表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不遇の錬金術師  作者: 秀一
第三章 海の国 ファーランド共和国編
45/146

45話 深窓の令嬢(前編)


 ファーランド城は、ちょっとしたお祭り騒ぎになった。

 

 と言うのも、海の魚を焼いたからだ。ドロテアの魔法もあって、ファーランド城の前は魚にあふれていた。それを捕獲したのだ。

 

「うめえ! うめえぞ!」

「湖の魚やコーネルディップも良いけど、やっぱ海の魚は最高だな!」

「これで酒がありゃ文句ねえんだがなあ」


 お酒は持ってきていない。任務中だしね……。本当はちょっと悩んだのだが、酔って城が陥落したら大変だから仕方ない。

 

「皆様、よくぞいらっしゃいました」

 見ると、すごい美女が現れた。見たこともないほどの美しさだ。ブロンドの長髪に黒い瞳。宝石で飾り、贅を凝らしたドレスを着ている。

 

 静まる会場。みんな見とれている。

 

「バレンティナ様。このような所においでとは」

 レフさんが言った。

「私もここで守られているだけではつまらないですわ。せめて、皆さまを応援したいと思いまして……」

 バレンティナと言う女性は、そう言った。

 

「レフさん、この方は?」

 僕は聞いた。

「バレンティナ嬢は、この城の姫様ということになるかな。しかし生まれつき病弱で、この城から出ることはかなわんのだ」

 レフさんはそう言った。

 

 確かに、美しいとは言っても儚い美しさと言う感じで、健康とは無縁そうだ。弱弱しい体つきをしている。無理をしてここに来ているのだろう。

 

「お嬢様、部屋にお戻りください」

 メイドの女性が走ってきてそう言った。

「もう少し、良いではないですか」

 バレンティナはそう言った。

「いけませんわ。お体に障ります」

 メイドさんはそう言った。

 

「ちなみにどのような病気です?」

 僕は聞いた。

「ワシも詳しくはない。おそらく、君が治せる類では無かろう」

 そういうレフさん。

 

 確かに、錬金術師は医者ではない。この豊かな国の主城で治せないのだから、僕にはちょっと難しいのだろう。

 

 結局、バレンティナさんは部屋に戻って行った。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