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【休載中】(初稿版)本能寺は止めない、だが光秀は死なせない 〜未来を知る将軍・足利義昭、戦国を動かす〜  作者: 細川 雅堂
第四章 歴史の軋み

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第十七話 信長の政治

安土城・本丸。


信長は机の書状を指で弾いた。

乾いた音が響く。


長秀が横で控えている。


「……四国の件で、朝廷も寺社も、公家までもが動いております」


信長は書状を広げた。

朝廷の懸念、寺社の反発、公家の介入。そして──堺の沈黙。


長秀が息を呑む。


「将軍様の政治は、想像以上に……」


信長は笑った。


「面白い」


信長は書状を指で押さえた。


「将軍は朝廷を動かす。寺社も、公家も、商人も」


長秀が頷く。


「すべて……構造でございますな」


信長は目を細めた。


「軍では壊せぬ構造もまた、力だ」


長秀はその言葉に息を呑んだ。信長は続ける。


「将軍は国を使う。俺は軍を使う。戦場が違う」


信長は書状を置いた。


「ならば試す」


長秀が顔を上げる。


「……何を」


「構造だ」


長秀は理解が追いつかないという顔をした。


「信長様が……構造を……?」


信長は立ち上がる。


「将軍が使うなら、俺も使う」


信長は命じた。


「長秀」


「はっ」


「京へ文を出せ」


長秀が筆を取る。信長は言葉を続けた。


「四国討伐は──天下安寧のため」


長秀が驚く。


「……これは……朝廷、公家、寺社への……」


「政治だ。将軍の遊びだ」


信長は笑った。

長秀は筆を止めた。


「信長様が……政治を……?」


信長は窓の外を見た。


「軍だけでは足りぬ。構造もまた、力だ」


長秀は深く息を吸った。


「……では、これは……」


「実験だ」


長秀は筆を置いた。


「信長様……将軍様と同じ土俵に立たれるおつもりで……?」


信長は首を振る。


「違う。将軍の土俵に、足をかけるだけだ。どこまで動くか」


長秀は息を呑む。

信長は書状を束ね、机に置いた。


「構造を使えば、将軍はどう反応する。政治を使えば、国はどう揺れる。試す価値はある」


長秀は震える声で言った。


「信長様……これは……戦の前触れでは……」


「戦ではない」


「遊びだ」


信長は京の方角を見た。


「将軍。どこまで動く」


信長は笑った。

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