カメ蔵はあの子とのろのろ歩く
一匹のカメ――カメ蔵は湿地の上をのろのろと歩いていました。
ゆったりとしたスピードで歩いていると、斜め後ろからいきなりメスのカメが現れ、驚いたカメ蔵は思わず甲羅に閉じこもってしまいました。
すぐにカメ蔵は甲羅から出ましたが、恥ずかしさのあまり顔を赤らめてしまいます。
そんなカメ蔵の反応にあの子はクスリと笑いながら、驚かせたことを謝ってきました。カメ蔵はあの子を許しました。恥ずかしくて、すぐにその場を立ち去りたかったからです。
それがきっかけでカメ蔵はあの子と会話を交わすようになりました。最初は他愛のない会話でしたが、徐々にプライベートなことも話すようになったのです。
交流するうちにカメ蔵はあの子に惹かれていきました。会うたびに、あの子への思いは強くなっていきます。
カメ蔵はのろのろと歩きながら、チラリとあの子に視線を向けました。それに気付いたあの子はカメ蔵を見つめ返します。
カメ蔵とあの子はしばらく見つめ合った後、キスをしたのでした。
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