眠りから覚めて
村から帰宅し、ディオロイ城の自室前に着いたシャーロット。家政婦が部屋の扉を開けると、シャーロットが一番最初に部屋の中に入ると、ノースと着替えを持っていた家政婦数名が一番最後に部屋に入る。シャーロットが大きくため息をつきながら椅子に座ると、家政婦が窓を開け、よそ風が部屋の中を巡る
「ちょっと疲れたかしらね」
疲れた顔をするシャーロットに、ノースがにこりと微笑み声をかけるとシャーロットが大きなあくびをした
「疲れました……。ディオロイ城の外は沢山の人々がいるのですね」
「そうよ。あの人達がこの村とこのお城を守ってくれているのよ」
二人が会話をしながら、そよ風が入る窓から街を見る。さっきまでお祭りのように騒がしかった村が少し静かになり、いつも聞こえる人々の話し声や遠くで子供達が走る様子が見えた
「それは魔術で守ってくれているのですか?」
「そうよ。守ってくれているし、私達も守らないといけない、大切な人達よ」
ノースが村の方を見ながら言うと、そよ風でシャーロットの髪が揺れた。暖かい日差しで、またアクビをすると、着替えの準備を終えた家政婦がシャーロットを呼んだ。ベッドの側で、テキパキとシャーロットの来ていた服を脱がし、部屋着に着替えはじめる。家政婦達のおかげですぐに着替えを終えると、目を擦り、あくびをした
「あらあら。おやつの時間まで休む?」
眠そうなシャーロットに、ノースが問いかけると、それに答えるように虚ろな目をして、うんと頷く
「では、ちゃんと休めるように出ましょうか」
ノースが家政婦達に声をかける。急いで着替えた服をたたみ、部屋の入り口の方に移動し、ノースが部屋から出やすいように扉を開けた
「おやすみ、シャーロット。また後でね」
「はい。また後で」
シャーロットが返事をすると、ゆっくりと部屋の扉が閉まる。廊下から聞こえる足音や話し声が遠くなると部屋の窓から少し顔を出し、空を見上げた
「ちゃんと呼べたかなぁ……。ちゃんと会えていると良いけれど」
そう呟きながら雲の流れを見ていると、ウトウトとしはじめて、ベッドに向かい、ふかふかな布団の中に入ると、すぐ深い眠りについた
「シャロ、魔力を奪うのは出来ない?」
一方その頃、どうにか村から大分離れた場所まで移動していた家に戻り、ソファーで横になり休んでいたシャロを見つけたリリーが心配そうに声をかけていた。お腹の上でシャロの顔を覗くリリーを退かし、何度か深く深呼吸をして、ゆっくりと体を起こす
「リリーのは無理かな。奪うのにしても、他の人のを探そう」
「他の人、いるの?」
「いないかな。魔力を奪うのはなるべく似た人が楽だし、そもそも今は奪うほどの魔力がないよ」
そうリリーに言うと、ソファーから立ち上がり、キッチンの方へと壁伝いに歩いていく。リリーもシャロの隣について、一緒にキッチンに向かう。テーブルに置いていた飲み物を取り一口飲んで、シャロの右肩に乗り、じっと顔を見つめるリリーと目線が合うように顔を横に向けた
「リリーは、しばらくあのお姫様と一緒に居て、ご飯でも食べてて」
「シャロは?」
「また別の世界かどこかで魔力を探していくるよ」
「シャロ、一人で行けるの?一緒に行くよ」
リリーを肩に乗せたままキッチンからリビングに戻り、またソファーに座り、置きっぱなしにしていたメアリの魔術書を手に取り、ページを開いて、シャロの太ももに座るリリーの頭を撫でた
「心配しなくても大丈夫。ちゃんと美味しいおやつを持ってくるから待っていて」




