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メイドの能力




 

 「メア!?」





  いきなり浮き上がって

 身動きの取れなくなったメアを見て

 ファムの足が止まる



  その様子を見て鎌を構え直したソフィーが

 ファムに向かって斬りかかってくる



 「させません!」



  するとファムの後ろから

 シェリーが飛び出してファムを抱えて飛び退く


  さっきまでファムのいた場所に

 ソフィーの鎌が深々と突き刺さった



 「チッ!」



  鎌を引き抜いたソフィーは

 舌打ちして不満げに二人を見る



 「ファム様

  ここから逃げてください」



  シェリーはファムを床に降ろすと

 身を低くして構える



 「なにしてるの!シェリーも早く逃げて!!

  やられちゃうよ!!!」



  空中で身動きが取れないメアは

 必死にシェリーに向かって叫ぶ



 「あっさりやられたあなたが

  なに言ってるんですか」


  メアの忠告に耳を貸さずにシェリーは言う


 「出雲様、ファム様をお願いします・・・

  私が少しでも長く時間を稼いでいる間に

  早く逃げて下さい屋敷の周りの森に

  逃げ込むことができればなんとかなります」


 「でも・・・」


 「大丈夫ですよ京子様・・・

  私だってちゃんと戦えます」


  自分の心配をしてくれて嬉しいのか

 京子に優しく笑いかけると

 ソフィーと名乗った騎士に向き直る


  するといきなり

 シェリーの足下から勢いよく氷柱が飛び出し

 みるみるうちに屋敷の床が凍っていく


  その氷は床を伝ってソフィーに

 向かって迫っていった



 「寒い!?」



  ソフィーは体を震わせると

 後ろに下がって冷気から逃げる


 「すいませんがあなたをファム様に

  近づけさせるわけにはいきません」


 「へぇ、さすが魔族ね・・・

  そっちがその気なら

  こっちも本気を出すわよ!」


  すると突然ソフィーが鎌を床に叩きつける


  その衝撃で床にヒビがはいり

 床の瓦礫がメアと同じような

 紫色の光をまとって浮き上がる


  そして浮かび上がった瓦礫に向かって

 持っている巨大な鎌を野球のバットのように

 振りかぶり思いっきりスイングした


  鎌を叩きつけられた瓦礫は

 シェリーの氷柱を砕きながら

 凄まじいスピードで飛んでいく



 「なっ!?」


 

  シェリーはその威力に驚き

 大きく横に飛んで避ける


  飛んできた瓦礫は

 ソフィーがさっきまでいた床にめり込み

 床に大きな穴をあけた


  すると体勢を崩したシェリーに向かって

 ソフィーが鎌を振り上げながら急接近する

 


 「雑魚は引っ込んでなさい!!」



  近づいた勢いのまま

 シェリーはメアの脇腹に

 鎌を思い切り叩きつける





  ドガァァァッッッ!!!!!





 「がはっっっ!!!」



  人の体から出る音とは思えないほど

 重い音が聞こえたかと思うと

 シェリーは軽々と壁際まで吹き飛び

 壁にめり込み意識を失ってしまった



 「シェリー!!」



  吹き飛んだシェリーに

 浮かんでいるメアが呼びかける



 「シェリー!!しっかりして!!!」



  壁にめり込んでしまったシェリーを見て

 メアの目から涙が流れる 



 「さてと、やっと本命と戦えるわね」



  少し乱れた息を整えて

 ソフィーがこちらに歩いてくる


  今まで暮らしてきた中で見たことのない

 本物の殺気を向けられて


  ついさっきまで一緒に

 笑っていたソフィーが血を吐いて

 吹き飛んでいったのを見て



  俺と京子は震えて動けなかった



  隣にいるファムも歯を食いしばって

 迫ってくる騎士を睨む



 「おとなしく、私に殺されてくれる?」



 「なんで!どうしてこんな事をするの!!

  私達が何をしたっていうの!?」



  ファムの叫びを聞いて

 ソフィーが歩みを止めた



 「何をしたかですって?

  本気で言ってるの?」



  突然ソフィーの雰囲気が変わった


  今までの飄々とした雰囲気から

 一転して全身から

 怒りをほとばしらせてこちらを睨んでいる



  俺と京子は恐怖で体の震えがさらに大きくなる



  ソフィーはその雰囲気のまま

 鎌を構えてこちらに進んでくる



 「本気で言ってるなら

  思いださせてあげるわ」





  俺は迫りくる恐怖の元凶に対して


    




  死を覚悟した


    


  だが・・・・・・




 

  ギチ    ギチ

     ギチ       ギチ




  バチィィィーーーーー!!!!!



 

  その時何かが破裂するような音が

 屋敷内に響き渡る


  急に聞こえた破裂音に思わず

 音の出所に目を向けると


  空中に浮かんでいたはずの

 メアの姿が無くなっている


  そして真下の床からは土煙が上がっていて

 その中からメアの声が聞こえてきた







 「これ以上、勝手な真似はさせないよ・・・


      よくも私の友達に乱暴してくれたね」






  土煙の中からメアが出てくる






      「ぐっちゃぐちゃにしてやる」







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