照会 ――保留の根拠欄
端末が鳴る。
回付。差出:第壱課。
件名:照会票(保留根拠欄)
対象:暫定保留/継続
期限:規定どおり
参照制限:限定
セレナは画面を開く。
照会票の枠が先に並ぶ。
照会内容。要求事項。回付先。確認欄。
要求事項は一行。
「保留根拠欄の提出」
結果は問われていない。
提出欄だけが点滅している。
セレナは添付を開かない。
先に「回答作成」を押す。
雛形が立ち上がる。
音は小さい。小さい音のまま、欄が増える。増えるほうが先に来る。
最初に三つの区画。
モデル。観測。規定。
順序は固定。矢印は灰色で、入れ替えられない。
モデル欄が先に光る。
入力値。参照優先順位。更新番号。
未定は空欄のまま残る。空欄は欠損扱いにならない。
カーソルが一段ずつ落ちていく。
落ちるたび、表示が切り替わる。切り替わるのは数字とチェックだけだ。
□ 整合条件:成立
□ 係数:適用
□ 出力:生成
生成の印。
理由欄はない。
次に観測欄。
観測ログ(抜粋)。参照範囲指定。
時間。地点。変動幅。回復。
基準値内。
一致。
転記。
短い語が並ぶ。短いほど、余計な説明が入らない。
観測欄の末尾に、保留区分が自動で入る。
暫定保留。継続。解除条件:別紙。
解除条件は未定のまま固定されている。固定のまま回る。
最後に規定欄。
条文番号。運用解釈。適用条件。
保留区分新設の改定番号。
確度維持の適用票への参照。
負荷換算(試験運用)への参照。
待機コード適用記録への参照。
参照だけが増える。増えた参照が根拠になる。
欄の下端に参照制限が出る。
閲覧は限定。複写は記録対象。転送は申請対象。
文末が揃っている。揃ったまま閉じる。
確認欄が点滅する。未押下。
セレナは確認を押す。
押下音はない。ログが一行増える。
回付:済。
提出:提出済。
差戻:なし。
送信ボタンが有効になる。
セレナは押す。
送信済。
表示は淡い。淡いのに、効力は落ちない。
雛形は次の回付でまた立ち上がる。
処理は終わっていない。だが、手続きは進んでいる。




