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プロローグ

この作品をクリックしていただいてありがとうございます!

作品自体初投稿となります司堂空と申します!

爺が転生する作品があんまり見かけないのでじゃあ自分で作っちゃえばよくね?と考えて頑張って作ってみました!

お目汚しとなるかと思いますが最後まで読んでいただけると幸いです。

ワシの名は塩川剛一、人はワシの事を達人と呼ぶ


達人の朝は早い、5時に起床し、顔を洗い着替えると日課の軽い散歩に出かける


7時に自宅へ帰りシャワーで汗を流すと簡単な朝食をいただく、やはり朝の卵かけご飯と味噌汁はジャスティスじゃな


朝食をとり終えるとワシは戦場に赴く用意をする


丁度10年前に仕事を辞めてから毎日訪れている戦場へ


心無い人々は悉く口にするじゃろう「馬鹿な事を」と


しかし仕事を辞めてからのワシには日々を生きて行く上で非常に大切で有意義な事じゃ


塩分控えめの煎餅と温かいお茶の入った魔法瓶を手に持つと扉を開け・・・部屋の左手奥、デスクの上に設置したPCのスイッチを入れる


いつも通りに左下のアイコンをダブルクリックして1分ほど待つとログインとゲームの起動が完了する


育て上げた自キャラを選択する、そのキャラクターネームは「TATUJIN」


そう、ワシは塩川剛一、82歳にしてあらゆるゲームにて「TATUJIN」と呼ばれる男じゃ




「あ、TATUJINさんチース」とログインしたタイミングでギルド仲間から声を掛けられる。


「おはようございます飼い犬さん、今日も徹夜ですか?」


「そーなんすよ!限定Dで目当てのドロップが全然落ちないんで課金までして疲労度回復しまくっちゃいましたwwww」


副ギルド長であり、このゲームでは長い付き合いの飼い犬氏に挨拶を返す


徹夜明けハイなのか妙にテンションが高いの


「課金は程々にって言ってるギルド方針とまるで正反対じゃないですか・・・ほんと程々にされて下さいね」


「まあ流石に意地になりすぎましたね・・・今日は仕事休みとは言え流石に眠いですので・・・」


「眠いのでしたら無理されずに寝られたほうがいいですよ、イベント期間中とは言え徹夜はあまりされないほうがいいでしょうし」


「はい、ですので僕が早く眠るため入場制限Dのマラソン手伝ってください!」


モニターの前で苦笑いするワシ、いつもこの時間まで起きているのは大体ワシとPTを組みたいがためと知っているのでな


飼い犬氏は後衛魔法職なので前衛攻撃職のワシと相性がいいため、なんやかんやで固定PTとして長いため別に構わんのじゃが


「私からもぜひお願いしたいですね、でもたまには徹夜明けでなく朝早起きして遊びましょうw」


「そうしたいのはやまやまなんですが、一回寝ちゃうと昼過ぎまでは起きられないんですよねぇ・・・TATUJINさんみたいに決まったサイクルで生活できる人がうらやましいですよ」


