朝鮮半島から撤退?
中国からの撤退は、結局良い効果ありです。
大本営での会議において、深刻な会議が行われていた。
将来的な我が国の防衛についてである。
中国からの段階的な軍隊の撤退は、特に陸軍においては、メリットが少しずつ出てきている、と言う報告が上がって来ている。
直接的な効果として、まずは兵員の損耗の減少、が第一に挙げられた。
大陸の不衛生な環境での傷病兵の減少だけでも、対米戦で人が足りない陸軍にとっては有難いことである。
また内地のからの大陸向けの船舶を今度は南方あるいは、内地の物資輸送に回せるだけに有難い話でもある。
現戦況では、まだアメリカ海軍も根拠地が限られていることから、南方航路を脅かすには至らないのだが、今後の展開次第では、どうなるか予想もつかないからだ。
他にも陸軍戦備の面からは、大陸各地に分散、展開していた野戦高射砲を引き上げて、内地の要地防空に回し易くなったのがある。
主力はいささか古くなった7.5セン高射砲だが、やはり数の必要な高射砲であるから、大いに役立った。
また火器管制装置については旧式なものだったのが、ドイツのウルツブルグレーダーの技術が、部品の生産技術なども含めたから、一気に改善された。
また陸軍に関しては、小銃の自動化に着手されるようになったのは大きな進歩であった。
従来は大陸であちこちに展開している各部隊の小銃を更新するには、莫大な費用がかかる。
これを嫌った参謀本部の横やりで進まなかった自動小銃の採用がようやく実を結んだのである。
この新小銃の口径、つまり弾の直径をどうするか、大議論となったが結局、古い38式歩兵銃の膨大な弾薬ストックを活用する話と小口径で扱い易い小銃を提案する技術陣の話が通り、列強諸国の中でもすこぶる小さい弾の自動小銃となったが、後年、アメリカを始め他国も小口径化に進んだことは、後世の歴史家からは評価される話となったのである。
このように大陸で兵力、費用の削減が進んだことから、様々なメリットが出てきた。
更なるリストラをしないか?
って話が出てきたのも、おかしな話ではない。
それが「朝鮮半島の放棄」である。
もともとは大陸への進出路線としての価値から、併合された、朝鮮半島だが、日本は過去、何回かは朝鮮半島に拠点を得たりしても最終的には放棄してきたという歴史的事実がある。
また最近の治安情勢を見ると、ソ連、中国と言った国に支援されているゲリラの跳梁跋扈は、無視しがたいものがある。
またアメリカ在住の、李某と言う独立運動家が様々な策謀を巡らせている。
このうな動きはこれから、膨大な治安活動が必要になっていくとの、分析結果が出てきたのである。
そのような活動に必要なのは、これまた多数の歩兵などであり、せっかく中国で得た「成果」を台無しにしかねないとなった。
またやはり圧倒的なソ連陸軍を考えると、例え強力な防御ラインを用意してもこれまた膨大な兵力、費用を要してしまう。
そうして、大東亜戦争休戦時点で、朝鮮半島からいそいそと、日本軍は撤退、彼らに返したのである。
こうして、1950年、朝鮮半島で戦火が起きた時、我が国は戦争に巻き込まれずに済んだのである。
アジア方面の戦況が続いてるうちに、ビスマルクなどの出港準備完了です




