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多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第一章 外交とかつての仲間達

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アメリカでの首脳会談 その四

ここまでの交渉でテイルはアメリカ国内へのフェリアシティ王国亡命政府の設立、アメリカとの軍事同盟締結、マシンアーマノイドエンジニアの獲得、この三つのほぼ満額回答という結果に満足して、


「私としましてはこれまでの交渉でほぼ望む条件の物は獲得出来たのですがジェームズ陛下はどうですか?」


と、ジェームズに尋ねたのである。

この質問にジェームズは、


「…そうですなぁ…、出来る事ならば日本亡命政府首脳部との会談に軍事同盟の締結、さらにNATO諸国首脳部との会談に軍事同盟の締結もしていただければ…より強くフェリアシティ王国を縛れるとは思っているのですがね…」


と、言って悪い顔をしたのであった。

これにテイルは、


「日本との交渉にNATO諸国との交渉、ですか…。…それは私達フェリアシティ王国にNATOに加われと言っていますか?」


と、言ってジェームズに尋ねたのである。

この質問にジェームズは、


「まあ遠回しにそう言っていますね。…それでどうですか?NATOに加わりますかな?」


と、言ってテイルの質問に悪い顔をしたまま答えてテイルにNATOへの加入の意思を尋ねたのであった。

これにテイルは、


(アルシア様は精霊界全体がアメリカだけでなくNATO諸国とも同盟を締結したと言っていたな…。それなら私達も日本やNATO諸国との同盟の締結とNATO加入もした方が良いか…)


と、考えて、


「…わかりました。ジェームズ陛下の言葉通り、日本との交渉とNATO諸国との交渉、そしてNATOへの加入、この三つを次の外交目標に設定しましょう。まずは日本との交渉になりますか?」


と、言ってジェームズの提案を受け入れて三つの外交目標を設定、日本との交渉の開始をジェームズに尋ねたのである。

このテイルの前向きな発言にジェームズは、


「そこまで前向きに検討していただけるのはありがたい。では日本政府には我々から伝えておきましょう」


と、言ってアメリカ政府がフェリアシティ王国と日本政府との橋渡し役になると語ったのであった。

このジェームズの発言にテイルは、


「…と、いう事はこれで今回の首脳会談は終了という事でいいのでしょうか?」


と、ジェームズに尋ねたのである。

これにジェームズも、


「…そうですな。これで第一回アメリカ、フェリアシティ両国首脳会談は終了、という事になりますな。…テイル女王陛下、この度は誠にありがとうございました」


と、答えてテイルに右手を差し出したのであった。

これにテイルも応じて、


「こちらこそ、誠にありがとうございました。ジェームズ・ケネディ皇帝陛下」


と、言って差し出された右手をしっかり掴んで固く握手を交わしたのであった。

こうしてフェリアシティ王国とアメリカ合衆帝国の第一回首脳会談は無事終了したのである。

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