縁妖會最高幹部会議2其の二
冷が人間界に転移した
凛「で、予定って何なの?」
雁夜「千紗都の情報を入手した」
凛「冷ちゃんを先に返したってことは冷ちゃんに聞かれたらマズイの?」
雁夜「別にマズイってわけじゃねぇ
先に返した理由は、千紗都の守護霊なのに職務を放棄してるから、この話を聞いてもどうせ忘れるから」
凛「ふ~ん…
ちゃんとこの場で話すってことは何かあったの?」
雁夜「ちゃんとあった」
凛「どんなの?場合によっては…」
凛が真剣になる
雁夜「まず、千紗都本人が10歳の時に両親を殺してた」
凛「初手から重い!」
凛が驚く
雁夜「実際ネグレクト、虐待、殺人未遂を受けていた、殺人発覚後は警察が保護するという形になった
犯行が10歳の時だから刑事罰が下されなかったが、裁判が行われても正当防衛で無実が成立しただろう」
凛「じゃあ、千紗都くんは悪くないってこと?」
雁夜「そうなるな…だが、おそらくここでネジが外れた」
凛「まだあるの?」
雁夜「『まず』って言ったろ
能力の影響だろうな、不運がやってきた
猟奇殺人犯、立てこもり事件、テロ、抗争、薬物中毒者による殺人、誘拐、放火魔…
ありとあらゆる場所で事件に巻き込まれ、身を守るために殺した…
その不運の代わりに得た幸運は無罪と精神病棟回避」
凛「割に合わないよ!」
雁夜「幸運がストックされている…と、考えるしかないな」
凛「幸運で殺人術が身についたって考えることもできない?」
雁夜「どんな幸運だよ…
あと、学校生活が酷いね
話せる奴が柏本選手以外に居ない
それどころかみんな避けている」
凛「千紗都くんが大量殺人者だから?」
雁夜「だろうな」
当然だ
頭のネジが外れた未成年大量殺人犯と一緒だと思われたくないと考えるのは自然なことだ
雁夜「本人は気にしない様子だがな」
凛「心の奥底ではどう思ってるか…」
表では大丈夫なフリしてても…
雁夜「心の闇を考えるもんじゃねぇな…」
面白いもんじゃねぇ…
凛「そんな子が仲間か…ちょっと不安だね」
雁夜「話した感じは一般高校生だ」
凛「そうなの?」
雁夜「あぁ…私も調べるまで大量殺人者わからなかったぐらいには、ごく普通な奴だ」
普通…だからこそ怖い
雁夜「なんか聞きたいことあるか?」
凛「いや、なんか…もう、凄すぎて…大丈夫」
凛がかなり狼狽えている
雁夜「私もいろんな人間を見てきたがこんな奴は初めてだ…その反応は正しいと思う
明日も仕事だから帰るわ」
凛「分かった
魔法『転移』」
雁夜の足元に魔法陣が展開される
凛「またね」
雁夜「おう」
雁夜が転移する
縁妖會最高幹部会議から数日後
人間界
伊月が優勝賞金やテレビで得てお金で建てた道場
そこで行われていたのは
最強の高校生格闘家VS最凶の高校生殺人鬼
という異種格闘戦が行われていた
伊月「先輩は攻撃面は良い動きするんですけどね」
しっかり急所や人中を打てている
伊月「立ち上がりが遅いですね
冷さんの言った通り受け身を練習した方がいいですね」
千紗都「あぁ今後の課題だな」
息を整えながら会話をする
伊月「でも意外でした」
千紗都「何が?」
伊月「特訓とかをやるんですね」
千紗都「能力がバレてる可能性があるからな
他の部分を強化しないといけないな」
伊月「ふ~ん」
千紗都「まぁ能力でどうとでもなると思うがな
それに暇つぶしにもちょうどいいし」
伊月「正直じゃないですねぇ」
伊月がパン!っと手をたたく
伊月「休憩終わり!先輩の実力は分かりました
先輩の受け身の練習に、これからは僕は先輩を投げ飛ばし続けます!反撃していいので頑張ってください」
千紗都「おう」
一章『理不尽は前触れもなくいきなりやってくる』完




