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Novel~☆~World  作者: K.T
5/13

5話:日常を捨てたんだ

朝6時、高瀬羅 刹は昨日の夜の出来事が嘘だったかのように目を覚まして、家を出た。

「行ってきます」

「…………」

街の風景も、歩いていく学生も、いつもと何の変化もない。

「全員、起立ッ!!」

「はっ!!」

一つ違うと言えば、学校が軍隊のようになったところだ。小さなことではないが、高瀬羅 刹にとっては変わらないのと同じようなものだった。休み時間になって、高瀬羅 刹は何かをするという目的もなく、廊下に出た。

「今日どっか行かない?」

「いいよ。どこ行く?」

雪乃たちが楽しそうに歩いてくる。もちろん、邪魔したいわけではないのだが、

「よう。雪乃」

高瀬羅 刹は、話しかけてしまった。

「雪乃の友達?」

「私知らないよ」

「知らない女子に話しかけるとか、キモいわー」

高瀬羅 刹は忘れていた。この世界はもはや、自分の知ってる日常の世界じゃないということを。

「これより、雷撃訓練を行う。全員、スタンバイッ!!」

放送が流れるのと同時に、廊下の生徒が一斉に教室に戻った。流れにのって高瀬羅 刹も、教室に戻って自分の席に座った。

「我々の命は、全てこの世界のためにッ!!」

「雷ANッ!!」

「これより、第35回雷撃訓練を行う。ANGELセットッ!!」

先生の言葉と同時に、椅子の下に穴が開いた。

「わっ、落ちるだろーッ!!」

人間の本能上、高瀬羅 刹は落ちるのを手で止めてしまった。

「俺らを殺す気かッ!!」

「高瀬羅 刹。後で3時間説教してやる。とっとと行けッ!!」

せっかく押さえた手は、先生の足に蹴り落とされてしまった。

「助けてーッ!!」

真っ暗なトンネルのような所をどんどん落ちていく。10秒後、下から急に風が吹いてきたかと思うと、高瀬羅 刹は固いものの上に、座るように落ちた。

「なんなんだよ。てか、俺生きてるッ!?」

「全員セット完了。ライトオンッ!!」

「眩しいッ!!」

急に目の前が明るくなった。そして、明るくなったこの場所で、高瀬羅 刹は驚きを隠せなかった。

「ロボットッ!?」

目の前には、たくさんの人型ロボットが整然と並んでいる。そして、自分の今いる場所もロボットの中だった。装甲は透明じゃないのに、内側からは外の景色が見えるため、眩しさも伝わってくる。

「これ……俺がノートの最後に書いたロボット……」

高瀬羅 刹は、今起こっていることが全然理解できなかった。

「雪乃中隊。スタンバイ完了です」

「出撃ッ!!」

目の前からたくさんのロボットが動き出した。

「なかなかだなぁ。俺の考えてたのと全く同じだ」

感心している高瀬羅 刹の横に、人の顔が映った。

「今日から入ったっていう子はあなたね」

「雪乃っ!?」

「あっ。さっき会った変態ッ!!」

「変態とは無礼な」

横に映ったのはなんと、雪乃の顔だった。

「名前は後で聞くわ。それより、部隊最精鋭の私の班に入るなんて、あんた本当に強いの?」

「いやぁー、それほどでも。で、操縦の仕方は?」

「はっ!? 何言ってんの? 冗談よね。とっととついてきなさいッ!!」

と言われたものの、高瀬羅 刹の質問はもちろん冗談なんかではない。目の前にあるパネルも解読不能だった。

「もしかして、俺が小説で考えてた操縦法をやれば……」

高瀬羅 刹は、自分の書いたロボットの設計図を思い出す。

「人型戦闘モビルスーツ。高さは18m、電源は超高性能バッテリーで、稼働時間は最大24時間。背中には蛍光緑のラインが入った透明な羽根、頑丈そうな装甲は厚さ1mの超合金製。武器は基本、本部より転送される。目の前にある一枚のパネルは、基礎情報と操作用画面。両手にあるスティックの5つのボタンで武器や装備などの変更。スティックで移動……名前は、ANGEL」

高瀬羅 刹は思いきって、両手の下にあるスティックを握った。

「動けよ……ANGEL」

その声と同時に、ロボットは少しずつ動き出した。

「ワープホール確認。雪乃中隊長を追跡します。合流まで残り10秒」

驚くことに機械が勝手に喋りだした。

「この世界の設定はどうなってんだよ……」

「ワープホール、出ます」

「ここって……」

大きな違う色の人型ロボットが4体、夜空のライトのように宙に浮いている。地面は存在しない、遠い後ろには水の星と言われた地球が見える。

「もう俺は……、日常を捨てたんだ」

高瀬羅 刹は心に決めた。この世界で幸せを手に入れると。

「本日より雪乃中隊に配属されました。高瀬羅 刹ですッ!!」

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