「体に生活サイクルが染みついてますからね、ずっとこのサイクルで生活してきましたので」


「そういえばTATUJINさんっておいくつなんですか?」


秘密です、と答えてPT申請を送ると飼い犬氏とは別のいつも組んでいるメンバーが集まってきたため入場制限Dでのマラソンへと突入する


固定メンバーといって差し支えないPTなのでサクサクマラソンを終えると、メンバー達は全員「お休みー」といってログアウトしていく


恐らく皆が学生か20代の社会人なのじゃろう、年代の違う人たちとも気軽に遊べるとはネットゲームはやはり素晴らしいの


自キャラの疲労度を使い切るとログアウトし、次のゲームを立ち上げつつ温かいお茶をコップに入れて一息つく


同じような流れで3タイトルを続けて消化していく、プレイする時間帯が同じ友人たちとPTを組みながら遊び終えると時間は大体いつも正午となる


PCをスリープモードに切り替えると軽く伸びをしながらデスクから立ち上がり、リビング兼台所に戻ると軽く蕎麦を茹でて頂く


蕎麦を茹でている間にスマホアプリで時間をつぶし、茹で上がるとさっと冷水でしめて昼食のざる蕎麦をいただく


年が年だけに食が細くなってきているのですぐに食べ終えると再び趣味部屋に戻り、PCのオンライン書籍で週刊誌などの漫画雑誌を読み進めていく

ふむ、やはりバ〇は熱いのう


14時頃に漫画を読み終えるとPCの電源を落とし、部屋の中央に設置してあるコンシューマーゲーム機の電源を入れる


起動したゲームは某有名格闘ゲームじゃ、ここでもIDは当然TATUJINである


オンラインモードでロビーに入ると対戦希望と設定してからトレーニングモードに・・・「ヒアーカムズニューチャレンジャー」ってもう対戦相手が来おったわい


手首と首をゴキゴキと鳴らすとアーケードコントローラーを握り、強敵との死闘に備える・・・



そんな感じで対戦を繰り返し、知り合いとは軽くチャットで会話をして次回の対戦の約束などをすますと時刻は17時前となり、ゲーム機の電源を落とす


ワシが住む家は安アパートであり、今いる寝室兼趣味部屋とリビング兼台所の2部屋でともに6畳と老人一人で暮らす分には大きすぎず小さすぎずの家じゃ


トイレ風呂別のベランダ付きでお家賃も手ごろとなかなかの物件じゃ


ワシの趣味部屋にはPCや各種コンシューマーゲーム機、携帯ゲーム機が整頓されて置かれておる、書籍などは嵩張るので大体の物は電子書籍で済ませておる


昔から持っている本などはそのままじゃがこの生活に入ってから本を買い始めると置くところに困ることが半年ほどで発覚したからの、こ〇亀だけで本棚の3分の1が埋まるってどんだけじゃよ


しばらくじっと座っていいたため、軽くストレッチをして体をほぐすと冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し一口飲み、動きやすい服装に着替える


夕方の日課の散歩に出かけ、朝同様に17時から19時まで景色を楽しみながら散歩を続けるが、午後は自宅近くの公園で軽く体を動かす


年のせいで体がなまるのは嫌じゃからな


20時前に自宅へ帰ると昨晩から作り置きしておいたカレーを火にかけて温める


冷凍しておいた米をレンジで温める間に冷蔵保存しておいた半熟卵を用意し、チンし終わったご飯の上に落としておく、カップ麺の空ケースにお湯と一緒につけておくだけで半熟卵が作れることを発見した者は天才じゃな


今日の晩御飯は温玉と鳥そぼろの簡単インド風カレーじゃ、レンチンしたご飯の上に少量のバターを載せておくと軽いアクセントになって美味じゃのぅ・・・


食後は熱めに焚いた風呂に入ると焼酎を軽く一瓶開けながらネットサーフィンをたしなむ


うむ、やはりけ〇ものフレン〇は神作品じゃのぉ・・・


晩酌しながらネットサーフィンを終えると22時半には床につく、これがワシの生活サイクルじ(・)ゃ(・)っ(・)た(・)


#####


3ヵ月後


「ありやーしたー」


「ほっほっほ、また機会があれば頼むのー」


出張買取業者が去った後、わしの部屋にあるのはちゃぶ台と布団一式のみが残る


引っ越しといえば引っ越しじゃな、行き先はあの世、じゃが


ワシが今行っているのは所謂終活というやつじゃな、恐らくじゃが、明日にでもワシは死ぬ


流石に82年を共にしてきた体じゃ、何となく自分の死期が分かってしまうものなのじゃなぁ・・・、まあ体調管理も仕事のうちじゃったしのぉ・・・


事が動いたのは2か月半前


いつも通りの毎日を送り目覚めた朝に、普段は感じない頭の中の違和感、今までの人生で感じたことのない「ヤバい」と感じる違和感を覚えた


一日だけ普段通りの生活を送り、様子を見た


しかし翌日に消えることがなく、念のためというよりもほぼ確信に近い形で医者に掛かってみた


結果は末期の脳腫瘍、もって2か月ということじゃった


じゃが、その話を聞いたときワシは絶望も失望もせずに思った、「ああ、このタイミングじゃったか」と


流石に82まで生きてきて死ぬといわれてみてもそれ以上の感想は出なんだ


あがいて治療を受けたところで状況が改善するでもなく、現状維持が関の山と考えるとそのまま受け入れるのがごく自然と思えたのじゃ


そこから先は医師からの延命措置を断ったり資産分与の手続きをしたり所持品の中で墓の中までもっていくものと売り払うものとこの世からデータごと消し去るものとの分別が始まったのじゃ


