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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第五章 鎖の街 カラン軍事学校編
92/146

92話 開校


 いよいよ開校の日となった。

 

 軍事学校はもちろん完成した。カラン湾口の要塞、『鎖要塞』とあわせ、大規模な防衛施設でもある。これほど堅牢な軍事学校はここしかないだろう。

 

 生徒たちを訓練場に集め、僕は演説した。

 

「皆さん、来てくださりありがとうございます! ファーランドのため、そしてこの世界のために立派な指揮官となってください! 僕も全力でサポートします!」

 僕はそう言った。

 

「諸君、ようこそ軍事学校へ。固い事は言わねえが、裏切りと見張り中の居眠り、敵前逃亡はご法度だぜ。気を引き締めて頑張るように!」

 シギスはそう言った。

 

 クラスが分けられた。クラスは、そこはかとなく実力で分けられている。僕は一組担当だ。もちろん、とりわけ優れたメンバーを集めてある。様々な分け方を考えたが、とにかく今は役に立つメンバーを選抜しておきたい。

 

 一組の教室にメンバーが集合した。改めてみると、吸血鬼や悪魔、ゴブリンやダークエルフと、凄いメンバーだ。

 

「おはようございます。初めまして、フェイ学長」

 そう言ったのは、ゴブリンの少女、ユリアナちゃんだ。確かにゴブリンのようだが、着飾っている上に眼鏡までかけているので、とても頭が良さそうだ。

「おはよう、ユリアナ」

 僕はそう挨拶した。

 

「おいせんせー、早く授業やってくれよー」

 そんな事を言うのは、珍しい(いやほんとに)人間の男の子、イクセル君だ。実際問題、このクラスに人間は二人しかいない。いずれも男性だ。

 

「ごめんごめん。それじゃあ早速、武器を配ろうか」

 僕は持ってきた武器を配った。

 

 鞘付きの短剣。これは最後の武器だ。それに加え、イチイのロングボウと矢30本。そして鋼の長槍、パイクだ。

 

「へえ、なかなかいい弓だな」

 ダークエルフの少年、ヤコポは気に行っていた。ドロテアはやたら彼を悪く言っていたが……。

 

「へえ、良い武器くれるじゃん。ありがと、せんせー!」

 そういうイクセル。気に入ってくれたようだ。

 

「それにしても、この武器。アルパと戦争が始まるという噂は本当なのですか?」

 ヤコポが聞いた。注目が集まる。

 

「それはわからない。ただ、アルパは既に海賊と言う形でこの国と戦争をしているに等しい。将来的には、海賊対策も行いたいぐらいなんだ」

 僕はそう言った。

 

「でもさー、海賊対策となれば、船も必要なんじゃないの?」

 そう聞くのは、彼女もダークエルフの少女、アネタちゃんだ。ヤコポの隣に座っている。


「船があればどうなるというものでもないでしょう。焼かれてしまえばおしまいですよ」

 そう言うのは、蛙人族の少女、オリヴィア。今回、蛙人族は二人居るのだが、どちらも実技試験で恐るべき成績を出した。その実力は期待できるだろう。


「もし海賊と戦うとなれば、もっと強力な武器が必要ではないかな」

 そう言ったのは、悪魔族の男、ムース。彼も実力派だ。

 

「武器に関しては色々考えている。……そう言えば、君たちの中で武器の作成を得意としている者は居るか?」

 僕は聞いた。

 

「多少なら、経験はありますが……」

 不安そうに手を挙げたのは、ノームの男の子、エドウィン君だ。彼はジャムルのノームで、一応把握はしていた。

「わかった。武器の開発も行うから、みんなも協力してくれ。共にこのカランを盛り立てて行こう」

 僕はそう言った。

「はい」「はーい!」

 みんなはそう、応えてくれた。

 


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