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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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暗号解読の裏をかけ!

暗号が破られてるかも?

はとんでもない事態を引き起こしている可能性があるが、かといって暗号システムの変更は大変な労力が必要でおいそれとできない。


ならば、解読されていることを逆用するか?です

暗号解読は軍隊の通信の一分野と言う枠には収まりきれないものになっていた。


ある文字を別の文字に置き換えることで一見無意味な文字の羅列が意味を持った文章になる、そう「関数」と言って良い。

そのため数学者がこの世界に招待されて、さらに理論がわかればさらにその計算をより早くするための「機械」が必要になる訳である。


ポーランドでドイツ軍の有名な「エニグマ」の謎を解いたことは、さらに英仏に引き継がれさらにアメリカも巻き込んでの大騒ぎになる訳である。


ドイツ軍も様々に暗号を変更したりしてきたが、沈没した艦艇から情報が漏れたりする例は第1次大戦のマグデブルグから資料が回収されたように、発生していたし、なんと言っても、通信そのものが、暗号解読の一番最初の手がかりになるのはやむを得ないのである。


洋上の発信場所から海軍に関わる暗号と推測されて、方向探知機と哨戒機からの情報で、水上艦艇が見つからないならば、潜水艦が発信したとわかる。


このような基礎になる情報を積み重ねて、数学者たちを動員して理論的に、暗号に立ち向かう。

この、特にエニグマ暗号に対する努力は、結局ウルトラと言う名前の、機密情報となり、戦局に大きな影響を与えたのである。

これはドイツ軍にもばれずにいたから良かったのだか、ドイツ軍も知らないうちに、暗号の強度を高める方策は何度も行われている。


一方、ブレストの艦隊司令部は、暗号そのものが解読されるのもやむ無しと考え、積極的に暗号解読をされることを利用した作戦を立てるようになっていったのである。

(さすがにこの発想は、上級司令部に受け入れがたいこともあり、広まることはなかったが、現実に艦隊が戦果をあげたり、敵の攻撃隊をやり過ごしたりしてからは、黙認されるようになる)

さてジブラルタルに向かう途中のドイツ艦隊は、洋上で遭遇したイギリス艦隊と短時間の激しい航空戦を行った。


先手をとったドイツ艦隊は、上空直衛を残し、援護戦闘機をつけた第一次攻撃隊を発進させた。

発見された空母はイラストリアス。

情報では飛行甲板が装甲されているとんでもない固い空母。

タラント軍港を空襲してイタリア戦艦を引きこもらせた張本人。

またマルタ島をめぐる航空戦では、我らがスツーカの猛爆を受けたにも関わらず生き残った強運の空母でもある。


しかし今の作戦では最優先の目標ではない。

航空機運用能力を奪っておけば良いのである。


上空直衛は6機のフルマー艦上戦闘機である。


そこにフオッケウルフ戦闘機隊が殴り込み、追い払いつつ、対艦攻撃隊が空母に対してロケット弾攻撃をかけたのである。

狙うはイラストリアス最大の弱点、エレベーターである。

前回はここに二発の500キロ

爆弾が命中して大損害を与えたのである。


今回はそこと艦橋に21センチロケット弾を叩きこむことで、航空機運用能力を一時的に喪わせることを意図したのである。そうすれば第二次攻撃隊は安心して雷撃機を用意して、攻撃できるのである。


この21センチロケット弾はもともとは陸軍の砲兵用ロケットだが、空軍にて対重爆用空対空ロケット弾として使用が開始されているために、フオッケウルフ戦闘機にも以前から搭載可能だったのである。

搭載された半数には着発信管、残りには遅延信管を装備して

攻撃効果をあげるようにセットしての攻撃である。


空対艦でロケット弾攻撃と言うのが大々的に使われたのはこれが初めてであり、イラストリアスも回避の間合いが難しいようである。

空対空で使用するよりも的が大きいため攻撃側からすると照準はしやすそうである


初弾から命中して効果があるようだ。

艦橋に命中すると、爆風で艦橋上のレーダーも機能を失うようだし、艦の指揮にも悪影響があるようだ。

エレベーターはさすがに命中しがたいようだが、何発かは命中して、機能不全には陥らせたようである。


煙が薄れた後、確認すると、わずかながらエレベーターが破損している。

わずかに下がった状態で停止しているのは命中弾で不具合があることを示しているようである。

これならば、飛行甲板は使えない。

「鷲1より報告、『イラストリアス級の飛行甲板に損傷、使用不能の模様。第二次攻撃隊発進を要す』です」

「よし、直ちに第二次攻撃隊発進せよ」

今度は魚雷と500キロ爆弾を搭載した機体がメインである。

二回にわたる攻撃で敵の兵力が判明している。

こちらは40センチ砲を持つビスマルクがいるのに対して、40センチ級のネルソン級はいなくて、巡洋戦艦レナウン、ウオースパイト、巡洋艦はダイドー級2隻 などである。


こちらは索敵にきたソードフィッシュには発見されていないから、敵にとっては兵力不明であるが空母機が参加していることから、ブレストからの艦隊であることは想像がつくであろう。

位置がわからない以上、不利を悟り撤退するだろうから、ここは押していくのが、正しい。


まずは雷撃と爆撃で足止めして、艦隊戦である!

久しぶりの殴り込みに艦隊の士気は否応なしに上がるのである。

第二次攻撃隊の戦果を待たず追撃開始である。




ドイツ艦隊は猛進していきます!

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