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第十七話 四葉の隠れ家

その日は、風が吹いてもなまぬるく、空気が乾いて、近くにある自分でおいた水で潤わさないと我慢ならなかった。

ある一室で、コンは、その小さな体を左右に動かして熱を放出しようとしていた。

だが、あまり動くと兄弟に迷惑がかかる。

このときばかりは、兄弟で決めた寂しいから一緒に寝るという約束がうらめしくおもった。


そんなことを考えているあいだに、コンは、目が覚めてしまった。

カーテンが揺れ動いているのを ぼおっ と見る。青く月で照らされている窓の光が、まだそれほど時間がたっていないことを教えてくれた。

眠たさよりも、暑さが勝ってしまった今、もうねることはムリそうだ。


''廊下は冷たいだろうか''

ふとその名案の浮かんできた。


ベットから抜け出して、コンは、木の扉をすこしあける。少しの恐怖心はあるので、少しあけては頭を出す。開けては頭を出す。

何故かと問われては困るが、三回ほど行えば覚悟も出来てやっと全部の扉を開けた。


まっくらだ。


先程までは月の明かりが部屋を制していたが、もうその助けはここまでは到達しないらしい。手を頼りに歩くしかないか。

そう思ったとき、壁に設置されている感知型灯りが発動した。


いきなりのことに尻もちをつきそうになったがぐっと我慢して灯りのついた廊下をまた一歩を踏み出した。




その時 コンは、玄関を開けようとしていた。今更、家の探検などしたって、知り尽くしているしそんなことをやるなら、外に出た方が楽しそうだとおもったからだ。

隠れてやっている自覚はあるので、キィーッと、鳴った扉にお願いだから静かにしていてと願いながらコンは、扉を開けた。





知っていた。家の前は草原が広がっていることなんて知っていた。

なのに。


「うわぁっ・・・・・!」


自分の口が勝手に動くほど、そこはとても幻想的に見えた。月の明かりが照らされた緑の生き生きさに驚いた。月の明かりに照らされた、青く広がる世界に驚いた。

暑いけれどそんなことは思うまでもなく、すごく幸せな空間がそこに広がっていた。



それは自分だけが知っている大きな大きな秘密基地。コンは、一心不乱にワクワクして草原を走り抜けた。

流石に疲れたのか、少し来たところで腰をおろす。寝転ぼうと思うと、足元に四葉が生えているのに気がついた。

いつもの自分なら何も考えずに四葉をつみとったが何故かそんな気持ちになれなかった。


草花が生きていることを惜しんだからである。


数回、転げ周り満足したところでコンは、家に戻った。




夏になると夜に出かけていくことが習慣になった。夜ふかしにならないように、少しの時間を盗んで。

今日も、コンの足元には四葉が生える。





夜の気候は、その土地ならではです。

深く考えないように✋

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