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『学園のトップ3美女がバ先で全員俺の部下 ~君たち高嶺の花なんだから、平凡男子に甘えるのはやめましょう』  作者: 波瀾 紡


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【☆<√R>第69話:ちゃんと気持ちを伝える】

 ズズズ……

 緊張のせいであまりに喉が渇いていた。


 言わなきゃ。浜風さんが好きだって言わなきゃ。


「あのっ……」


 彼女の顔を見た。

 ブロンド色の髪。ハーフの彫りの深い美人がきょとんとしている。可愛い。

 こんなに可愛い人が俺のことを好きだなんて、やっぱり未だに信じられない。


 こんなに可愛くて、明るくて優しくて。

 さぞかしモテるだろう。なのに俺を好きでいてくれるなんて……


 ──と、ここまで考えて、ふと気になった。

 浜風さんって、今まで何人と付き合ったんだろう。


 クラスでも男子とも仲いいし、喋り慣れてるって言うか、距離感近いよな。

 これはやっぱり、一人じゃなくて今まで何人かの男と付き合ったことがあるんじゃないか。


 ああ、しまった。そんなこと考えるんじゃなかった。なんかモヤる。

 いや、気にすんな。過去のことなんて気にしたら負けだ。


「えっと……」

「ねえ雄飛君。もしかしたら、告白なんてしない方が良かったかな?」

「え?」

「だってなんだか苦しそうなんだもん。ホントは付き合いたくないけど、仕方なくあたしを選んでくれたのかなぁって」


 ……あ。しまった。

 俺が戸惑ってばかりで、ちゃんと気持ちを伝えられていないから──

 せっかく二人で会ってるのに、全然楽しそうな態度をしていないから──


 浜風さんを不安にさせてしまった。俺ってホントにダメなやつだ。


「そんなことない。そんなことないんだよ。俺はちゃんと考えて浜風さんを選んだし、君から好きだって言ってもらえて嬉しい。それは間違いない」

「そっか」


 彼女は少し表情を和らげた。良かった。


「でも俺、女の子と付き合うなんて初めてだから。女の子から好きだなんて言ってもらうの初めてだから。だからめちゃくちゃ緊張して、どうしていいかわからないんだ。不安にさせてごめん」


 頭を下げた。大切な彼女を不安にさせたと思ったら、自然と頭を下げていた。


「ああ、そうだったんだね。あたしの方こそごめん。酷いこと言っちゃった。あたしもさ、付き合うなんて初めてだから、実はすごく緊張してるんだよねぇ」

「……え?」

「どしたの? その意外なモノを見るような目は」

「いや、意外だ。浜風さんほどのモテ女子が、男子と付き合うのが初めてだなんて」


 なんかすごくホッとした自分がいる。

 ああ、俺ってちっちゃい人間かな。

 でも嬉しいという気持ちは取り消せない。


「う〜ん、そうなんだよねぇ。今までは男子と仲良くなっても、恋愛感情にはならなかったんだよ。足立君らもそうだけど、友達としては好きだし一緒にいて楽しいけど、なぜか恋愛って感じじゃなかった」


 と言って小首を傾げる浜風さん。可愛い。


「だけどね。今回初めて好きになった」

「なぜなの?」


 特にイケメンでもなく、面白いヤツってわけでもないのに。なぜ俺を好きになってくれたんだ?


「それはね!」


 浜風さんはウインクして、右手をグッとサムズアップした。


「自分でもわからない!」

「なんだそりゃっ!」


 自信たっぷりに言うことかよ。

 ずっこけた。

 いやホント、浜風さんって面白い。


「よくわからないけどさ。雄飛君が素敵な人だってことは間違いないよ」

「ちょっ、まっ……」


 待って、という言葉すら出ないくらい、褒めパンチを受けて気絶しそうだ。もちろん嬉しくて。


「まあ言っちゃうと、私の恋のスイッチを雄飛君が押しちゃったんだね」

「……」


 目尻を下げ、嬉しそうに顔をほころばせた。

 可愛い。顔も表情も言葉の表現も。


「あ、雄飛君待って! 今のなし! 名言みたいなことを言おうとして、恥ずすぎること言っちゃった!」

「ん、そっか」

「んもうっ、ニヤニヤしないでよぉ、恥ずかしいからっ!! 今のセリフ忘れて!」

「そんなこと言われても、一度聞いちゃったセリフは簡単には忘れられないよ」


 って言うか、あんなに嬉しいセリフを忘れたくない。


「ええ~っ……雄飛君の意地悪!」

「意地悪なんかじゃないよ。だってこんなに嬉しい言葉、死ぬまで忘れたくない」

「ふぁっ……」


 浜風さんが急に両手で顔を覆った。指の合間から見える頬が赤く染まっている。


「どうしたの?」

「んもう、雄飛君ったらズルい」


 指の間から覗いた眼で、俺を睨んでる。


「なにが?」

「だって……もっと好きになっちゃうことを、さらっと言うんだもん」


 な、なんてことを言うんだよ?

 彼女が可愛すぎて、俺の方こそ「ふぁっ……」って声が出かけた。


 いや、動揺しておたおたしてる場合じゃない。

 浜風さんがここまで俺のことを好きだって言ってくれてるのに、俺の方はまだちゃんと気持ちを伝えれていない。


 こういう雰囲気になっている今がチャンスだ。よしっ、好きだってことをちゃんと伝えよう。


「あのさ浜風さん。ちょっと聞いてくれるかな」

「うん。なに?」

「俺は、浜風さんのことが好きだ」

「……へ?」


 あまりにするっと言えてしまって、自分でもびっくりした!

 言われた方も何が起きたのかって顔で固まってる。


「あ、ごめん唐突に」

「えっと、雄飛君?」

「はい」

「聞こえなかったからもう一度」

「え?」


 こんなに近くで、しかも二人きりの静かな室内で?

 聞こえなかった? 声が小さかった?


 改めて言うなんて恥ずかしいけど、ちゃんと気持ちを伝えようって決めたんだ。頑張れ俺。


「俺は、浜風さんのことが好きだ」


 浜風さんは俺をじっと見ている。

 静かな空間。ようやく気持ちを伝えることだできてホッとした。


「雄飛君。聞こえなかったから、ワンモアプリーズ!」


 ──いやいやいや、嘘でしょ!? 聞こえてるよね浜風さんっ!?

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