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53 合格発表そして入学式前半

 

  試験を行った日から5日後の朝早く俺たちはデリウス魔法学院へと向かって歩いていた。


  「受かっているかどうか楽しみね? ステラ?」


  「あれだけ実技試験でやらかしたんだから大丈夫でしょ。

  逆にあれで受かって無かったらおかしいって」


  周りには今回の受験生が結果を見るためにぞろぞろと魔法学院に向かったいる。

  俺たちはほぼ確実に受かっているのでこんな冗談が言っていられるが他の受験生たちは気が気でない様子だ。


  「ねぇ、ユリシア。多分ユリシア、首席で合格してると思うけど入学式で何か一言話さないといけないんじゃない?」


  「あぁ〜、確かに話さないといけないのかもしれないわね。

  まぁ、人前で話すことに緊張とかするタイプでもないと思うから気にしなくて大丈夫よ」

 

  「そうなの? いいなぁ。

  お、私、人前で話すこと苦手だから羨ましいなぁ」


  おっと、もうそろそろ学院が見えて来たところだから一人称を私にしておかないといけないな。

  あぁ、なんだろう。

  自分で言ってて気持ち悪いな。いつになったらなれるんだろう?


  「さて、そろそろ着くわね」


  俺とユリシアは受験以来になる魔法学院の門をくぐる。


  合格者の発表は確か校舎のどっかに紙が貼り付けてあるはずだ。

  門をくぐってすぐのところに何百人、いや何千人の人だかりができていた。

  きっとあそこが合格発表の場所で間違い無いだろう。

 

  それにしても、受験生である子供がまだ小さいからか多くの親が一緒に来ており人が多すぎてまるで合格発表の紙へと近づけない。


  「人多すぎ」


  ちょっとずるいかもしれないが若干身体強化を発動して人をかき分ける。

  そして、ポッと一番前の列から頭を出すと丁度頭の斜め上に合格発表の紙が貼られていた。


  上から見てみる。


  首席 受験番号6691 Sクラス


  やっぱり思った通りだな。あんな馬鹿げた魔法使っといて首席以外だったら審査員の目を疑うよ。

  さてと、俺の番号は……


  次席 受験番号6692 Sクラス


  やっぱりかぁ。

  そうだよね。実技試験で的壊してたの俺とユリシアだけだもんな。

  それにしてもSクラスか。ユリシアと同じクラスってことは実力でクラス分けがされている? のかな。


  俺は自分の受験番号とユリシアの受験番号を確認したのでらこの人が群がっている場所から抜け出す。


  「ユリシア、受かってたよ」


  「私も見た。まぁ、当然といえば当然よね。

  じゃあ、入学式始まるから行きましょ」


  合格した者は受付をしてから入学式会場に移動するらしい。


  「受験番号札とお名前をお願いします」


  受付の女性にそう言われたので、受験番号札を渡して名前を言う。


  「ステラです」


  「受験番号6692番のステラさんですね。次席で合格おめでとうございます。

  入学式はあちらの会場で行いますので番号と同じ席にお座りください」


  続いてユリシアが番号札を渡す。


  「ユリシアよ」


  「受験番号6691番のユリシアさんですね。首席で合格おめでとうございます。

  首席であるユリシアさんには入学式の最後の方にある生徒代表のスピーチをしていただきたいのですがよろしいでしょうか?」


  「えぇ、構わないわ」


  「では、話す内容など分からないと思いますので少しこちらで打ち合わせをさせて貰ってもよろしいですか?」


  流石に十二歳の少女にスピーチよろしく! と丸投げするわけではないらしい。

  こんな本番直前だが一応打ち合わせだけはしてくれるみたいだ。


  「嫌よ」

 

  即答で答えるユリシア。


  「ではこちらに……え!?」


  「聞こえなかった? 嫌よと言ったの。

  別に打ち合わせなんて無くてもこっちで適当に考えるから」


  「そ、そうですか、分かりました。

  ではよろしくお願いします」

 

  いや、こんな十二歳児可愛くなさすぎるだろ!

 

  「ユリシア、もうちょっと断るにしてもいい方ってもんがあるだろう?」


  「嫌なものは嫌なのよ。

  私十二歳でまだ子供だから上手な断り方分からないの」


  急に子供っぽい雰囲気になり首を傾げてくる。


  「流石に痛いぞ十七歳」


  「いいでしょ別に、心はまだ少女なのよ!」


  言っているうちに入学式をする場所に到着した。

  階段を上がり中に入ると演劇や合唱の発表会でもやりそうなホールの扉があった。


  張り紙を見るとS.Aクラスは二階と書かれているのでもう一階上らしい。


  「もう一階上らしいよ」


  近くにあった階段を上がり二階のホールの扉を開く。


  二階には一階より席が少なく一階のステージを見下ろせる形になっていた。席数も一階より圧倒的に少なくニクラスくらいが座ればいっぱいになってしまう。

  成績上位者は高みの見物と言うやつだろうか。


  「えーと、6692、6692……あった」


  一番後ろの列に番号を見つけた。

 

  「あ、私もあったわ」


  隣の席であるユリシアと席に座り入学式の開始を待つ。

  二階の席はもうすでに三分のニくらいは埋まっておりそう時間のたたないうちに始まるだろうことが予想できた。


  「ねぇ、ステラ」


  「ん、なに?」


  「私学校なんて行ったことないし、人前で話すことに緊張はしないと思うけど首席の挨拶で何話せばいいか分からないんだけど、どうすればいい?」

 

  はい?

  何話せばいいのか分からないのかよ!


  どうすればいい? とそんなすがるような目で見つめられてもな……

  これまで人前で話して来た人達の話なんて全部右耳から左耳である。分かるわけがない。


  「本当に何も分からない。そんなの私が知るわけないじゃん」


  「流れとか知らないの?」


  「ん〜、まず始めに入学式? 学校? への感謝を述べて次に三年間どんなふうにに生活していきたいかを言って、最後に締めの言葉。まぁ、先生方にありがとうございますとでも言っておけばいいんじゃないか?」


  「あ、そんな感じなのね。分かった」


  『えー、これより143期生入学式を始めます』


  魔道具によってアナウンスが流れ入学式が始まった。

 

 

 

 

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