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追放されしNTR勇者は辺境の地でスローライフを ~聖女と共に最強の村を作ります~  作者: 桜井正宗


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第51話 天使型エンジェスライムの猛撃

 恐ろしい数のスライムが襲ってくる。

 だが、取り巻きは雑魚だ。


 聖剣アルビオンで十分に倒せるレベル。

 範囲攻撃で一掃し、エンジェスライム単体に。

 これで戦いやすくなった。



『ポヨポヨ……』



 エンジュスライムの表情は変わらず、ずっと遠い目をしている。あれが固定なのか?



「ふざけたモンスターだ。これでッ!」



 接近して剣を振り下ろすが、一撃で決まらなかった。こ、こいつ耐久力が高ぇなオイ。

 反撃してくるエンジェスライムは、聖属性魔法ホーリーアローを放ってきた。


 白く輝かしい矢が貫いてくるが俺は剣で防御(ガード)



 ぐッ。

 それなりに出血した。ダメージを受けたが、たいした傷ではない。


 ――いや、だがこれは『毒』!


 コイツの矢には毒が塗布されているのか。


 俺は直ぐに解毒ポーションで毒を解除。



『ポヨポヨ……』



 やる気のない顔して、なかなかの攻撃をしてくれる。

 これは短期決戦で行くべきだな。


 闇の力に頼るしかない。

 というか、敵が天使型なら『聖属性モンスター』である可能性が高いし、弱点攻撃になる。


 なら使うしかないだろう。

 魔力を全て使うことになるが、構わないさ――!



「カルペ・ディエム!」



 全力で闇属性魔法を放つ。

 黒い闇がエンジェスライムを覆い、確実なダメージを与えていた。

 これは手応えあり!


 このまま続ければ……!



『…………(バゥン)』



 エンジェスライムが弾け飛んだ……?


 こ、これは!


 勝った、のか?



 しかし、肝心のドロップアイテム『エンジェスライムの欠片』が落ちていない!


 クソ、外れたか。

 やはり低確率なだけあって中々落とさないか。



『…………ポヨポヨ』


「え」



 よく見ると、エンジェスライムがまた沸いていた。

 は、早ッ!


 倒したはずのエンジェスライムがこんな早く出現するとは!

 どうやら再出現が早いタイプらしい。



「エルドさ~~~ん!」



 上空からオーロラの声がしてアイテムが降ってきた。


 これは魔力回復ポーション!


 受け取り、俺は直ぐに飲んだ。

 これなら闇属性魔法を連射できるぞ。



「ありがとうな、オーロラ!!」

「お役に立てて良かったです!」



 十分すぎるぜ。


 即沸きなら、倒して倒しまくればいい。ドロップするまで俺は諦めない――!!



 ・

 ・

 ・



 半日後。

 エンジェスライムを55体倒してついに『エンジェスライムの欠片』をドロップ! やっとかよ!!



 この白い欠片が……!

 長かったなぁ!!



「ふぅ~…」

「お疲れさま、勇者さま!」



 ネクロが俺の顔の汗を拭ってくれる。なんて優しいコなんだ!


 オーロラも水の入った瓶をくれた。

 俺は直ぐに水分補給。

 生き返った。



「うっまぁ……!」

「ずっと戦っていましたもんね。本当にご苦労様です」


「ありがとう、オーロラ。アイテムが常に補給できたから、戦いやすかったよ」

「それはよかったです! これでついに六つ目もゲットですね」


「ああ。残るはルルティアたちの方だ。幻神の花だけだが……果たして」

「多分きっと手がかりは掴んでいるかと!」


「信じているさ」



 よし、さっそく王国へ戻るか!


 立ち上がって砂を落とす。

 ブラックドラゴンへ乗り込もうかと思ったら――。



『――――ドゥン』



 そんな聞きなれない音がして、俺はそれが敵の攻撃であると認識してオーロラとネクロを(かば)った。



「……ぐぅ!?」



 何かが左肩を貫通していた。


 な、なんだこの焼けるような……。



「エルドさん! 肩から血が!」

「て、敵だ」

「エンジェスライムですか?」


「違う。これはホーリーアローではない。……まさか」



 振り向くと、そこには驚くべき人物が立っていた。なんでこの男がここに! ――いや、王国だから俺たちの気配に気づいてもおかしくはないが。


 自らここへ来るとはな。



滑稽(こっけい)だな……勇者エルド」

「……宮廷錬金術師オルジスタ!」


「フフ。こんな何もない砂漠でスライムを狩るとは、ついに頭が狂ったか?」


「お前の野望を阻止するためさ」

「私の野望を? 無理だな。不可能だ」


「それはどうかな」


「ほう。やけに自信たっぷりだな。いいだろう、お前に策があると仮定しよう……だが、それは無駄だ。なにをしてもこの世界には絶望しかない」



 手を広げ、恐ろしい顔で叫ぶオルジスタ。

 この野郎……見ない内に随分と魔王っぽくなった。


 いや、どちらかといえば『悪魔』だが。


「いや、俺が希望をもたらす」

「面白い冗談だ」


「冗談を言ったつもりはないぜ」


「そうか。なら絶望を味わうがいい……」



 指を鳴らすオルジスタは、後退していく。


 コイツ、なにを?



 ん、何だこの地響き。

 なにか地面から出てくる……?




『ウオオオオオオアアアアアアアアアアア……!!』




 な……!



 なんだこのゾンビは!!

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