第一話 困惑
私だってまけるけどなかなかの田舎出身ですよ。
ハンブルーツ海に浮かぶ、シエマ島。
その最北端にトレスタ貴族の家督が家をたてた。
およそ、3年前のことである。
周りの貴族たちはそんな境地に建てるなんて何を考えているんだと、罵ったがとうの本人は、気にする様子もなかったそうだ。
シエマ島。
周りはもちろん海に囲まれ、船が無いとたどり着けない秘境の秘境。
現に、本人も土地探しをしていたときによく見つけられたものだと思っていたぐらいだ。
実は、この島には集落がある。
と、いっても およそ十の数しかない集落でひっそりと暮らしていた。
そんなところに、貴族が家を建てようというのだ。
村長はもちろん、村人も困惑気味に様子を見ていた。
そして、三年後 今。
シエマ島では笑いが絶えることのない幸せな城がたっていた。
つまりのところ、トレスタ貴族の城である。
「引っ越してきました、レイオン・トレスタです」
村人は、三年前 そうトレスタの主人に言われ、戸惑った。
俺の、私の、僕の、知っている貴族と違う!!!
となったわけだ。
「大丈夫ですか?もしかして体のどこか悪いのにわざわざ私のために家から出てくださったのですか。それは悪いことをしました。つまらない物ですが、そばを持ってきました。それでお納めください」
戸惑いすぎて、顔を伏せていただけだが、この貴族には気分が悪いように見えたらしい。
あせあせ、と心配そうに村人を見た。
この村人たちにとって、貴族というのはもっと栄えた都にいて、傲慢にワインを飲んでいる人たちという偏見があった。あながち、間違っていないが。
だからこそ、目の前の貴族が何かを目的にこちらに優しさを見せているものだと思った。
確信、した。
その時。
「気分が悪いかもしれませんが、もう少しお時間をいただけますか?息子や娘を連れてきたのです。ごあいさつだけお願いいたします。」
きた。と村人たちは思った。
貴族であってもやはり、クーデターなど人々の反感は怖いものだと聞いたことがある。
だから、そのご機嫌をとりにきたのだ。
そして息子や娘を見せて、いい父親を見せようとしているのだ。
そう思いながら、村人たちは顔を上げた。
そこにいたのは、数十人の子供。
そして驚いた。
絶対に、その貴族と血がつながっていなかったからだ。
なぜなら、顔の雰囲気が全然違ったからだ。
系統の違う顔に、色素。そして耳が生えている、亜人さえいた。
村人たちはやはり、困惑を隠せなかった。
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