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記憶と再開の物語  作者: 京風な魚
生の七欠片
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15/20

一つの戦闘

体…刺されてない! 目…見える! 心臓……止まってない! 良し‼︎

死ぬ直前のロードは初めてだったからな、成功して良かった。さて、この先どうするか……


「ねぇ、お兄ちゃん大丈夫? なんかすっごく具合悪そうだけど。」


「ん? あぁ大丈夫だよ、ミツ・リーギュラー。」


「なっっ……お兄さん、なんで僕が分かったんだい?」


「言伝があってな、ついさっきの俺からな!」


 そう言うとヒカルは拳を出す。すかさずミツに殴りかかったが、ダンスを踊るように避けられる。ようやく当たると思われた攻撃も受け流されて、誰がなんと言おうと"不毛"と言うのが相応しい戦いだろう。ミツはあまりの退屈さにあくびをしながら応戦していた。

 その光景にヒカルはイラつきを覚えていた。ついさっきまでは一応考えて拳を振っていたが、今は全身をがむしゃらに動かしていて。よく言えば読めない攻撃、悪く言えば小学生の喧嘩と言った感じだ。


「お兄さん、こんなところで終わり? ははっ、度胸だけは認めてあげるよ。その度胸に免じて、僕の魔術で殺してあげる! 真実濾過(チューナー・リップ)!」


ミツがそう唱えると、工具箱のような物から何かを取り出した。

その何かを薙ぎ払う。

ヒカルの足が千切れる。

ヒカルは唱える。"ロード"と







 右、左、次は後ろ。暗器のナイフには気をつけろ。避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けろ。


「くっそ! なんでだ、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで‼︎ 僕の攻撃が当たらない‼︎」


その声はヒカルには届かない。今のヒカルには常にミツの次の行動がわかっている。それを集中して避ける。


 右、右、上、下。隙は今だ。

ヒカルは全ての力を右腕に集めた。ヒカルの拳は今や、変幻自在に扱えるようになっていた。想像力不足と自分を卑下していた頃とは違う。

 ヒカルの拳は綺麗にミツの急所に当たった。

ミツは吐き気を抑えようとしていたが、無理だ。何万回も実戦経験を積んで、己の拳と向き合い続けたヒカルに、もうミツの勝ち筋はない。


「ハァハァ、ねぇお兄さん。お兄さんってそんなに強かったっけ? 僕の知ってるデータだとそんなに強く無かったと思うんだけど。」


「データだ? いつからそんなん取られてたんだよ。」


「あれ? 気づいてなかったの? なら僕が教えてあげる。

"お兄さんが彼女のパーティになってから世界の均衡は崩れ続けてるんだよ"」


「は? リスタになんの関係があるってんだ。」


「それは言えないな。あと、今日はこれでお別れだ。またね、お兄さん♡」


「テメェ! 待て!」


ミツは目の前からいなくなった

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