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青い涙の降る夜

作者:TIA
最新エピソード掲載日:2026/10/08
東北の地方都市・汐見市に、青い流星が落ちた。

それから三日後、高熱と意識障害を起こした人々が、意識を失ったまま北の山へ歩き始める奇病が発生する。

人々は、彼らを「眠り人」と呼んだ。

救急救命士の久我蒼真は、眠り人の爪に傷つけられながらも、なぜか発症しなかった。やがて彼は、身元不明の少女ミオと出会う。ミオが歌うと、眠り人たちは一斉に彼女へ顔を向けた。

少女はいったい何者なのか。
青い流星は何だったのか。
そして、眠り人たちはなぜ北の山を目指すのか。

政府は秘密組織「白鷺」を送り込み、汐見市を封鎖する。蒼真には、ミオを生死を問わず確保せよという命令が下された。

逃亡の中で、蒼真は奇病の正体が未知の菌にあることを知る。そして廃研究所で、二十年前に死んだはずの妹・灯が、この菌の生存者だったという記録を見つける。

やがて明らかになるのは、さらに残酷な過去だった。

二十年前、瀕死だった蒼真を救うため、七歳の灯は自分の血を分け与えていた。だが、その血に未知の菌が宿っていることを知った政府は、灯を研究対象とし、彼女の血を奪い続けた。

そして今、同じ菌を巡る事件が再び始まった。

菌に触れることで異能に目覚める「共鳴者」。
年を取らず眠り続ける子供たち。
森の奥に眠る、異星の方舟。

すべての謎をつないでいたのは、二十年前に空から落ちてきた「何か」だった。

方舟に眠っていたのは、人類を滅ぼそうとする侵略者ではない。

故郷を失い、新しい身体を求めて地球へ流れ着いた、一千万の異星人の「心」だった。

少女ミオは、その方舟が灯を模して生み出した存在だった。

そして蒼真たちは、異星の心と人間が共存するための唯一の条件を知る。

――奪わないこと。
――尋ねること。
――相手が答えるまで、待つこと。

だが、人類はその選択を許さない。

政府は方舟を破壊するため、核弾頭を投下する。

八万人の眠り人と、一千万の異星の心。
二つの種族の命運を背負い、蒼真たちは最後の選択を迫られる。

これは、未知の病から始まった物語。

そして最後に問われるのは、「人間とは何か」ではない。

誰かの命を、自分の都合で奪っていいのか。

その答えを探すために、青い涙の降る夜が終わる。
第1話 青い流星
2026/10/08 22:39
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