それぞれのハロウィーン(大遅刻)
遅れてネタを思いつく女。それが桜月(笑)
10月31日。ハロウィーン当日。
case1 真桜さんの場合。
「と、トリックおあトリート?」
「……」
黒猫耳、黒しっぽ装備の真桜がドアからひょこりとのぞいている。旦那ならどうする?
「……しぃちゃん?」
「…………」
「え? ちょ、しぃちゃん!?」
答え。
お菓子がないのでがっつりイタズラされました。
真桜が。なんか違う!! とか叫んでも後の祭りである。主にしぃちゃんにしか旨味のないイベントであることに真桜さんが気づくのは翌昼すぎのベットの中(笑)
case2 有栖さんの場合。
「パパ! トリックオアトリート!」
「はい、どうぞ」
「ありがとう!」
うんうん、微笑ましいねぇ。
「このちゃん! 晴さん! トリックオアトリート!」
「はい、有栖さん」
「ドレスかわいいね」
「ありがとう!」
満面の笑顔に満足そうな大人達。いやいや、お菓子もらってる方も身体は大人ですよ? だが仕方ないんである。彼らには有栖さんは子供にしか見えないんである。たとえ本人がブルーのドレスを来た身長160せんち越え(好実さんを軽く越える)の美少女だろうとも。
ちなみに、そのドレスは棗パパによるネットレンタル。なので有栖さんもお姫さまは寝るまで。魔法遣いは特別な夜にしか来てくれない、と子供的勘違いで納得。シンデレラも大変だねー、と変なとこに進みつつあるが、まだ普通。普通?
case3 好実さん。
「と。とととと」
「うん? 落ち着いて」
「はい! と、トリックオアトリートです!」
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます!」
ガサガサと中を開けてポカン。すぐさま覚醒。
「指輪はハロウィーンじゃありません!!」
「だって、誕生日とかなんのイベントもないし。でも早く俺のだって周りには知らしめたいし」
「独占欲です!!」
「あたりまえでしょ」
「むぎゃーー!!」
頑張れ好実さん。外堀は確実に埋まって積み上がっているぞ。合掌。
case4 六花さんの場合。
「トリッ」
「Trick or Treat?」
「なんつぅ流暢な発音か!」
しかも、もらうつもりだったのでお菓子を用意してない六花さん。じりじりと壁際に追い込まれる。しかも、仮装は魔女。やっつけられるのはお約束てなもので。
「ま、えーせんぱ、あー楓くん?」
「お菓子くれないの、六花?」
「(ひいぃぃぃ)」
楓くんに勝てるわけないのである。諦めは早い方が被害は少ないことに、六花さんが気づくのはいつか。無理だな。いつか勝ってやるとか思ってそうだ。越えなきゃならない壁は天より高いぞ六花さん。
case5 ちなさんの場合。
「トリックオアトリート?」
「はい」
「トリックオアトリート!」
「どうぞ」
「トリックオアトリート」
「ほら」
「……」
ちなさんと不憫くんのここ数年の攻防の結果、不憫くんは進化
していた! 面白くないのはちなさんである。負けず嫌いである。頑張った。頑張ったよ、ちなさん。
「………………」
不憫くんのお菓子が尽きた。
ニヤリ。
「トリックオアトリート?」
不憫くんの幸せな不憫は続く。夜は長いぞ、頑張れ。
こんな感じに彼らは過ごしてます。




