な顔しないの」
千紗都「へいへい」
伊月「聞いては無かったんですけど、秩父はどこかと戦うんですか?」
冷「雁夜の情報では大宮と」
伊月「へぇ!」
伊月が何故か目を輝かせる
千紗都「何でワクワクしてんだよ」
伊月「だって秩父も大宮も強いって有名なんですよ!その二つが戦うって…心が躍るでしょう!」
千紗都「…確かに」
千紗都がニヤける
冷「じゃあ貴方達は協力するってことね」
千紗都「俺に拒否権ってあったの?」
冷「ないわよ?」
伊月がスマホをいじっている
伊月「朔真は次の休みに会えるって言ってますよ」
千紗都「早いな」
冷「伊月はその日は大丈夫?」
伊月「問題ありません」
冷「じゃあその日ね」
伊月「はい」
会う日が決まった
千紗都「じゃあ暇だしソイツと伊月の出会いを教えてよ」
伊月「朔真のことですね、朔真は僕とタメで中学の相撲の大会の二回戦目の時に出会いました。あれは印象的でした。一回戦目で朔真と当たったのは120kgの巨体、対して朔真は75kgで圧倒的に不利でした。正直僕も朔真が負けて次の相手は120kgの方だと思ってました。だが、朔真は開始の合図で力いっぱいの頭突きをし相手を怯ませました。朔真は気合と根性で耐え相手の足を持ち上げ体勢を崩させ勝利した」
冷「いいね、気合が入った奴だ」
才能があるなら縁妖會に欲しいな
伊月「二回戦目の相手は僕でした」
千紗都「運が悪いな」
伊月「最強の格闘家相手に先ほどと同様の頭突きを仕掛けようとしていたので、僕は乗ってみることにしました」
千紗都「それって…」
伊月「多分ご想像通り、ガチンコの頭突き対決です」
千紗都「ヒエッ!」
想像もしたくなかった
伊月の頭突きなんて
伊月「僕も相手の身体を破壊しないように手加減してたとはいえ、かなりの力で頭突きをしました
正直コレで終わると思いました
だけど朔真は僕の想定を超えて来た、朔真は耐え僕は怯んだ。根負けってヤツですね」
千紗都「お前が怯み、根負け?」
その概念あったんだ
伊月「まぁ、膝も手も尻も着いてないのでルール上は負けては無いんですよね、だから投げ飛ばして勝ちました」
千紗都「あぁそうか、ルール上は負けてないんだもんな」
伊月に対して負けという単語が出て来て少々取り乱していた
伊月「ルール上は勝ち、でも我慢比べだったら僕の敗けでしたね
その後第三試合が始まるまでの間で朔真に話しかけられたんですよね」
千紗都「何て?」
伊月「『暇なら俺と一対一の模擬喧嘩しようぜ』って」
千紗都「それは伊月を最強の格闘家と知って?」
もし知ってなら相当な馬鹿だ
伊月「メディア露出もあるこの僕を知らない人間なんてこの日本にいますか?」
千紗都「居ないわ」
相当な馬鹿だったようだ
伊月「僕も一対一の模擬喧嘩を了承し、秩父の先生公認で裏に行ってヤリ合ったんですよね」
千紗都「止めろよ先生」
伊月「先生も格闘家なので見たかったんでしょうね、僕の戦い」
職務放棄か?それとも秩父が魔境なのか?
伊月「結果は僕のカウンターで一撃KO、気絶しちゃいました
その後は秩父の先生に任せて後にしました
あ、ちなみに相撲の大会は優勝しました」
千紗都「でしょうね」
伊月「その後、高校生になって『走り屋迦楼羅天を作ったから伊月も入らん?』
ってインスタのDM が来ました」
千紗都「じゃあお前走り屋だったの?」
伊月「いや断りました」
千紗都「なんで?」
伊月「だって僕免許持ってないですもん」
千紗都「想像以上に普通の理由だった」
伊月「出会いはこんな感じですかね」
パチン!
黙っていた冷が指パッチンをする
冷「欲しい!」
千紗都「急にどうした冒険のプロ」
冷「その気合と根性気にいった!」
そんな奴は確実に才能がある!
千紗都「会うのが楽しみだな」
会う日当日午前8時
最寄り駅のひばりが丘駅にて
千紗都「お待たせぇ~」
待ち合わせ時間の10分後に来やがった
そして先輩の家は最寄り駅まで10分で行ける
伊月「大丈夫ですよ15分前の集合時間を伝えてたので」
既に手を打っていた
千紗都「分かってるねぇ~」
冷が霊体で顕現する
伊月「うわぁ」
冷「時間かかりそうだから千紗都の中で寝てるわ」
千紗都「分かった」
所沢駅から特急に乗る
約1時時間後
千紗都「前行った時も思ったけど東飯能と高麗駅の間の車庫辺りと今通ってるトンネルさぁ…電波悪すぎない?てか圏外だぞ?」
現在トンネル内スマホの電波が届かない
伊月「ここは正丸トンネルですね」
千紗都「埼玉にまだ暴走族が居たのも驚きだが、電車が通ってて圏外の場所があるんだな」
伊月「埼玉も西側は結構田舎なんですよね
多分埼玉県でも東側にしか居なかったから知らなかったんじゃないですか?」
千紗都「やはり秩父は魔境」
約30分後
西武秩父駅に着く
改札を出て近くのコンビニに移動する
伊月「朔真が迎えに来てくれるらしいんで待ちましょう」
5分後
千紗都「来ないな」
朔真はまだ来てなかった
伊月「おかしいですね、9時半に迎えに行くって言ってたんですけどね」
バーーーウッン!!!!!!!
千紗都「うるっさ!」
バイクの排気音だ
異様に五月蠅い
ピーポーピーポーピーポー!!!
警察のサイレンだ
警察「おい!七星朔真ぁ!分かってんぞ!止まれぇ!」
どこか落ち着いていてドスの効いた声がメガホンから流れる
恐らく七星朔真が乗ったバイクの停止を命令する
バウン!バァーーーン!
恐らく七星朔真が乗ったバイクが更に加速する
千紗都達の目の前をバイクとパトカーがものすごいスピードで通り過ぎる
千紗都「…朔真?…もしかして…アレか?」
指差しながら伊月に聞く
千紗都が伊月の方に目を向ける
伊月が気まずそうに目を逸らした
内容に間違いがないよう、ガチで秩父行って来ました
メチャクチャ遠かったし、金かかった




