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ファリア、母の事を知りたい

「何あの女!ちょっと可愛いからって!」


ファリアにはキャシーが可愛く見えたらしい。

まぁ、俺の感覚の方がおかしい可能性もあるけどな。


「ははは、あの女が可愛く見えるか」


俺にも可愛く見えていたら世界も変わっていたかもしれないが、世の中無理なものは無理だ。仮に外見が可愛かったとしてもあの性格は無理だ。


今回もしっかり怒らせてしまった。

さっさと俺から興味を無くしてくれればいいのに。


「ルトには可愛く見えないの?」


「努力は認めるが俺は化粧が濃すぎる女の子は好みじゃないかな。あと性格が悪いだろ」


とにかく心が疲れた。

ファリアをぎゅーっと抱き締めて癒される。


「確かに。ルトはメイクは嫌い?」


「いや、嫌いじゃないが限度がある」


例えばファリアもちょっと紅でも引けば大人っぽくなるだろーなーとか考えながらファリアの頭を撫で撫でする。


「それならさっきのルトの態度も結構人をイラっとさせる限度を超えてたよ」


割りと冷静に返された。

でも正直どうやって返せば正解なのかわからない。


「あの人をほってたら私たちのおうちが無くなりそうで怖い。ちゃんと考えて」


「そうだな…一緒に考えてくれるか?」


「うん」


どうしてもつい煽って怒らせてしまう。

正直賢くないとは理解している。

しかしどうすればいいのか俺には正直お手上げである。


念のため2日ほど宿で様子をみて俺はファリアの転移魔法で箱庭に戻った。


俺は地下室に降りると魔剣を引き行き抜く。


「久しぶり。様子はどうか?」


「戻ったか。報告としては神父が1回どこかに出かけている」


帰りはアリッサに座標を指定した為、世界座標が変わっていることには気付いていない様子だとのことだ。


後は黙々と教会から公園までの通りの草むしりをしていたらしい。


どこに行っていたかは気になるが、箱庭内では特に怪しい行動は無いってことか。


アリッサの方も教会の回りに作った花壇に花の種を植えたり、畑の世話をしたりと特に怪しい行動は無かったらしい。


留守がちな俺たちの畑まで世話をして暮れていた。

さすが聖職者だ。


全員の畑を合わせてもたいした広さではないが、不自由な体で中央広場まで毎日来て、しばらく休んだ後、畑が乾いていたら水を撒いてくれていた。


「公園の木の下で休んでいたら不思議と体調がよくなるので、そのついでに皆さんの畑のお世話をしていただけですよ」


さっそくお礼をいいに言ったら礼には及びませんと言われてしまった。


「ですから皆さんは安心して外で働いて来て下さい」


「外で働くか…」


本音を言えば正直畑仕事に専念していたい。


「ルト様とファリアさんはギルドでクエストを受けているのでしょう?」


確かにクエストを受けてはいるが、ランク上げのために俺がソロでこなせてかつ目立たないレベルで効率も良い素材回収クエストばかり受けている状態だ。


Cランクまで上げるのも急ぎでは無いので開拓の片手間にのんびりあげる気だった。

しかし体が動くなら冒険者として復帰しろとアリッサさんは勧めてくれている。

魔王を倒す力があるのに箱庭でスローライフの隠居生活なんてもったいなさすぎると怒られた。


「じゃあ、俺たちも手伝える日は手伝いますんで、水やりは任せました」


夏はクエストも多いので俺の新ライセンスとファリアのライセンスをCまで上げる事を優先してもいいかもしれない。


次の日。体を馴らす為にも今日はギルドまでの道を歩くことにした。

魔王の墓は通るがファリアがいた村は通らないコースを選ぶ。


念のため俺はターバンで軽く変装している。

ファリアも揃いターバンを巻いているので新品の武器と防具だし男女ペアの新人冒険者といった風情である。


「おっルトさん今日もその格好なんですね」


「まぁ、心機一転って感じで」


顔見知りには意味のない変装だけど気にしない。


そうだ、ちょっと俺の前のパーティのことを調べてもらえますか?


「了解でーす。結果は口頭、紙どちらになさいますか?」


「ねぇルト。冒険者に登録してたらそこで誰でも調べられるの?」


「多分な」


「じゃっ、お母さんも一緒に調べて」


ファリアの母親はC級冒険者のライセンスを使って遠くへ出稼ぎに行って行方不明になったらしい。

仕送りも途切れた為、死んだことにされているのだという。


「じゃあ、それも一緒に紙でお願いします」


「この先の村のアリアさんですね。了解ー」


俺は手数料を払うとしばし結果を待った。


「お待たせしました。確かにこのギルドで登録をしていました。残念ながらお亡くなりになられてますが詳細は確認しますか?」


「…死んでるんだ」


ファリアはその場で大粒の涙だけこぼして泣いた。


詳細を確認すると15年程前に当時組んでたパーティーから離脱、その後10年前にソロ冒険者として復帰、ポーキー村に奉公に出た後クエスト中に死亡との事だった。


最後に受けたクエストは王都のギルドで受注となっており足取りがよくわからないが、これは一昨年前の事なので、王都やポーキー村とやらを調べればもっと何かわかるかもしれない。


「C級までランクアップしたら直接行ってみてもいいかもな」


一般市民が領地間を移動するには複雑な手続きが必要だが、C級以上の冒険者ライセンスがあれば手続きがライセンス証の提示のみとなる。


王都はともかくポーキー村は場所に覚えがないので転移魔法では行けない。

忙しい時期を過ぎたら調べることにしよう。



おまけ

元勇者がいたパーティーの情報はキャシーが聖女になった事を確認できた程度だったよ。

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