6話 繰り返し
ーー0歳
ん、ここは。
なんだ真っ暗だな。
『パチッ』
「あら見てあなた、ユキが起きたわよ」
目を開くとそこには、若き日のママンとパパンがいた。
「本当だ、可愛いなぁ俺の息子、いや俺たちの息子か」
パパンはそう言ってニコッと笑った。
いや、いやいやいやなんだよこれ。
ーー1歳
「あらぁ、あんよが上手ねぇユキぃ」
そう言ってママンは笑って俺を抱きしめた。
オエ、なんだよこれ、やめろよ触んなよ。
あんなに大好きだったママンが今、俺には底知れない怪物に見えている。
優しかったママン。
俺と父さんの後ろを笑顔で歩くママン。
料理が上手いママン。
そして。
「きゃー可愛い!私の息子愛してるわよ」
俺と父さんを殺したママン。
ーー2歳
何が起きているんだ、また0歳からのやり直し。
俺は今回はどこで死ぬんだ。
わからない、全然わからない。
怖い、怖すぎる、7歳なのか、それとも14歳か。
どっちなんだ。
ダメだ考えても、あの時のナイフを持つママンの顔が浮かんで何も思い浮かばない。
助けて、誰か助けてくれ。
「不思議ねぇ、もう話せる頃なのにユキは全然おしゃべりできないねー」
ママンはそう言って、俺の頬を優しく触った。
ーー3歳
まだ俺の声は出ない。
出し方はわかるのだが、声がついてこない。
なんだよこの感覚、体が心がおかしい。
誰か、誰か助けてくれ。
ーー5歳
「おーいユキ」
誰だ?誰かが俺を呼んでいる。
「おいユキ、呼んでるんだから返事くらいしなさい」
俺を呼んでいたのはパパンだった。
返事はしたいけど、声が出ないんだ許してくれパパンよ。
「これから一緒に町にでもいかないか?」
パパンはそう俺に訊ねてきた。
『フリフリ』
俺は首を横に振って行かないとアピールした。
「そっか」
『ポフッ』
そう言うとパパンは俺の横にスッと座った。
「ユキ俺はさ、お前が話せなくても別に気にしてないから」
そう短く話すとパパンは、俺の頭の上に手を置いた。
「沢山話せる子がいればその逆もいる、そういう事ってだけでユキが他の誰かと特段変わってるっていう事はないよな」
そう言うとパパンはニコッと笑った。
パパン……今のところ、俺とパパンは盗賊かママンに殺されている。
ママンにはどうやら何か俺たちに言えない事情がある、でもパパンは毎回変わらず優しいままだ。
その優しさに救われる。
ーー7歳、運命の日。
とうとうこの日になったか、今日殺されるのかな、俺。
正直もうどうでもいい。
死んだってどうせまた、戻されるだけなのだろう。
一体俺はどうするば生存できるんだ。
考えようにも死ぬタイミングがはっきりとわからないし。
どうすることもできないし、そもそも心がまだ回復しきってない……。
「じゃあねユキ、ママはこれから街へ行くから」
運命の日のお昼ごろ、ママンはそう言って街へと向かった。
そういえばママンは最近、1人で街へ行く事が増えた気がするな。
ーー2時間後




