20進法
少し頭を整理することにした。
マヤには260日で一年のツォルキン暦というものがある。どういう経緯で作られたのかは諸説あるが、私はトウモロコシの収穫のための暦という事に仮定した。
そして、プロ野球のように試合が終わったら、冬至までなんとなくフジカルに雑務をするようなイメージを作った。
プロ野球の選手がシーズンが終わっても、他の人間は年末まで働くように冬至から翌年の冬至まで、つまり365日を一年とするカレンダーを使う人を考えた。それをハアブ暦とした。
ハアブ暦というのは
1ヶ月=20日
1年=1ヶ月(20日)x18+5=365日
という暦のことである。こちらは冬至にしろ、夏至にしろ、太陽の動きで日数を決めて20で割った数字だろうからそれほど考える事はしなかった。
収穫が終わってから冬至まで3ヶ月を正確に計算する必要があったと考える。で、余った5日は新年の準備の休みという感じで捉える事にした。
マヤ暦は基本、この二つの暦で動いている。
で、この2つの暦は日本の還暦のように52年で一周するんだそうだ。ちなみに還暦は60年である。
それは当時の人間の寿命を考えるとちょうど良かったのかもしれない。
ユダヤ教のヨベルが50年
仏教の弔いあけが50年
不思議と似たところで収めるものだなって思った。
が、これは長期暦ではない。
ここまでは1人の人間の生涯くらいしか測れない。が、社会も進化するともっと長い情報が必要になる。
多分、ピラミッドなんて作るとなると何年にもなる情報が必要になる。
ハアブ暦とツォルキン暦を組み合わせて52年の暦を使ったとしても、うまくゆかない事柄も出て来たんだと思う。
バージョンアップが必要になる。
メモリを増やす場合、単純に倍にるという方が分かりやすい。
短期暦の1単位は20日を13で1年とする。なら
長期暦の1単位は1年を20で1カトゥンという単位を作る。
「ちょっと、また13が出たじゃない。本当に260日を2で割って出てきた数字じゃなかったの?長期暦でも使うって、やっぱり変だよ。」
私は妖精に文句を言った。
「君だって書いたじゃないか。10倍にしただけだって。」
妖精は文句をいう。
「確かに言ったわよ。でも、アンタの説で10倍にするなら、2600日を20年で割るんじゃないの?」
ああ、頭がこんがらかってくる。こういう話って、AIと作るとどうなるんだろう?すんなり教えてくれるのだろうか?
「2600日???おいおい、おまえさん、10進法に戻ってるぜ。マヤは20進法なんだ。」
「あ?なにそれ??もう、分からないわ。」
ああ、頭が痛いわ。そして、読者が消えてゆく気配が。
「おいおい、テンパってるんじゃないぜ。オマエさん、
一の位が1個のボールなら
2の位は10個入りの化粧箱
3の位は10個入りの箱を10箱詰めた段ボール
みたいに考えているだろ?」
と、言われて急いで紙にモールを書いてみる。
個のボールを数字で表すと111なら
100個入りの段ボールは1つ
10個入りの化粧箱が1つ
1個のボール
となる。そこは理解できる。私は頷いた。妖精は続けた。
「マヤの数字で111を表すなら、
1の位は1個
2の位は20個入りの化粧箱
3の位は20個入りの化粧箱が18個入った段ボール箱になるんだ。
じゃあ、111というマヤの数字を箱で表すてくれるかな?」
妖精に言われてそれを描き始めた。
1個のボールを書いた。=1
そこに20個入りの化粧箱を1つ横に書いた。=20
そして、化粧箱が18個入った段ボールを書く。=360
「……桁で数字が滅茶苦茶だわ。」
私は頭が痛くなった。なんだかよく分からなくなってくる。でも、時間だって60進法で1時間は60分だし、日にちの計算がマヤでは特別なんだと思う。
でも、ここでマヤ暦は面倒臭いことだけはわかった。
「落ち着きなよ。これは位取り記数法と言って小学校で習うんだぜ。」
「え?」
そんなの知らない。と、叫びたい気持ちをグッと抑えた。が、のちに10進法も位取り記数法にあたると知って納得した。
「まあ、落ち込むなよ。マヤは20進法なんだ。つまり、20倍で位が変わるってだけなんだから。」
ドヤ顔する妖精を睨んで、なんだかおかしい気がした。
そして、自分の書いたイラストにその決定的な証拠を見つけた。
「ちょっと!3の位、3の位、しれっと18になってるじゃないのっ。」
私は叫んだ。




