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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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イギリス軍はほくそ笑んだが、、、

エルアラメインは弱体化していたイギリス軍にはきつい戦いになりました

イギリス軍司令部は「狙い通り」と喜んだ。

ドイツ軍の主力が南部に引っかかる間に、さらに北側と東側からの戦車部隊による攻撃で挟撃するのである。


ところが、ドイツ軍は更なる手をイギリス軍の意表をついて打ってきた。

さて、ここは同じ日の、地中海を眺めるイギリス軍の沿岸警備所である。

少数の兵隊が警戒しているだけ。


エルアラメインの前線からは近いものの、分厚い対戦車障害やらに阻まれるから、こちらは安泰。ドイツ空軍もあまり来ないしな。

まあ何もない1日が終わるだろう。

警戒中とは言え、気の抜ける場所ではある。


そして夕方、陽も落ちて、突然の海からの攻撃である。

大口径のロケット砲弾が闇を切り裂いて飛ぶ。


以前にジブラルタルやムルマンスクで使われたロケット砲弾がここエルアラメインの海岸付近でも飛びまくるのである。


突然の攻撃のあと、海面から出てきたのは、3号戦車。

まるで潜水艦のような吸気筒をつけで、沿岸を潜って走ってきた。

そして上陸して沿岸監視拠点を蹂躙していく。


本来はイギリス本土上陸に備えた車両であったが、少数が東部戦線で渡河に使われただけでお蔵入りしていたのである。

潜水して、敵の目を盗んで、走ってきたのだ。


一番の目標はレーダーである。


まさか地上からの戦車の攻撃なんか想定していないから、周囲の対空火器などもほとんど囲われていない。むしろ射界を広くするように配置されているから、裸も同然。

次次に50ミリ戦車砲から榴弾を叩き込まれたりして破壊される。


シッチャカメッチャカにされたレーダーサイトに突入してきた随伴歩兵、工兵にも、戦車の援護の他、別の任務がある。

レーダーユニットの強奪、関連資料の収集である。

彼らの任務完了した時点で、低空飛行できたグライダー部隊がある。

ドイツ、イタリアの空挺部隊である。


空挺部隊とは言え、この時期のドイツ軍には無反動砲やらキューべルワーゲンなども運べる輸送グライダーもあるから、並みの歩兵部隊には荷が重いだろう。


さらに沿岸沿いに、闇に紛れてきた揚陸艦艇はパンターやら4号戦車に、更なる歩兵部隊その他まで揚陸してくる。

これらは、対戦車障害帯の後方への奇襲上陸を行ったのである。


本来はこのような動きはイギリス空軍により事前に察知されたり、また翌日夜明けには反撃されたりしたであろう。

しかし、補給が困難なのはイギリス海軍や陸軍だけでない。


空軍は地中海でのマルタ島の維持、エジプト上空の制空権の維持、各所で対応に終われていた。


しかし地中海の補給線が途絶え勝ちになり部隊の定数を維持するのにも困難になってきたのが痛い。

ただでさえ砂漠で、戦闘機を維持するのは、フィルタをつけたりしても難しい。


結果として、消耗しているイギリス空軍はエルアラメインから突っ込んでくるドイツ軍阻止に失敗する。


また南部で強固なボックス陣地にたて込もっていたイギリス軍も、例え現陣地を固守しても、敵に補給線を絶たれては、もう終わりである。


そのため、後方の部隊から順次撤退を始めた。

しかし前線の部隊が撤退する段階では、ドイツ軍が追撃をあわせて行い、秩序だった「撤退」は「壊走」に変わっていく。

さらに混乱に輪をかけたのはインド洋での新たな動きであった。



史実は補給たっぷり元気もりもりのイギリス軍が、ヘロヘロのドイツ軍団を叩いた訳です。

そのあたりが変わっていたら、ドイツ軍は?


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