隣国騒動編4
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神々の聖域ではある暴動が起きていた。在中の神々が暴れる諏訪神を取り押さえる為にピラミッド状態になっていた。
「放せ!!藍のもとに行くのだ!!」
「ダメですってば!!今の諏訪神様が行かれても《ヴィオリウムステラ》に殺されますよ!!」
「《ヴィオリウムステラ》は女性の味方です!!諏訪神様が行かれても八つ当たりを受けます!!」
「放せー!!!」
《ユウラスティア》が入った時に山積みになってる野郎共が居て扉を閉めてしまった。
「ちょっ、ちょっ!!《ユウラスティア》!!帰らないで!!帰らないで!!お願いだから!!諏訪神様をどうにかして!!」
「お前らが取り押さえていれば大丈夫だ!!俺は帰る!!」
踵を返そうとする《ユウラスティア》を《ヴィオレッタ》が止めた。
「ここで諏訪神様を説得することができればヴィオに誉めてもらえるかも知れませんよ!!」
「………」
「ヴィオに誉められてキスを貰えるかもしれませんよ」
「………」
「ヴィオから抱き締めてくれるかもしれませんよ」
「………」
「ヴィオが愛をささやいてくれるかもしれませんよ」
「諏訪神!!安心しろ、藍はヴィオの所にいる。ちょっとした旅行だ。女同士で遊びたいだけだ。遊び疲れたら帰ってくるさ」
「………本当か?」
「もちろんだ」
「……………わかった」
扱いやすい野郎共である。今までの苦労はなんだったんだ、と脱力する神々。《ヴィオレッタ》は密命を果たせた事に笑う。それが誰からの密命だったかは言うまでもない。
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城下に下りたサリシェは一人目的もなく歩く。街並みや行き交う人々を観察する。昔に比べ人々は豊かになり活気に溢れている。それをサリシェは良い方向に向かっていると内心嬉しくしていた。