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追放されしNTR勇者は辺境の地でスローライフを ~聖女と共に最強の村を作ります~  作者: 桜井正宗


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第40話 NTR勇者 vs 騎士団長ルギアス

 周囲に見えるゾンビモンスターは討伐した。

 バレッサムは被害甚大(じんだい)で炎の包まれていた。住人はゾンビ化しており、恐ろしい事態に。


「……クソッ。誰がこんな(むご)いことを」


 燃え盛る炎の中を歩く。

 すると建物の近くに人影があった。



「…………」



 生存者か!?


 急いで向かうと、ソイツはいきなり剣を抜いた。

 この顔……見覚えがある。


 シュヴァルク王国の騎士を率いてきた男。


 間違いない『騎士団長ルギアス』だ。

 この男がなぜ、こんな辺境の村に……?



 まさか!



「ルギアス、お前……! やりやがったな!!」


「……人間とは実に(もろ)いな」

「なに……?」


「こんな小瓶に入っている液体を井戸に数滴入れるだけでゾンビ感染が広がる」



 コイツ、バレッサムの村にそんなことを!

 だから住人があんな姿に変わり果てていたんだ。



「酷いです!!」

「聖女オーロラ。人には守りたいモノがある時……悪魔にも鬼にも、そして羅刹(らせつ)にもなれるのだ」


「……え」


 恐ろしい表情で剣を構えるルギアスは、明らかに殺気立っていた。

 コイツ……家族あるいは恋人の為にオルジスタに下ったか。おそらく人質か何かにされているのだろう。


 こんな恐ろしい命令を聞くなんて人間じゃねえ。

 それこそ悪魔の所業だ。



「…………お父さん、お母さん」



 村の女性は泣き崩れていた。そこに倒れている遺体は家族か。


 ルギアスの野郎。自分の為だからって、これは許されない。



「ルギアス! 騎士の誇りを捨て、こんな悪逆非道に走るとは……!」

「婚約者を取り戻すためだ!! 私は彼女を心の底から愛している!!」


「だからって、お前に村をめちゃくちゃにする権利はない」

「知るか。こんな辺境の村など消えても誰もどうも思わん。下々は王国の為にその身を捧げればよいのだ!」



 王国の為?

 これのどこが。


 もういい、ルギアスは乱心している。婚約者のことは本当かもしれん。だが、この破壊行為は許されざる所業。


 勇者として見過ごすことはできない。



「お前は俺を怒らせた」

「……フンッ。エルド、お前は伝説の勇者で剣の腕は一級品。しかし、こちらとて騎士団長。この前は本領を発揮できなかったが、今日は違う」



 突然、地面を蹴って接近してくるルギアス。……コイツ、速い。


 俺は聖剣アルビオンで迎え撃ち、剣を交えた。

 刃と刃が衝突し、火花を散らす。


 強い力に押され、ほんの僅かに手が震えた。



「さすが騎士団長だな」

「ああ、地位も名誉も伊達(だて)ではないッ!」



「!!」



 剣に魔力を感じた。


 これは騎士のスキルだな。



「必中の剣。ピンポイントファング!」



 針のような牙のような鋭い必中攻撃――俺はそれを剣で防御(ガード)した。……すげぇ、威力だ。


 必中ではあるが、防御できないというわけでない。


 そして、反撃のチャンスを得た。

 どうやら、ピンポイントファングには数秒の硬直時間があるようだった。多分、必中故の副作用か。


 ならば――!




「クリムゾンブレイク……!」




 ゼロ距離からの火属性攻撃。

 灼熱の炎がルギアスに降り注ぐ。

 ヤツは俺の攻撃が想定外だったようで、まともな防御もできていなかった。




「ぐっ! ぬわあぁあッ!」



 体が宙に浮き、遠くへ吹き飛ぶルギアス。建物と衝突しかけたところで態勢を立て直し、壁に着地。そこから身をバネにして数回転して着地した。


 さすが騎士団長。

 一筋縄ではいかないな。



「あの方……相変わらず凄いですね。エルドさんとやり合うなんて」


 ポカンとした表情で立ち尽くすオーロラ。その隣でネクロも呆然となっていた。ラフィネも。



「そうか、オーロラは見たことあるんだな、ルギアスを」

「ええ。王国で何度か」



 若くして騎士団長の位置に上り詰めた男。

 天才と呼ばれた騎士の中の騎士。


 なのに、ここまで堕落するとは。



 ゼルファードも気になる。ならば早期決着が望ましい。


 俺は剣を構えなおし、魔法スキルを付与(エンチャント)した。



 この一撃でヤツを倒す。

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