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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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スタフカでの極秘計画

スタフカ、つまりソ連軍の最高司令部は、米軍による奇襲で大きな被害を受けたのは、以前から述べている通りである。


このためにスターリンは堅固な施設に籠る従来の考えを諦め、思い切って、モスクワを放棄するに至るのである

スターリンのごくごく一部のスタッフだけによる、極秘会議が、トレーラーハウスで行われている。

以前の米軍の空襲のあと、必要な通信等は別の回線を引き直したり、はたまたダミーの司令部の建物を偽装をしたり、様々な工作により、米軍やイギリス軍情報部などの追及を免れている場所である。

堅固な地下施設に隠されているように見せかけられているだけである。


しかし、このままでは、発見されたら終わりである。

そのためスタフカとスターリンのモスクワ脱出計画の立案がはじめられたのである。


堅固な要塞みたいな以前のスタフカがあっけなく崩落したために、思い切った案が求められた。


それが作戦「シベリアンハスキー」である。

逃げて逃げて、ウラルの向こうに、聖域を設ける案である。


モスクワ方面への兵力増強は、米軍やドイツ軍なども、警戒を強めているが、回送される空荷になった列車などは見向きもされないだろう。


また、スタフカなどの脱出については、特別な警備体制などとってないかなどをチェックしているだろう(これはNKVDの警備係のシフトをチェックしているイギリス軍情報部などの動きを知らずにいたから偶然である)。

だから、普通の回送される貨物列車を隠れ蓑として、昼間にモスクワ方面から脱出するアイデアがとられることになった。

普通、最高司令部の脱出など夜間、こっそりが定番であろう。


まさか、昼間なんて考えたりしない。


さらに興味深いのは、鉄道網の一部をわざと「故障」させて、あえて鉄道網の混乱した最中に、作戦を行ったのである。


つまり運航中にトラブルに巻き込まれた、回送の貨物列車など、誰も気にしない、という心理的な陥穽をついたのである。

後に「後手に回りまくったソ連軍が、第二次モスクワ攻防戦で唯一完璧に成功した作戦」といわれた、作戦「シベリアンハスキー」は第二次世界大戦後の世界に大きな影響を与えたのである。



さらにこの計画には、付随して、とんでもない「置き土産」が計画されていたのである

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