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「・・・・・テオ!・・・テオ!」
自分の名を呼ぶ声にテオは目を覚ます。目の前には2人の男の顔があった。
「なんだよ、もー。男2人のモーニングコールとかマジで止めてくれよ」
テオに爽やかな目覚めをプレゼントしたのはテオの父と弟、ブルクハルト・シェーラーとマルクス・シェーラーだった。
「兄さん、さっさと目覚まして支度してよ!今日なら格闘術の訓練つけてくれるって言ったの兄さんなんだからね!」
「あーもうわかったっての。今支度してくっから外出て待ってろ。親父もな」
嫌々ながらテオはベッドから腰を起こすと寝癖で爆発した頭を掻きながら洗面所へと足を運ぶ。
マルクスは1ヶ月前のゲオルク・バーナー議員の一件から格闘術の訓練に励んでいる。普段は父のブルクハルトと自宅で訓練しているのだが、週に1度こうしてテオを相手にその成果を確かめに来ている。
事件でテオは魔力の過剰摂取で命にも関わるほどの重症を負っていた。しかし、持ち前の回復力の高さで1週間後には日常生活に支障ないほどに回復を10日後には完治していた。
テオは朝の身支度はまず歯を磨くことから始める。洗面台には歯ブラシが2本、この家が建てられたその日からずっと今も置かれている。
歯を磨き髪を整え顔を洗うとテオはトレーニング用にスポーツシャツとハーフパンツに着替えて外に出る。ファルネムトの中のゴミ溜めテゴ、ゴミ山が山脈のように連なり立ち並ぶその土地にテオはもう10年間も住んでいる。
「遅いよ、兄さん!」
ゴミ山に囲まれ盆地のようになった広場でマルクスはぴょんぴょんと飛び跳ねテオを呼んでいる。
「あれ?お前ちょっと逞しくなったんじゃねえの?」
「やっぱり?筋肉ついてきてるよね!?お父さんは全然わかんないって言うんだけどね」
ブルクハルトを横目に見ながらマルクスはあからさまなため息をついてみせる。テオもマルクスに身を寄せ同じように父を横目に見ながら話す。
「あー、無理無理。そんなささやかな変化親父にわかるわけねえよ。昔母さんがロングからショートにイメチェンしたことがあったらしいんだけどそんときも気付かなくて半殺しにされたらしいから」
『うわー』と2人で冷ややかな視線を父に送ってやった。
「なんだお前ら、噂の反抗期ってやつか?思春期なのかお前ら?いいだろう、オレが2人まとめてもんでやる!」
『ぐはは』とまた魔王気取りでブルクハルトはテオとマルクスを迎え撃つ。
魔術なしの2体1変則タッグマッチは息子組の勝利に終わった。決まり手はマルクスのドロップキック。ブルクハルトに殴り飛ばされるマルクスの手をテオが掴みそのままジャイアントスイングからのマルクスのドロップキックだった。
ブルクハルトは蹴り飛ばされながらも息子たちの強力プレイに深く感動していた。




