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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第五章 鎖の街 カラン軍事学校編
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90話 入学試験・振り返り


 入学試験は終わった。僕達は合格者に合格通知を、不合格者には不合格通知を送った。

 

「ふう……」

 何とか落ち着き、コーヒーを飲んでいた。すると、ヴァンダがやってきた。

「お疲れ様でした。いかがでしたか?」

 そう聞くヴァンダ。

 

「いや、何と言うか、刺激的な試験だったよ。集まった種族が多いからね」

 僕は言った。

「そうですね。まるでお祭りみたいでしたね」

 ヴァンダはそう言った。イマイチ表情が掴めないが、楽しかったのだろうか。

 

「さて、振り返りと行こうでは無いか」

 そう言って、シルヴィアさんがやってきた。アーダちゃんとブランカ師匠もだ。ドロテアとアドリアンさんもやってきた。

 

「結構色んな連中が居たね。それでさ、結局誰が一位だったわけ?」

 そう聞くドロテア。

「ん、まあそれは文句なしに、エルメという子だな」

 僕は言った。

 

 筆記試験91点。実技99点。これに魔術、飛行で20点を加点し、210点。そもそも200点を超えたのは彼女一人だし、ぶっちぎりの一位だ。

 

「まあ吸血鬼は能力が高いからな。当然だと言えるだろう」

 シルヴィアさんは胸を張った。

「ん? しかし吸血鬼は太陽に弱いのではなかったか?」

 そう聞くドロテア。

「太陽避けのローブを着ていたのだろう。貴重だが、そういうものもある」

 シルヴィアさんはそう言った。

 

 確かにエルメは、黒いローブを来ていたようだ。顔も良く解らなかった。とはいえ、実力は確かだろう。

 

「他にはどんな者が居た?」

 そう聞くブランカ。

「2位はゴブリンのユリアナさんですね」

 僕は言った。

 

「ゴブリン? 本当か? 考えられないが……」

 驚くアドリアンさん。

「だよねえ。ゴブリンなんだよね? 常識的に考えて、高得点が出せるとは思えないんだけど……」

 そういうドロテア。

 

「まあ僕もゴブリンが2位と言うのは意外だったけどね。筆記試験は100点満点、実技も70点で、魔術も使えるみたいだし、文句なしの2位だね」

 僕は言った。

「ゴブリンを侮るものではないぞ。稀にだが、とても頭のいい奴や、力の強い奴が生まれることはあるのだ。数が多いしな」

 シルヴィアさんはそう言った。

「ユリアナさんなら聞いたことはありますよ。天才的なゴブリンだとか」

 アーダちゃんはそう言った。

 

「それで三位は?」

 ヴァンダが聞いた。

「三位はヤコポというダークエルフの男だね」

 僕は言った。筆記80点、実技86点に魔力加点10が付いた。

 

「げっ……、あいつか……」

 ドロテアがそんな反応をした。

「知っているのか?」

 そう聞くアドリアンさん。

 

「そりゃ知ってるよ。ヤコポって言えば、そこいらじゅうの女の子に声をかけまくる変態男だしね。あー、今からでも不合格にできない? フェイ」

 無茶を言うドロテア。

「冗談じゃないよ。素晴らしい逸材だしね。多少の素行の悪さは気にしないさ」

 僕は言った。

 

「ちなみに人間の合格者はいないのか?」

 ブランカ師匠が聞いた。

「もちろんいますけど、大分下位になってしまいますね。異種族ばかりですよ」

 僕は言った。

「そうか。アルパの連中が聞いたら卒倒しそうだな」

 師匠はそう言って微笑んでいた。

 


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