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昨日の戦闘でテオが負った傷、それをいち早く治すために作られたミアお手製のカレー鍋。その量は5,6人用の鍋3杯分におよび、1時間が経過した今も10分の1ほどの量を残していた。
「もう止めにしないか?食べ過ぎて体を壊してたんじゃあ本末転倒だぞ」
残り3分の1を過ぎた辺りからこの鍋を用意したミアが自身がテオを気遣いギブアップのタオルを投げ込もうとしていた。
だがテオは速度を落としてもその手は止めることなく今も食べ進めている。
「大丈夫、オレ食い物で腹壊したことねえから」
ぐっと力強く親指を立てるもののその額には大粒の汗を大量に流し料理を口に運ぶ手も震えている。
「だが、美味しく感じられないのに無理して食べるのは食材たちにも悪い」
おろおろとうろたえながらミアはテオの体を心配するが、テオはむしろ手を速めた。
「美味いよ、ちょー美味い。嘘だと思うんならミアも食えばいいだろ?」
リスの頬袋のようにパンパンに口を膨らませながらテオは蓮華にすくったシメのカレー雑炊をミアに向けて笑顔で差し出す。
しかしミアもすでに2人前ほどの鍋と雑炊を平らげている。今は米一粒だって口に入れるのは抵抗があるのだろう、両手を突き出して遠慮している。
仕方ないな~とでも言う様子でテオは蓮華ごとすくった雑炊を口に放り込む。
「それにさ、この鍋はミアが作ったものだから・・・オレは何があっても最後まで美味しく食べ切るよ」
落ち着いた声でそう言うテオの笑顔はとても自然で少し大人びて見えた。
どういう思いでそう言ったのか、それはテオ自身にもはっきりとはわからない。でも今のテオは自然とそう思えた。




