35話 ノアの村 その2
こんばんわ。休みなのがよい!怠惰こそ正義。投稿します。よろしくです。
父親に模擬戦をしてもらってから、1週間が過ぎた。その間、両親の手伝いや丸太をパーツごとに紐できつく縛り、風呂を組み立てたりした。風呂は、およそ完成である。欲を言えば、排水の穴を開けるかどうかだけである。
自分だけで使うなら、排水の穴は必要ないが、他人が使う場合はあった方がいい。転がして下さいとは言えない。原始的過ぎるわ。とりあえず穴を開けて、それに合うようなコルク?の様な物を適当に作ればいいやと思っている。だいたいがいいんだ。
アイテムボックスに風呂をしまい、後は時間のあるときにやればいいやと思い、倉庫の地図をとりに行った。埃がついていたので、はらってからよく見てみた。魔の森の入口から×印まで、森の中を数百キロメートルは距離がありそうだった。
墓までが何と言っても遠すぎる。森の中は、歩きづらいしな。「う〜ん、厳しいな。どうしよう。行ってみたいが、両親が反対するかもな。」と思い、夜夕食の時に聞いてみる事にした。
地図の話を夕食の時に父親にすると、「俺も行った事がないな。ただ先祖の墓があると言われて代々渡されてきただけだ。気になるなら行ってくれば!」と言った。冬だから魔物の活動が少ないし、リスクも低いから大丈夫だろうと言っていた。
母親も賛成らしく、「ノアの村のご先祖様の墓なら、掃除して花でも供えてきてほしいわ」と言った。「まじで?掃除はするけど、冬に花は咲いてないでしょ。」と思ったが余計な事を指摘しない。なぜなら怒られるからです。僕の母親は、ときに理不尽だから。
「しっかり準備して行けば大丈夫じゃないか。」と父親が言っていた。「わかった。1人で行くか、シエルと行くか明日聞いてみるわ。」と両親に伝えた。
次の日、シエルに地図の件を聞きに家を訪問した。母親から木の実を預かっていたので、メイおばさんに渡して、話を切り出した。結論から言うと、ついて行きたいが、体力的に厳しいとのこと。
「ロイ1人の方が早く行けるよ。魔物も少ないなら、私が足手まといになる可能性が高い。」とシエルから言われた。「わかった。同じ冒険者パーティーだから、勝手に1人で決めるのは、よくないと思っただけだから。」と言い寂しく一人で行く事にする。2人だと話せるのがいいんだよね。よし、何となく不安だけど、一人で行くか!
ちなみに2人ともE級冒険者になっていた事を伝えてなかったので、シエルの両親が聞いて驚いていた。「俺も両親に言ってなかったわ。じゃあ、またな!」と言って家に帰った。両親にE級冒険者の件と1人で墓参りに行くことを伝えた。「えっ、もうE級なの?早いわね!」と母親が驚いていた。父親は、余裕をみせていたが、内心はわからない。
翌日、母親の手伝いをした後、丸太風呂の底に穴を開けた。ダガーしかなかったので、ハンマーで上から叩いて、時間をかけて何とか開けた。
その後、穴に合わせて、木を削って栓を作った。とりあえず完成だ。アイテムボックスにしまい、明日出発の準備をする事にした。
父親から1ヶ月以内に戻る様にと言われた。それ以上過ぎたら、探しに行くとのこと。念の為、地図を書き写して、父親のマイクに渡しておいた。方位のわかる魔道具を父親から渡された。「これがないと迷子になるぞ!最悪死ぬぞ。」と言われた。翌日、朝食を食べて、出発する事になった。
ノアの森に入ってから、スキル気配察知を使い、出来るだけ魔物との戦闘を避けることにした。とにかくスピード重視だ。夜は、足下が見えなくなるので明るい内しか進めない為である。
基本的には日中は走ったり、歩いたりを繰り返した。疲れたら休憩を入れ、非常食やパンを食べた。時々、方角も確認した。魔物の気配を感じたら、回り道して進んだ。足下が悪いので、1日約20キロメートルが限界だった。無理すると、次の日に疲れが残る。たまに木の実や薬草、倒木があればアイテムボックスにしまった。いざという時に使うためだ。
暗くなったら、結界のテントを用意した。明るいうちに丸太の風呂を出して、生活魔法で湯をはり風呂につかり疲労をとった。あ〜気持ちいい。使い終われば、栓を抜いてお湯を捨てた。テントには、結界があるので、ゆっくり朝まで寝ることが出来た。
徐々に慣れてきて、1日に20キロメートル以上進む日もあった。基本的に道がないので、遠回りして迷って、無駄な時間を過ごした事もあったが……。そんな時、慌てず父親からもらった方位のわかる魔道具で確認して進んだ。道は、覚えられないので、これだけが頼りだ。だって同じ様な景色しか続かないし。
およそ10日ほど経った所で、陸が2つに割れて、崖になっている所まできた。上からのぞくとあり得ないほど高く下には川が流れていた。「落ちたら確実に死ぬな!」と思いつつ、崖の反対側に行く道がないか探した。
しばらく探していると、古い朽ちかけた吊り橋があったので渡る事を検討した。ここで引き返すか、それともリスクをとり橋を渡るか。本当は危険だが、リスクをとる事にした。ちょっと試して、板が抜けるのならやめよう。結果、何とか渡れた。シエルを連れて来なくてよかったかもしれん。
崖を渡り、さらに2日ほど進んだ所で目的地の墓にやっと到着した。正直、かなりきつかった。まじで過酷なので、シエルと来なくて正解だったわ。一体誰が吊り橋を作ったのか?何でこんな森の奥に墓を作ったのか?本当に意味が分からん。ご先祖様は、頭のおかしいただの変わり者の気がしてきたな。
墓の前まできて、かなり汚れていたので、掃除する事にした。生活魔法で湯をかけて、磨いてきれいにした。ここまで来る途中に拾ってきた花を添えた。何の花か知らんが……。目的を達成した。よく見ると、石に何か書いてあったので読んでみた。
「3英雄の1人、ノアここに眠る。」と書いてある。学園で学んだ授業で3英雄の話がそういえばあった。200年前にロマネ王国をスタンピードから救った、当時冒険者だった3人である。その後、叙爵された1人がユング男爵の先祖だった。もう1人は、この人だったのか。村の名前と同じだからこの人が村を作ったのだろう。後でみんなに教えてやろう。
他に何かないか墓の周りをよく探すと、石が動かせて、中に箱に入った光るナイフを見つける事が出来た。手にとり近くで見ると、白金?で出来た様な輝くナイフだった。ありがたく頂戴してから村に戻る事にした。これはラッキーだ。大丈夫だよね?先祖とか言ってたし。若干の後ろめたさと欲望の狭間で揺れたが、欲望にまけて借りる事にした。死ぬまでに必ず返します。
帰り道は、吊り橋が怖かったが、それ以外は風呂に入りながらのんびり戻ることが出来た。足が痛くても、風呂に入りマッサージした。フルチンでも気にせずいられるのが良い。まぁ、冬は寒いので、すぐに服を着るけどね。帰りは15日かかったが、問題なく帰ることが出来た。村に戻り、両親に墓参りに無事行って来た事を報告した。
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