CVー21ボクサー艦橋にて
イギリス海軍支援を命ぜられたアメリカ海軍のエセックス級空母でありますが、
「なんだこの騒ぎは」
「いや、上のほうがですね、正式な部隊配属前の母艦を使ってですね、新型機の実戦テストをしたい、ってことらしいんです。」
「それ、もうひとつ裏があるだろ?」
「やっぱ、わかりますよね。」
「みたらわかるよ」
「そうですよね、実は新型機のイギリス海軍への売り込みです。イギリス海軍の天敵みたいなドイツ大西洋艦隊を叩くこの機会に、活躍させたら、今後の売り込みに有利になりますからね」
「だろうな、あの会社は空軍はともかく海軍には採用実績無いに等しいからな」
CVー21ボクサーの艦橋では、艦長とエアボスが訓練で発進するダグラス社製のADー1スカイレーダーの離艦を眺めている。
単発単座の攻撃機としては異例の搭載量を持つ、艦上爆撃機と艦上雷撃機を兼ねる機体である。
シンプルな設計で拡張性を備えた機体で、後々もしぶとく使われる機体だ。
グロスシーブルーに塗られた機体は新品らしい輝きを放っている。
「艦長、こいつは以前捕獲したジャップのゼロやらオスカーと空戦してもなかなかいい働きしたらしいですよ。」
「そら、爆弾投下した後の状態ならな!でもかって、俺のいたホーネットに積んでたデバステーターなんてそのゼロに手荒く捻られたんだから!舐めたらだめだぜ!」
「今度は大丈夫です。あれがいますから。」
向こうには見慣れたF6Fよりいくぶん小柄な機体が発進を待っていた。
「F8Fベアキャット、グラマンの出してきた真のゼロキラーです。ダッシュ力で有名なフオッケウルフにも遜色ない性能を持ちます。
こいつらを束にして、トミーの空母と殴り込んだら、ドイツ野郎どもも太刀打ちできませんから!」「よし、イギリス空軍なんざに花を持たすことはない。我が艦の航空隊で食っちまおう!」
「そうですね、艦長ですから、、こうしてですね、、、」
ボクサー艦上で邪な相談が成されているのは知らないドイツ軍とイギリス軍であった。
アメリカ軍もなにやら思惑が




