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平原にて

 

 

 いつの間にか手放していた意識が戻ってくると、ぼやけた視界は鮮やかな色で構成されていた。

 蒼穹と、平原。そして異端を放つ一枚の全身鏡。



「……あー、もしかしてスクリーンコア着けたまま寝ちまったからゲーム世界で目覚めちまったっつうことか?」



 なんてアホな話なのか、しかし一面に広がる緑の大地は現実から逸脱している。


 少なくとも国内にこんな豊かな場所はない、と思われる。北海道とかにはあるかも。


 それに眼前の鏡に映る自分は、全身が黒くぼやけている。



「察するにこれは……最初のアバター設定だな!」



 鏡に触れると、髪型がくっきりと浮かびあがる。黒くて短い髪だ。指で引っ張ると髪が伸びたり、タップで色が変わったりと感覚的な操作でアバターを決めれるようだ。これは斬新で面白い!


 他のゲームではアバター設定で二時間かけたこともある俺としては、じっくり進めたいところだが、生憎このゲームは誰が最初に魔王を倒すか競う、言ってしまえば超規模PvPというわけだ。のんびりしちゃいられない。


 こだわりとしては、黒髪に青い瞳、中肉中背で服装は白い襟シャツ、黒いスラックス。余計な装飾はつけず、シンプルでスマートなデザインだ。


 鏡に映る自分の姿がはっきりとしたところで、立体スクリーンを表示する。これはスクリーンコアに共通して存在するもので、アシストスクリーンと呼ぶ。要はフルダイブだとコントローラーの決定ボタンだとかエンターキーとかもないし、会話も耳でとらえる必要があるから、会話ログ見るのとか、選択肢を選ぶ時とかに使えるやつだ。


 念じることで表示できる訳だが、要は意識の問題なのでスムーズに出すには微妙にコツが必要だったりする。逆もまた然りで、ちょっと頭に過っただけで勝手に出てきてしまう場合もあるとか。そこも一応感度設定はできるらしいので自分の脳にあったものを選ぶといいわけだ。


 人によってはスクリーン表示をする際の超簡易的なプリショットルーティンなどがあるらしい。例えば目をぐっと閉じるとか、こめかみに指を添えるとか。俺としては気合いが大事だと思っている。



『アバター設定を終了しますか?』



 立体スクリーンに表示された『はい』を指で押すと同時に鏡が消えた。

 

 さて、ようやく自由に動けそうだが、前評価通り自由度高そうだなこのゲーム。


 見渡す限りの草原。薄っすらと山岳も見えるし、鳥も飛んでいる。


 空気も澄んでいる気がしてきた。



「……ん?」



 試しに一歩、足を踏み出すと、可愛らしく短い忠告音みたいなものが頭に響いた。



『ステータスの振り分け行ってください』



 ほう。どうやら初期設定の類を全て完了させないと歩くたびに忠告されるようだ。いや、アバター設定終えたら流れでステータス設定いけよ。微妙に不親切だな。



『ステータスの説明』



 『力』は腕力や、押す、引く、握るといった動作を強化するものです。


『耐久』は物理的な衝撃、魔法による属性への耐性を強化するものです。


『技術』は器用さや、身のこなしなど、身体を想像通りに動かしやすくなります。


『敏捷』は移動速度や動体視力が強化されます。


『魔力』は魔法を使う際に消費する魔力の最大値の強化と、属性攻撃の威力を強化するものです。



 最初に保有している30ポイントから、ステータスを好きに振り分けてください……か。


 HPの概念は無さそうだな。まあ、こういったゲームは基本バランスタイプより何かに特化してるほうが強かったりするし、敏捷寄りで振ってみるか。



 『力3 耐久3 技術5 敏捷15 魔力4』



 こんなもんか? とりあえず説明みた感じ、身体を想像通りに動かしやすくなる技術はちょっとワクワクしたのと、魔法もせっかくなら使いたいし魔力に振りつつ、やはりこの広大なフィールドを効率よく移動するなら敏捷特化に限るだろ。

 

 なんせ一面のクソミドリ。敏捷1とかじゃ最初の街に着いた頃には日が暮れそうだぜ。


 どれひとつ、走ってみようかな? 脚に力をこめると、再び忠告音。



『魔法をひとつ拾得してください』


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