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多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第一章 外交とかつての仲間達

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朝食前と朝食と朝食後

朝食を食べに昨日の夕食会の会場に向かったテイルとアーシアはすでに到着して食べ始めていたアルシアと合流したのであった。


「おはようございます、テイル女王、アーシア」


アルシアと同じテーブルに向かったテイルとアーシアに気付いたアルシアが先に挨拶を行った。

これにテイルとアーシアも、


「おはようございます、アルシア様」


「おはようございます、母上」


と、挨拶を返したのである。

そうして椅子に座ってアルシアと同じテーブルについたテイルとアーシアにアルシアが、


「昨日あの後に外務大臣から今日の午前中にアメリカ皇帝と私との通信会談を行う目処が立ったと報告を受けました。ですから午後には良い報告を出来ると思います」


と、伝えたのである。

この報告にテイルは、


「…物凄くありがたい報告なんですけど、それにしても早いですね…。相当な無理をしたのではないですか?」


と、アルシアに尋ねたのであった。

これにアルシアは、


「…そうでしょうね。外務大臣からは使えるコネは全て使ったと報告を受けましたから…」


と、答えたのである。

この返答にテイルは、


「予想以上に無理をさせてしまったみたいですね…。申し訳ありませんでした…」


と、言って頭を下げたのである。

これにアルシアは、


「気にしないでください。むしろ三年前の事を考えればこのくらいの無理は当然だ、ぐらい感覚でいてくれると嬉しいです」


と、テイルに伝えたのである。

するとこの言葉にテイルは、


「…三年前のあれはあの期間でパンデモニウムまで押し込めなかった私達の…」


と、反論していたのだが、アルシアがその途中で、


「このままでは平行線を辿るだけですからもうやめましょう」


と、言ってテイルの話を阻止したのであった。

そしてアルシアは続けて、


「テイル女王は負けた事を「恥」だと思っているようですが、その負けの原因を作ってしまった我々もフェリアシティ王国に報いたい、そう考えて行動していると理解していただきたい。よろしいでしょうか?」


と、テイルに語りかけたのであった。

この発言でテイルはようやく、


「…わかりました。それではしばらくの間、そのご好意をありがたく受けさせていただこうと思います」


と、言って頭を下げたのであった。

このテイルの言動にアルシアは、


「頭は下げなくて大丈夫ですよ。それに朝食の用意が出来たみたいです。ですから早速いただきましょう」


と、言ってテイルの頭を上げさせ、テーブルに並べられた朝食に手を付けていったのである。

そしてテイルとアーシアもアルシアに続いて朝食を食べ、少し先に食べ終わったアルシアが、


「それでは私は執務室に戻らせていただきます。アメリカ皇帝との会談前に終わらせる事の出来る執務は終わらせておきたいですからね」


と、言って執務室に戻っていったのである。

そうしてその後すぐに食べ終わったテイルとアーシアは、テイルがアーシアに、


「これからどうしよっか?」


と、尋ね、それにアーシアが、


「それなら訓練所に行ってみる?兵達もテイルと訓練出来るってわかったら喜ぶだろうし」


と、提案して、その提案にテイルが、


「訓練所か…そうだね、行ってみよっか?」


と、答えて応じた為、二人揃って訓練所に向かったのであった。

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