何が来たんだ?
エルアラメイン南方でドイツ軍の攻勢ですが、いつもと違う「何か」が来てます。
エルアラメインの戦いは内陸部からの攻撃で幕を開けた。
イギリス軍の前哨拠点付近には、攻撃前の制圧射撃が行われている。
これが終わり、拠点から恐る恐る頭を上げてみると、ドイツ軍の装甲車両 などが前進してきている。
「小隊長、なんか見慣れない車両が来ます。何でしょう?」
この拠点を守る小隊は周囲を地雷やらで固め、6ポンド対戦車砲、3インチ迫撃砲、さらには以前イタリア軍から捕獲した機関砲などを持っている。
ある程度の火力を持った火点で、敵の来襲時には、後方の25ポンド砲を装備した砲兵陣地や近隣の拠点と共同して、友軍の戦車部隊が反撃してくる時間を稼ぐのが仕事である。
「よくわからんなあ、しかし前衛の戦車と共に来ているから、何らかの支援車両だろ。よし、戦闘配置。
対戦車砲は有効射程に入り次第敵の戦車を射て。
機銃と迫は随伴してくる歩兵がさらに近づいてきたところで一斉射撃だ。あわせて、砲兵に事前の計画通り、支援射撃要請」
距離が詰まり、偽装されていた対戦車砲が発砲する。
「なんだ、こいつ!」
角ばった戦闘室をもつ「こいつ」は6ポンド砲の放つAP弾を弾いた。
そして、発砲してきた陣地に正面を向け発砲してきたら、思いもよらない大きな土煙が上がる。
「対戦車砲、使用不能。砲員は下げます!」
「了解、収容して予備隊にいれとけ」
さらに同型の車両は、砲撃中の迫撃砲の陣地を砲撃、こともあろうに貯蔵していた迫撃砲弾を破壊、弾をなくした迫撃砲も沈黙した。
「やばいな、砲兵の支援はどうした?」
「先ほどから通信妨害がひどく砲兵や中隊本部と交信不能です。」
「よし、こうなりゃまもなく歩兵が殴りこんで来るだろう。壕内で待機させ、引き付けて斉射しろ。」
「曹長、どうした?」
「どうやらうちは、置き去りにされたみたいですね。」
改めて砲隊鏡でみるとまさにその通り。
拠点が沈黙したと見てとるや、こちらには目もくれず戦車部隊は突破していく。
いまの我が陣地は、対戦車砲も迫も失った歩兵だから、手も足も出ないのは明白であり、補給がつきたら降伏せざるを得ないのもまた、明らかだ。
このように、イギリス軍の前哨拠点を無力化したのは戦闘団「ピンクパンター」から配属された1個小隊のブルームベア、4号戦車に15センチ歩兵砲を搭載した自走砲である。
目論見通り、出会う拠点をボコボコにしてくれる(^-^)。
イギリス軍の対戦車砲は6ポンド砲が主力であるから運が悪くなければ、ブルームベアの正面は抜けない。
偵察によれば、この近辺は地雷の敷設は少ない(各拠点からの火力でふさいでることだし、準備に時間がなかったようだ)
ドイツ軍はさらに前進していく。
残した敵は小火器しか残されていないから、後続の砲兵で叩いて、歩兵で最後は制圧するだけで十分である。
多分まともな指揮官なら頃合いを見て手をあげるだろうし。
久しぶりに「電撃戦」復活か?
史実ではアフリカに来てない灰色熊を出してみました。
現地では無理やり3号戦車?の車体に積んだりするくらいでしたから、喜ばれたのでは?




