憧れのボウリング・ガールのオーディションに応募するわ!
「ねえ、これ応募してみない?」
ある日、大学のキャンパスを歩いていると、美歩が一枚のチラシを私に見せてきた。
「伝説の番組、復活?」
「そうよ。あのスペシャル・ボウリングが特番で復活するのよ」
スペシャル・ボウリングとは、私たちが子供の頃にやっていた人気テレビ番組。
スターが集まってボウリング対決をするというものだ。
私も好きで毎週見ていた。
「それだけじゃなくて、チラシを読んでみて」
そこには、単に番組が復活するというだけでなく、ボウリング・ガール若干名募集と書いてあった。
ボウリング・ガールとは、スペシャル・ボウリングには欠かせない、チアリーダーの女性のこと。
私の子供の頃の夢は、ボウリング・ガールになることだったのだ。
「二人で応募してみない?」
「え、じゃあ私たち、ボウリング・ガールになれるの?」
「オーディションに受かったらね」
「受かるかなあ」
「里奈と私なら、楽勝だわ」
「わ、美歩ったら自信ありあり」
「だって私たち魅力的だもんね」
「ウフフ」
私たちはしばらく二人でウフフと笑い合った。
でも、大丈夫かなあ?
ボウリング・ガールになりたいっていう女の子はいっぱいいるだろうし。
きっと応募者が多いんだろうなあ。
そんなことを思いながら、当日、私は美歩と二人でテレビ局へ向かったの。
オーディション会場に着くと、そこは既に熱気がムンムンしていた。
うわあ、かわいい女の子がいっぱい。
この子たち、みんなライバルなんだ。
やる気に満ちていて、強力そうだなあ。
面接の順番を待っていたら、緊張感が高まってきた。
「うー、私、自信無くなってきちゃった」
思わずそんな弱音を吐いたら、美歩が励ましてくれた。
「そんなんじゃダメよ、里奈。もっと自信を持たなきゃね」
「だってみんな素敵なんだもん」
「何言ってるの、私たちが一番素敵だわ」
「そうかなあ」
「いいこと、里奈?」
美歩は両手を私のほっぺたに当てて、まっすぐ目を見て言った。
「ボウリング・ガールになるのはあなたの夢だったんでしょ」
「うん」
「あなたは今、夢の扉を開ける一歩手前まで来てるのよ。あとは自分の手でその扉を開けなきゃね」
美歩のまっすぐな目を見ていると、スーッと心が落ち着いてきた。
ありがとう。私、頑張ってみる!
「次、57番と58番の方、お願いします!」
私たちの番号が呼ばれた。
「よし、行くわよ!」
「うん!」
私は精一杯、面接を頑張ったんだ。