最初に売り払ったのは攻略済みでやりこみ待ちのゲームソフトたちと最終回まで読み終わった書物たち


そこから未攻略のゲームソフトを可能な限り攻略して攻略した順に売り払っていく


レトロゲームの類はすべて攻略済みだったために真っ先に売り払って「もう一回くらい遊んでおくべきじゃった・・・」と軽く後悔したりもした


そこから最低限の服や家電を除いて中古家電屋に売りに行き、残り一週間を切った時点でPCのハードディスクを水の張った風呂桶に突っ込んだ上で廃品回収に出した


82歳の老人のハードディスクの中身が、エロ目的でなくシナリオ目的でもエロゲで埋まっていれば白い目で見られるのは預言者でなくとも予見できるだろうからの・・・


そうして徐々に生活必需品(必要じゃよ?)を削っていき、体感での寿命は恐らく後半日というタイミングで布団とちゃぶ台、そして便せんと筆記用具だけを残してすべてを売り払ったこの部屋が残った


スマホの契約も今月までと通達しておるし、遺産分与も手配済みじゃし、もう手を煩わせることはないの・・・


最後の意地ともいえるのであろうか、日課だけは毎日こなしてはいたが日に日に力を失っていく体がついに限界を迎えたかのように震えだす


予見通り、今日が最後で間違いがなさそうじゃの・・・


知人宛に記した手紙の内容に念のため目を通し直し、間違いが無いか確認し終えるとそれぞれ名前を記した封筒に入れてちゃぶ台の上に置く


1つは明日の昼ごろに自宅を訪れる予定の仕事関係の知人で唯一ワシの趣味を知っており、今でもちょくちょくお交流のある友人とも言える男に


もう一つは仕事関係で現在トップの人物に宛てたものじゃ、友人経由で渡してもらえるようにお願いしてある


これで死後の事も問題ないはずじゃ、葬式費用などは財産整理の折に確保もしてあるのでつつがなく行われるじゃろう


確認すべきことを確認すると押入れから共に弔って貰いたい物を詰めた段ボールをちゃぶ台の横に置いておく


「これで準備完了じゃな」


これで全ての用意が整ったとため息をつくと布団に入る


このまま日をまたがずに恐らく死ぬことになるじゃろう


恐怖がないわけではないが、2ヵ月もの間向き合ってきた問題であるためにすでに受け入れは済んでおる


思い返せば悔やむこともないとは言えんが、概ね幸せな人生じゃったと思えるため、安心して逝ける


唯一心残りと言えるだけの悔いがあるとすれば、仕事第一にしすぎて嫁子を作ることができんかったことぐらいかの・・・


もし来世というものがあるとすれば、今度は嫁さんをもらって子どもを作り、仕事よりも家族を優先できるような人生を送るのも悪くないかもしれんのぅ・・・


そこまで考えたところで頭の中から今まで感じたことの内容の強烈な痛みを感じた


痛みは少し続いたが、徐々に消えていく・・・、否(・)、感覚と意識までもが薄れていくことを感じた


ふぉっふぉっふぉ・・・、これが死ぬということか・・・、あぁ、来世といえば最近暇つぶし程度に呼んでおったネット小説に死んでから転生するとかいうのが流行っておったのぅ・・・


薄れゆく意識の中にふとそのようなことを思い出す


剣と魔法の世界に転生して無双する作品とか多かったのぅ・・・死んだあとああいう風になるのも面白いかもしれんの・・・


薄れゆく意識の中そんなたわいもない夢物語を思い浮かべる


まあ、こんな爺にそんな需要は・・・ない・・・かも・・・し・・・れん・・・が・・・


死ぬ直前にこんなことを考えることになるとはの・・・と意識を手放しかけ、死ぬことを受け入れ切った直後にふとノイズのような音が聞こえた気がした


『じ・・うな・・・ま・・よ』


そのタイミングで、塩川剛一は意識を完全に手放した


#####


意識を手放した、つまり死んだと感じてから塩川剛一は浅い眠りの中をまどろみ続けるような感覚が続いていた


眠っているようなそうでないような、起きているようで起きていないような、その感覚が1日なのかそれとももっと長くなのかも図りかねる


ただ自分はとてつもなく安心できるところにいるということだけは分かった、今の自分にとってこ(・)こ(・)が唯一の自分の居場所であるということが


そんな彼の意識がまどろみ続ける意識が少しずつ回復してきたのは、自分がここから外に出ていくことを何となく理解し始めた時だった


ここは・・・一体どこなんじゃろう・・・というかワシは・・・


徐々に回復してきた意識が鮮明になる前に、ついにこの空間から外に出る時が来たと感覚が告げていた


温かく、安心できる空間から自身が押し出されていることを理解し、外へ出たと思った瞬間に感じたのは、目もくらむような強烈な光だった


まるで光が一切入ってこない部屋で、いきなり電灯をつけられたかのような強烈な白一色の暴力的な光を、閉じた瞼の裏側から感じ、塩川剛一の意識は強制的に覚醒させられた


っ!一体どういう事じゃ?ワシは確かに死んだ、と思っておったのじゃが・・・


急激な状況の変化に自身の状況を確認しようとするが体の感覚が驚くほど鈍く、とてつもなく眩しいという事しか理解できなかった


五体の感覚があるかすら確認できず、耳も鼻も全く利かない、否、それらがあるかすらも確認できない


死後に意識だけの状態という事かの・・・ということはここは死後の世界ということかのぅ・・・


自身が置かれている状況を全く理解できず、若干パニック気味にはなりそうだが何とか冷静に判断しようと落ち着くことに意識を集中していると、近くとも遠くともとれるような音が徐々に拾えるようになってきた


これは・・・不鮮明じゃが・・・鳴き声かの?


判然としないまでも何かが聞こえるということは耳がある、そう判断したところで徐々に自身の背中を何か大きな手が支えているような感覚が伝わってきた


ワシの体を支えている・・・?しかしいくらワシが年老いた爺じゃと言ってもこの手はいくら何でも大き過ぎるのでは・・・?


疑問を浮かべていると次に感じるのは自分の喉がひどく震えていること、そしてその震えがどこからともなく聞こえてきていた鳴き声と連動していること


・・・え?もしかしてこの鳴き声ってワシの?


触覚と聴覚が告げる事実と状況判断に驚きを隠せないでいると、眩しさにつむり続けていた目がついに光に慣れたようであり、徐々に視界が鮮明になっていく


朧気だった視界がついに像を結んでいくと、目の前に現れたのは感動のあまり声を失ったかのような年若い男性の顔だった


獣のような印象を受ける勇猛そうな顔を、感動で涙を目じりに浮かべる男性が塩川を見下ろしていた


濡れるようなブラウンの髪、若干黒が入ったような茶色の目、年のころは20代半ばと見える男性だった


その男性を見た瞬間に塩川は本能的に理解した、この人物が自分の父親である、と


え?父?この人が?ワシ82歳じゃよ?てかめっちゃでかくないかの?てかワシ死んだんじゃよな?


本能と理性が格闘するなか薄々自分がどうなっているか理解しつつあるものの、「いやいや、ありえないって」という理性がどうしても理解することを拒んでいるとあるかないか不鮮明だった感覚たちが鮮明になっていく


自分は今目の前の男性に抱かれている、自分は今出せる限りの声を振り絞って泣いている、そして自分の力で体を動かすことができない、というか首すら動かせない


鮮明になっていく感覚で自身の状況を完全に把握したところで、男性が自分をおっかなびっくり、壊れ物を扱うように抱いていることもわかってきた、その男性がそれでも自分を愛おしいと思っていることも


その男性は涙を浮かべた目を塩川から外すと横を向き、誰かに呼びかける


「E"%GP&~<M!」


塩川の知るどの言語とも違うそれで呼びかけられたその人物は、どうやら彼の体を男性から受け取ったようだった


上にしか目を動かすことができない塩川は何となく次に視界に入る人物が自分にとってどんな関係であるかを理解していた


「おぎゃぁ!おぎゃあ!おぎゃぁ!おぎゃ!?・・・おぎゃあ!」


視界に入った人物が本能的に母親であると理解すると同時に彼はひどく動揺した、その女性は絵に描いた様な金髪碧眼の美女であり、彼の常識では計り知れないほどに耳が長かったのだ








いかがでしたでしょうか?

あくまで導入となりますが主人公である塩川剛一のキャラクターだけでも多少は伝わっていただけたなら幸いです。

彼の前職に関しては徐々に明らかになっていきますが、察しの良い方はお気づきかもしれませんね?

バレバレ?知らんな?

筆めっちゃ遅い作者ですが自己満足で投稿していきますので気が向いたら見て頂けると・・・

流石に第一話くらいは近日に上げようと思っています、最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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